「こはならむ 1st ワンマンライブ〜あなたに届けたかった〜」ライブ感想
こんにちは。桜小路いをりです。
3月20日、歌い手のこはならむさんの1stワンマンライブ「あなたに届けたかった」に参戦してきました。
場所は、有楽町の「I'M A SHOW」。
「“1st”ワンマンライブは1回しかない!」ということで、らむさんの晴れ舞台を見届けることができたこと、とても嬉しかったです。
今回は、ライブレポートというには少し拙い感想を書いていきます。
ぜひ最後までお付き合いください。
「顔出しなし」だからこその演出
大好きな曲について語る前に、まずは演出について綴らせてください。
らむさんは、顔出しをせずに活動をされているため、本ライブでも、四方を布で覆った箱のようなスペースの中で歌を披露。
見えるのはシルエットだけだからこそ、その分、照明の演出や、らむさんの歌詞に合わせた仕草がすごく引き立っていて、「こういう形のライブもすごくいいな」と感じました。
ライブ後半からは、らむさんの「歌ってみた動画」を思わせる斜め後ろアングルの映像もステージのビジョンに映し出されて。
そのときに見えた髪飾りがめちゃくちゃかわいくて、細やかなところにまで、こだわりを感じます。
衣装もふわふわのチュールのスカートが素敵で、天使みたいな雰囲気が印象的でした。(ステージに登場するときと袖に捌けるときの2回しか見られなかったのが惜しいくらい……)
また、演出的な面で印象に残っているのは、ボカロのカバーの「天ノ弱」と、「着信まち」という曲でした。
「天ノ弱」では、本家のMVを思わせる緑色のライトを使った演出。
ステージがぐっと奥行きを増して見えて、ツタのような模様が曲にぴったりで。
「着信まち」では、らむさんが椅子に腰かけて歌っていて、ゆったりした雰囲気も相まって、曲の温かさや微笑ましい歌詞がいっそう引き立っていました。
ライブっていいよな……「生のステージ」って最高だよね……と感じられるライブでした。
こはならむさんの「軌跡」を辿るようなライブ
ライブの前半は、ビジョンに映し出される、らむさんの映像を挟みながら進んでいきました。
生きることが辛くなって、消えたいとすら感じるようになった。
でも、その中で「生きること」を選んで、歌を始めて。
お家で歌を録ったりギターを弾いたりという、らむさんの活動の「裏側」を切り取った映像もあり、らむさんが辿ってきた軌跡を振り返る、映画のような演出が印象的でした。
特に、ポエトリーリーディングで始まる「生きるを選んだ私へ」と、その導入の映像は、胸がいっぱいになって涙が溢れそうになったほど。
「生きる」って、本当に難しいことで、当たり前にできていることじゃなくて「選んできたもの」なんじゃないかなと感じました。
らむさんの泣き叫ぶような声が会場の空気を震わせて、バンドメンバーさんの力強い音が、さらに曲をドラマチックに彩っていて。
画面越しで聴いていた曲を、生の音で、らむさんの生の声で聴くことができるって、なんて幸せなことなんだろう。
それをひときわ強く感じたのが、「10年後の私になら」でした。
「アトラクトライト」などを手掛けるボカロPの*Lunaさんが提供された曲でもあり、爽やかさと力強さがぎゅっと凝縮された楽曲です。
もともと、背中を押してくれるような曲という印象が強かったのですが、力強い演奏も相まって、あまりにもライブ映えする曲そのものの魅力にぐっと惹きこまれました。
心臓の奥の奥にまで響くようならむさんの声で、生で、この歌詞を聴けたことが本当に感無量です。
「想い」に溢れた、その空間で
私は、らむさんの曲を聴くたび、「自分自身で選び取ってきたものの温かさや強さ」をすごく感じています。
例えば、「私の幸せは私が決めるの!」は、周りに流されずに、「私は私」と考えて生きることを選んで、自分らしく在るために頑張る様子。
好きな人に流されて、大切なことをうやむやにされてしまう切なさ、もどかしさを描いた「リセットボタン」も、「大嫌いになるって決めた」のを「やめた」のは紛れもなく自分自身で、それを誰かのせいにしない強さも感じます。
「私は今を全力で生きてる」と歌う「主人公」。
「強くなんかなくていいから 優しくなりたくて生きてく」と歌う「Attitude」。
あなたが、あなたの意志で選んだのなら、笑われても、バカにされても、その道を進んでいい。
「私」は、全力であなたを肯定する。
あなたが選び取って、大切にするものに、それを大切にするあなたの心に、「私」はいつも寄り添う。
そんな気持ちが、聴き手を心の底から想う、らむさんの温かさや優しさが、ステージからじんわり伝わってきて。
らむさんが歌う歌詞に説得力があるのは、らむさん自身が、歌い上げる言葉の全てに感情と実感を込めて、「伝えたい」「届けたい」という想いを溢れさせているからなのだと思います。
私の席はステージからかなり遠かったのですが、それでも、らむさんの言葉も声も、全く遠く感じなくて。
大好きな曲をたくさん聴けて、手拍子で盛り上がって。
「合唱だよ!」というらむさんの声で、会場みんなで歌って。
あの空間で、らむさんにあんなに温かい言葉や想いを届けてもらったら、私はこれからもずっと、ライブ後のやわらかな余韻を思い返しながら、優しく生きていけそうな気がします。
【番外編】「I’M A SHOW」について
らむさんの1stワンマンライブ「あなたに届けたかった」が催されたのは、有楽町の「I’M A SHOW(アイマショウ)」という劇場でした。
映画館のようなゆったりとしたシートがずらっと並んでいて、座席数は約400席と比較的控えめですが、その分、後方の席でもステージはかなり近く感じます。
座席は段々になっているので、お客さんが全員立った状態でも、ステージはしっかり見えます。(ちなみに私はP列の席で、身長は日本人女性の平均ぎりぎりです)
コンセプトは「ライブハウス×シアター」だそうで、らむさんのライブでは、その空間に、映像を織り交ぜたセットリストが本当にぴったりでした。
2022年にできたばかりの劇場なので、これから訪れる方に参考にしていただければと思います。
(余談ですが、ロビーがめちゃくちゃオシャレでした。)
まとめ
大好きなアーティストさんの声と言葉を受け取って、手拍子や合唱で盛り上がって、改めて、「生の音」の魅力を感じた時間でした。
らむさん、温かな言葉を、溢れんばかりの想いを込めた歌声を、届けてくださってありがとうございます。
あの空間に居合わせることができた幸せの余韻がまだ続いているほど、私の中でかけがえのない時間になりました。
そして、ライブに携わったみなさんにも、たくさんの感謝を。
最後に、らむさんの曲の中でも特に大好きで、私自身、何度も救われてきた「涙の融点」という曲のリンクを貼っておきます。
これからも、温もり溢れるひとつの居場所として、らむさんの歌を聴き続けていきたいです。