マンションの立地解説⑤クレストプライムレジデンス
新鶴見操車場跡地と再開発の歴史
もともとこの物件があった場所は新鶴見操車場という巨大な貨物列車のターミナルでした。
日本全国の貨車を組み替えるための日本有数の巨大な操車場で全長5km、約24万坪の面積を誇っていましたが、時代の変化で組み替えが不要になり廃止されました。
そして空き地になってからも数十年間に渡って土地の活用が決まらず放置されたことで近年まで100年近くに渡って街が分断されたまま農村から発展した歴史があります。新鶴見操車場沿いは今でも街の東西を結ぶ道路は建設当時と変わらず約500m〜1km間隔でしかなく、いずれも陸橋を昇り降りして往来する形となっていたため、街の東西を渡る前提で生活するには苦労が多かったことでしょう。
この結果、旧操車場周辺での集客は難しかったせいか、商店は駅前を除き僅かな状態となっております。
また商店の少ない状況でありながら操車場跡地の開発は主に「研究開発や先端産業の拠点」「住宅の開発」を主軸に進められました。
そのため駅前以外の大半は商業開発を推進どころか規制されています。
結果、大規模開発された物件なのにすぐ近くに生活利便施設が出来ないという部分が一般的に求められる住まいへのニーズと比べて弱点です。
なお共用施設の開発や保育施設の設置と小学校の建設(2025年開校予定)が進み、教育・子育て施設は作られています。敷地内の保育施設は人気で中々入りにくいですが、周辺の選択もこちらは豊富です
それぞれの周辺エリアの住み心地を少しずつ享受する立地
このような立地特性上、この物件に合わせた生活圏はほとんどありません。一方で周辺は東西南北それぞれ見渡しても市街地が形成されているため、それぞれの周辺エリアの生活圏を享受することができます。そこでそれぞれの生活圏と街区との関係を紹介します。
①矢向駅西側エリア
弐番街であれば矢向駅西側エリアの物件+徒歩3分、次点で壱番街も享受しやすいです。
参や五や七番街だと矢向駅西側エリアの物件+徒歩5分くらいなのでやや差を感じてきますが、享受できる範囲でしょうか。
ただし未建設の六・八番街だとエリア内の各店舗まで徒歩10分を超えてくるのでやや享受しにくくなってしまいます
②江ヶ崎エリア
江ヶ崎エリアは商業開発への規制が無かったため、操車場跡地に島忠・サミットを核とする商業施設があり、加えて周辺にもいくらか有ります。
壱番街の場合、道路を挟んで向こう側が江ヶ崎エリアなのでこれに近い住み心地が期待できます。
弐・参番街でも徒歩2〜3分ほど遠くなるくらいで済みますが、敷地反対の七番街になるとエリア内の商業施設や公園は徒歩10分弱〜15分と矢向や新川崎・鹿島田行くのとあまり変わらなくなるので選択肢の一つ程度でしょうか。
また学区は違いますが小学校は近くかつマンションに住まいの人が多くなる見込みの点でも似ています。
③小倉・南加瀬エリア
ロードサイド店舗は徒歩15分程度となるため近さが特別魅力になるものではありませんが、マンションに近いところだと遊具のある公園や保育園など子育て向け施設がやや多いでしょうか。
④新川崎駅西側エリア
新川崎駅西側の落ち着いたエリアは、七番街が一番アクセスしやすいです。さいわいふるさと公園は徒歩5分強、図書館・出張所は徒歩12分、夢見ヶ崎動物公園は徒歩15分強ほどと近くはないですが比較的通いやすいです
⑤東小倉エリア
七番街の場合、東小倉の物件と比較すると新川崎駅・鹿島田駅から遠ざかる代わりに矢向駅に近付きますが、学区以外はこれの住み心地と似た要素を享受できると思います。
パークシティ新川崎の公開空地入口までは徒歩7分ほどで、新川崎スクエアが徒歩12分、鹿島田駅が徒歩15分ほどです
⑥塚越4丁目エリア
七番街の場合、徒歩7〜10分前後でこのエリアの生活利便施設が使え、小規模ながら飲食店などのある商店街もあります。七番街の場合は矢向駅よりも少し行きやすく、意外とこちらも生活圏の一つに入ることでしょう。(バス停とコンビニはお隣の東小倉が徒歩3分くらいでより近いです)
街区ごとの違いまとめ
表にすると以下のような形となります。
商店街のある矢向駅および郊外型店舗や公園のある江ヶ崎エリアの2つを活用しやすいのは分譲の早かった壱番と弐番、次点で参番街となります。徒歩約5分以内にスーパーや多少の店舗は欲しいならこちらから選ぶのがベストです。
一方で、どのエリアからも離れてしまいますが周辺エリアの住み心地を少しずつ享受できる七番街も妙味あると思います。
例えばスーパーの選択でも塚越の相鉄ローゼン、新川崎スクエアのマルエツが追加で選べることで、矢向・江ヶ崎エリアでは弱点となっている夜遅くの買い物を補完できます。
また塾・習い事や診療所、飲食店の選択もどちらも使えた方が気に入るのが見つかりやすいでしょうか。
毎回同じ場所を使うのが嫌い、もしくは少し遠くても合う選択を選びたい・使い分けたい人に向いており、駅力のある最寄り駅に暮らすのと近い効果があると思います。また人混みを避けられ、地価の高い場所には少ない公園や廉価な郊外型店舗などが充実するのが一般的な駅力ある場所と比較した強みと考えます。
未竣工の五・六・八番街は、駅や商業施設へ行こうとするとどちらへもまず敷地の端まで出るのに3分以上歩く必要があり、他の街区と比べて立地利便の観点で強みを見出すのは難しいです。
代わりにマンションの共用施設が集まる場所に位置しているのが強みとなるでしょう。
生活利便については他のマンションのがより優れている選択も多いですが、街区中心部のランドスケープについてはしっかり力を入れているので、気に入った雰囲気に囲まれて暮らしたい方にはより魅力となることと思います。