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SixTONESデビュー5周年に寄せて〜彩なす6つの音色〜

今日1月22日は、SixTONESのデビュー5周年の記念日です。

この日を今年もお祝いできることが、とても嬉しいです。デビュー5周年、本当におめでとうございます。

いまだにストチューブのオープニングの「今日の動画では何をやると思うか?」というフリで、隙あらば「デビュー!?」とボケるし、何ならスト担さんも、SixTONESから何かしら大きな発表があることを感知すると「デビュー!?」と言っちゃうくらい、ずっとずっとたくさんの人が待ち望んでいたところに、SixTONESが今立っていて、活躍しているのだと思うと感慨深いです。

今日の記事は、ずっと書き溜めていたSixTONESのこれまでの楽曲を振り返る文章をリライトしたものと、オタクの感情書き散らしをお届けします。


「Imitation Rain」のグリザイユ画法

SixTONESのデビュー曲「Imitation Rain」を初めて聴いたときの衝撃を、まだ鮮明に覚えています。

YOSHIKIさんが紡いだ楽曲そのものの迫力、美しさと強さと弱さが絡み合った臨場感、SixTONESの歌声、パフォーマンスはもちろんのこと、何より、「これをデビュー曲にしたのか」という驚きが強かったです。

このロックバラードを「グループの名刺」として携えていくという覚悟は、どれほどのものか。

「音楽で勝負していく」と、デビュー曲の段階で知らしめようという気概、情熱をひしひしと感じました。

一方で、少し怖いような気もしたんです。

これから、SixTONESはどんな曲を、どんな歌声を世に送り出してくるんだろう、と。

SixTONESがデビュー5周年を迎えた今、改めて振り返ってみると、「Imitation Rain」は、「グリザイユ画法」のようなものだったのではないかと思います。

「グリザイユ画法」とは、油絵の技法のひとつで、あらかじめ灰色で陰を塗り分けておいて、その後で色を付けていく、というもの。

「Imitation Rain」では、SixTONESがこれから描いていく絵に、まず陰となる色彩を置いたのではないか、と今になって思います。

SixTONESは、デビュー前から様々なオリジナル楽曲をもっていて、既に彼らなりの音色をもって色彩を重ねていて、デビューするときにはある程度「SixTONESはこんなグループ」というイメージができあがっていました。

決して、真っ白なキャンバスにこれからどんな色を塗るのか楽しみ、という方向のグループではなかったんです。

だからこそ、私は、(当時はまだSixTONESを好きになりたてだったうえに、さして音楽をたくさん聴いていたわけではなかったものの)SixTONESのデビュー発表後に思ったのは「どんな曲でデビューするんだろう」でした。

これからずっと「あの曲でデビューしたSixTONES」と言われるようになる、と考えたとき、6人は「あの曲」をどんな曲にするんだろう、と。その曲を、どう歌い上げて、どんな歌声で魅せてくれるんだろう、と。

もっとも、後にYOSHIKIさんが楽曲提供をすることが発表され、その圧倒的信頼感に思わず画面の向こうを拝んだわけなのですが。

情熱的で、でもクールさもあって、激しくも儚くて、少し寂しげで、でも毅然としていて美しい。

そんなロックバラードをデビュー曲として携えて駆け出したSixTONESは、「陰」をしっかり塗り込んだうえで色彩を重ねることにしたのではないか、と思います。

陰をはじめに塗っておけば、後からどれだけの数の明るい色彩を重ねても、自然と立体感と奥行きが生まれます。

でも、逆に言えばそれは、一度そこに陰を置いてしまった以上、もうその陰を後から取り除くことはできない、ということでもあります。

人生の選択にレイヤーなんてありませんから、陰のレイヤーだけ外そうなんてできないわけで。その上に、ひたすら重ね続けていくしかないわけです。

メンバーはもちろん、YOSHIKIさんやSixTONESの周りのスタッフさんは、そこで「陰」に賭けたのだと思います。

そして、デビューからまるっと5年経った今、その「陰」がすごく生きている。

「SixTONES」というグループの色を「これ」と定めず、その時々の音楽との出会いと時代の風向きに合わせて、紡いでいく音色。
表面的な色彩には表れない部分に、SixTONESとしての芯を通した在り方。

それを明示したのが、デビュー曲「Imitation Rain」だった気がしてなりません。

デビュー曲「Imitation Rain」からアルバム「GOLD」まで

まず、「Imitation Rain」で、SixTONESがSixTONESとして掲げるSixTONESのキャンバスに、「陰」が塗られました。

「グリザイユ画法」の説明では「灰色で陰を置く」と書いたのですが、「Imitation Rain」がただの灰色ではないこともまた事実。
黒と白を混ぜた灰色や、黒を水で薄めた灰色ではなくて、オレンジや青を混色した灰色だと思います。
見方によって、「雨」のような青も「光」のようなオレンジも見える、本当に魅力的な曲。

