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胃がキリキリするゴヤの展示

※全体的に重いので、やや閲覧注意です


西洋美術館の常設展、500円とは思えないほど濃密なのだけど、今日の目的はゴヤの版画。
当時、フランスvsスペインの戦争の現場を描いていたゴヤ。まるで日記のようなタイトルがつけられてる。
股をさかれる嫌〜な殺され方。いやだすぎる……左の男がニヤリと笑ってるのがまたむごい。
「治してやってまた戦地に」戦争中、人々がいかに傲慢になりうるか。
「そのためにお前たちは生まれたのだ」そんなわけない!!! って全員のこと抱きしめたいよ……
この絵……
この婆さん……
黒い絵のこの婆さんに似てる!!!スプーンもってるとこも。
亡くなった人の盗品を売ってるのかな?? 左の仮面はつくりもの……?まさか人の顔面の皮はいで売ってるわけじゃないよね……??
今にも切れそうなもろい綱で綱渡りする、たぶんフェルナンド7世。市民たちは"綱のもろさ"に気づいている。
権力の権化!!!

む、むごかった……なんで人間はこうなんだ……なんで……!!!と胃がキリキリしてくる作品ばかり。衝撃が大きすぎて、ベンチからしばらく立ち上がれなかった。

苦しい状況下で絵を残してくれたゴヤを心から尊敬する。きっと生きた心地がしないなかで描いていたのではなかろうか……「現代にまでちゃんとキレイな状態で残ってて、普通〜の日本人が見てるよ!!! シンパシーをバシバシに感じてるよ!!!」ってゴヤに伝えたい。

画力だけじゃなく繊細な感性や力強いメッセージ、すべてにおいて偉大な画家で、改めて大好きになっちゃいました。

大事なのは、ここから現代人が何を学ぶのか。これはフランス革命の話ではなく今まさに起きている戦争の話であり、人間である限り、いつ働くかわからない普遍的な"黒い心理"の話でもある。誰もが引っ張られやすいものに、引っ張られない人間であるために。

おまけ

VOCA展も行ってきた!
ウチダリナさんの作品がよかったなぁ
ウチダさんは中国にいたころ、顔も知らないメンバーとチャットのやりとりだけでチープなグッズを大量につくっていたそう。"生産性"とやらがあるんだかないんだか……労働とは何なのか……

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