【清世さん企画】化粧室に居座る女子高生
(サムネイル 清世さん 作)
女子高生
私たちの学生事業の拠点は学校ではない。
朝、門の前には体育教師が立ってスカートの短い生徒を注意している。
私はあたかも家から正装をしてきたかのようのに堂々と門を通る。
本当は信号の手前で二回ほど折ったスカートを元の長さに戻したのだけども。
毎日、門に立つ先生には聞こえないくらいの声でとりあえず挨拶をしてはいるが、ノーマークの生徒故きっと先生は私の存在を認識していない。
眉毛を整えていることも、薄く化粧をしていることも、目にかかる前髪のおかげでバレていなかった。
授業を真面目に受けているかのように見せかけ、本当は廊下を挟んだ向かい教室で授業をしている数学教師を眺めて時間が過ぎているだけ。
授業を妨害するくらいうるさい男子のおふざけが毎回担任をブチ切れさせ、帰りのホームルームで女子は関係ないのにいつもクラス全員が悪いと怒鳴り散らされる。
それをシュンとした顔をして反省してます空気を出してはみてる。
ホームルームが終わり、部活がある子に頑張ってねとバイバイをして教室を出る。
「今日クレープ屋さん寄って良い?」
「いいよ〜私も食べたい」
私たちは正門を出るとすぐ被っていた良い子ちゃんキャップを捨てる。
駅に向かうまでにスカートを短く巻き、ポーチに隠したスマートフォンを取り出し電源を入れる。
そして駅に併設されているショッピング施設の化粧室に直行する。
最近の化粧室はコンセントが付いていてありがたい。
髪をとかしコテで巻く。
前髪をピンで止め、大きな化粧ポーチを広げ派手に化粧をする。
リボンを緩め、ワイシャツのボタンを一つ二つ外していく。
『今日も私は可愛い』
右手にクレープ、左手にタピオカを持ってプリ機に入る。
女子高生という若く貴重な時間を残すために必要なのはこの放課後という時間。
撮ったプリに落書きをしながら友達が言った。
「そういえば、今日も先生お説教してたけど、普通にズボンのチャック開いてて笑い堪えるの必死だった(笑)」
「えwそれは草w俯いてて全然気付かなかった」
今回の記事について
清世さん(タルトのお姉さんです)の「絵から小説」という企画に参加させていただきました。
清世さんが描いたお題の絵から、小説・物語・詩のどれかを書くという企画ですが、私にはどれも書けそうになく困りました。
確実に詩でも小説でもないけど、物語と言うかも怪しい...というか日記かもしれません。笑
お題の絵は3つあり、中でも私はこちら(↓)の絵を選ばせていただきました。
襟から見て、着ているのはセーラー服(?)と思ったので、学生を描いたものになるようにしたつもりです。
他の方の参加記事を見ていると、私がこんなもので参加してもいいんかwとヒヨってしまいましたが、清世さんとは交流したかったので(〃ω〃)
どうぞお手柔らかによろしくお願いします(_ _)