そして、2ndシングル「NAVIGATOR」で、その「陰」にさらに濃淡が足されたように思います。
暗いところはさらに濃く、陰の中でも淡いところには明るさが足されたような。

3rdシングル「NEW ERA」では、そこに射し込む鮮烈で頼もしい光が一閃。

アルバム「1ST」では、リード曲「ST」を始めとした曲で、その頼もしい光をSixTONESが最初から持っていたわけではないこと、彼らの歌声がもつ「光」が1色からできているわけではないことが、凛然と示されました。

4thシングル「僕が僕じゃないみたいだ」は、これまでモノクロの陰影のイメージが強かったところに、儚くも柔らかい色彩を魅せた曲。
色とりどりのしなやかな線が、色が、画面に散りばめられました。

5thシングル「マスカラ」は、いまだに「『マスカラ』ってこんな色の曲だよね」という認識が、定まっているようで定まっていないように思います。
角度によって、ブラックオパールのように色合いを変える、ドキッとするほど艶やかで情熱的な色彩が加えられました。

2ndアルバム「CITY」は、1日の時間経過を音楽で表すというコンセプチュアルな作品。
SixTONESのアルバムの中ではポップな雰囲気がいちばん強いように思います。「GOLD」が煌びやかなら、「CITY」は華やかな1枚。温かみのある色彩が、たくさん足された印象です。

6thシングル「共鳴」は、そのポップさを引き締めるような、渋味と鋭さのある色彩をもつ曲。SixTONESの武器のひとつである「がなり声」が光るようになったのも、ちょうど「共鳴」辺りだったように思います。

7thシングル「わたし」で足されたのは、ややくすみのある、たおやかな色彩でしょうか。湿度があって、どこか女性的な優美さもあって、新たなSixTONESの顔を引き出してくれました。

8thシングル「Good Luck!/ふたり」は、雰囲気もモチーフもテーマも違う2曲で、温もり溢れる色彩が画面に広げられました。

3rdアルバム「声」で示されたのは、「SixTONESの声はどんな色彩も纏えるし、どんな色彩も創れる」という確固たる姿勢。縦横無尽に、貪欲に自分たちの音色を追求していく様が、とても印象的でした。

そして、アルバムからあまり時間を置かずにリリースされた9thシングル「ABARERO」。
振り返ってみると、画面に広がったあまりにも多様な色彩の上に、再び「陰」となる色を描き足す曲だったように思います。

「Imitation Rain」で描かれた「陰」は混色の陰でしたが、「ABARERO」の「陰」は、純然たる黒色で描いた、カラフルな色や淡い色と引き立て合う「陰」だったように思います。
「SixTONES」という姿勢が、はっきりと明示された瞬間でもありました。

そして、「ABARERO」で靴紐を引き締め直したSixTONESはもう止まりません。

10thシングル「こっから」では、泥臭くもぎらついた、情熱的かつエネルギッシュな魅力をこれでもかと突き付けてきました。
「こっから」という楽曲そのものがもつ熱さに飲まれない、むしろ「飲まれる前に飲んで」いく姿勢には、この言葉を思い出さずにはいられません。

「SixTONESは最強です。だってこの6人だから」

デビュー直前のライブ「TrackONE IMPACT」で北斗さんがこの言葉を言ったシーンは、何度見ても胸が熱くなります。

11thシングル「CREAK」は、寒色系統のクールさや緊張感はありつつも、その奥に熱っぽい高揚感も感じられる1曲。SixTONESが描く画面をきゅっと引き締めつつ、「NAVIGATOR」にも少し重なるような色合いが足されました。

4thアルバム「THE VIBES」では、「応援ソングといえばSixTONES」という姿勢を確立したように思います。
SixTONESの音楽に(一期一会だとしても)出会った「誰か」のために、彼らは色彩を重ね続けているのだな、と改めて感じさせられた、エネルギッシュな色彩に溢れた1枚です。

12thシングル「音色」は、そんな彼らがひらすらメンバーどうしで目を合わせて歌う絆ソング。
なんだかこの曲は、「画面に色彩を足す」ためのもののではなく、これまでの自分たちの道のりを讃えて、青空にキャンバスを掲げるための曲、というような感じがします。

そして、13thシングル「GONG/ここに帰ってきて」は、はっとするほどギラギラした輝きと、儚くも美しい煌めき、そんな相反する「光」を2曲ともが持っていました。
SixTONESは今、「陰」のバリエーションだけでなく、「光」のバリエーションをも着々と増やしつつあるのだろうと思います。

そんな軌跡を経て、デビュー5周年に先駆けてリリースされた、5thアルバム「GOLD」。
色とりどりに塗られた画面に、新たに、きらびやかで、贅沢かつ刺激的、SixTONESの幅も奥行きもぐっと広げるような色彩が足されました。
SixTONESにしかできないことを堂々と魅せつける、ひとつの集大成とも言える作品だと思います。

暗さがあるから光は映えるし、光があるからこそ陰も引き立つ。

どの色を重ねてきたことも、どんな色も、ひとつとして無駄なものはない。

SixTONESの軌跡を想えば想うほど、私はそんなことを考えずにはいられなくなります。

これからSixTONESがどんな音楽と巡り合って、それらをどんな色として塗り足していくのか、楽しみで仕方がありません。

周年イヤー、それはSixTONES(とソニーさん)からの奇襲に備える日々

デビュー5周年を目前に、先日の「CDTV」で行われた30分にも及ぶフェスで、ばちばちにキメてきたSixTONES。

やってくれちゃいました、なんと11曲も。

地上波初披露で(SixTONESではなく曲そのものが)緊張していた感じのする「DRAMA」を始め、アルバム「GOLD」収録の「Underline」や「恋のバタリアン」など見どころしかない30分でした。

テレビの前でペンライトを振ってリアタイしていて、あまりにも豪華すぎるセットリストとSixTONESの底なしの表現力と歌唱力にすっかり首ったけです。

特に「恋のバタリアン」。

どうやって歌うんだろうと思うくらい技巧的な曲で、曲調は目まぐるしく変わるし、文字通り息つく暇もない展開なのに、あまりにも歌声もパフォーマンスも音源以上でびっくりでした。
「皆の者!」から始まるきょもほくの口上に隠れがちですが、私は全員の「ま・ざ・れー!!」も結構好きだったりします。

福本莉子さんとジェシーがW主演を務める映画『お譲と番犬くん』の主題歌に新曲「バリア」が決定し、これはCDのリリースも近々発表されそう。

デビュー6年目突入前に、じゃんじゃん燃料を足していっている感じがたまりません。

ところで、他のアーティストさんやアイドルグループを見渡していると、なんとなく「デビュー5周年で一旦ベストアルバムリリース」がセオリーのような気がするのですが、果たしてSixTONESは出すのでしょうか……。

これまでのシングル表題曲とアルバムリード曲をまとめたベストアルバムなら、team SixTONESになりたてほやほやの方に「まずはこちらを!」と言いやすくなるし、もしそれが「今の歌声で録り直しました」なんて言われたときには、もうソニーさんを胴上げしますし。

ベストアルバムには新曲が収録されることも多いということで、もしもリリースがあるなら、SixTONESが節目にどんな曲を歌うのかも含めて楽しみ。

個人的な願望を言うなら、これまでCDの初回盤に収録されて幻となりつつある名曲の数々を掬い上げるベストアルバム……というのも、捨てがたいです。

(「Make up」が「マスカラ」の初回盤A収録なんです……あのファンタジックでアンニュイなSixTONESの歌声が大好きなので、まだ聴けていない方はぜひ聴いてみてほしい……という気持ちでいます。)

それとも、ジュニア時代のオリジナル曲をアレンジしたりしてベストアルバムに入れたりとか……「Jungle」の音源化をデビュー前から待っているファンがここにいるので、ソニーさんの関係者の方が見ていたらご検討をお願いしたいです。

案外、「タイアップ曲とSixTONESが出したい新曲リリースするだけで精一杯だからベストアルバムを作っている暇が見つからない」みたいな感じだったりして。

以前、何かの雑誌で「流行も追いかけてやりたい曲もやってとなると、ジャンル別で毎年アルバム5枚くらい出したい」というようなことをSixTONESの誰か(記憶が曖昧ですが、たぶん樹さんかな)が言っていた記憶があるので、それならそれで嬉しい。
ファンの希望を汲んでくれるのはとても有り難いことだけれど、やっぱりSixTONESのやりたいことがいちばんなので。

ともあれ、今年から来年にかけては、ソニーさんとSixTONESが肩を組んで仕掛けてくる奇襲に備える必要が多分にありそうな予感。

SixTONESの幅広い音楽性について行くべく、私自身も音楽のインプットを広げながら、健やかに楽しく、SixTONESを推していきたいです。

改めて、SixTONESの6人、デビュー5周年本当におめでとうございます。

これからもずっと6人で、いっぱい笑っていてくれたら嬉しいです。

今回お借りした見出し画像は、「SixTONES」のファンマークのようになっている「💎」をイメージして選ばせていただきました。今の今になって、そういえば宝石って、砕いて絵の具として使われた歴史もあったなと気づきました。SixTONESのリリースする曲、SixTONESの歌声に色彩を感じるのは、そういったイメージも影響しているのかもしれません。


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桜小路いをり
最後までお読みいただき、ありがとうございました。 私の記事が、皆さんの心にほんのひと欠片でも残っていたら、とても嬉しいです。 皆さんのもとにも、素敵なことがたくさん舞い込んで来ますように。