桜色のオンガク月報(2024年6月)
こんにちは。桜小路いをりです。
2024年がもう半分終わっていることに驚きを隠せない今日この頃、いかがお過ごしでしょうか?
月日が経つのが早いのも毎日が有意義だから、と思うことにして、今月も「桜色のオンガク月報」をお届けします。
今月は、音楽を「狭く深く」楽しむことが多かったので、1曲1曲に割いている文章もいつもより長めです。
ぜひ最後までお付き合いください。
よく聴いているCD
25時、ナイトコードで。「演劇/25時の情熱」
ずっとリリースの日を心待ちにしていた、リズムゲーム「プロセカ」の、ニーゴこと「25時、ナイトコードで。」のCD。
「プロセカ」の書き下ろし曲は、どれも登場人物たちの想いから生まれているというコンセプトなのですが、「演劇」と「25時の情熱」は、改めてその素敵さを実感しました。
「逃げる」という道を選んでしまった朝比奈まふゆちゃんの、心の奥底で固めた決意や、逃げたからこそ見えた景色への冷静な眼差し。
いつも気丈に振る舞っていて、強い心を持っているように見える宵崎奏ちゃんの、不安や迷い。
もちろん、彼女たちの想いやその背景を知らなくても心に響く歌詞がたくさんあって。
誰の「想い」にもリンクするような世界観が、すごく温かくて優しくて大好きです。
よく聴いている曲
SixTONES「ここに帰ってきて」
公開から日が経ち、ようやく冷静に曲と歌詞を噛み締めて聴けるようになったのでご紹介します。
(あまりにも突然のサプライズ解禁すぎて、先月は情緒が乱されまくりでした。)
もちろん、SixTONESがリリースする音楽が私はどれも大好きで、日々彼らが魅せてくれる色とりどりの世界のどれもが、たまらなく素敵なのですが。
あえて言います、私は、こんなSixTONESをずっと見てみたかったんです。
珠玉のバラードとは、まさにこの曲のこと。
切ないのに優しくて、聴くたび胸に温かい何かが込み上げてきて、でもたまらなく胸が締めつけられて。
シンプルながら奥行きを感じる演出が印象的なMVも、アクター集団ことSixTONESの本領発揮と言わんばかり。
6人それぞれが、眼差しで、立ち姿で、仕草で、微細な表情の変化で、この曲の雰囲気を表現していて。
この曲を丹念に歌い上げるSixTONESの歌声を、ウォークマンで音量大きめで聴くのが今から楽しみです。
SixTONES「GONG」
攻撃的なワイルドさが全面に出されつつ、どこか爽やかさも感じるような「GONG」。
疾走感のある曲調と強気な歌詞が、SixTONESの歌声ともパフォーマンスともぴったりです。
(MVも海外映画の予告編みたいで好き。)
特に印象的だったのは、「We're reaching for the stars」というフレーズでした。
「reach for stars」は、「星を掴む」から転じて「高望みする」という意味。
SixTONESは「この星のHIKARI」とか「彗星の空」とか大切なときに「星」を出してくるので、直訳して「俺たちはあの星にだって手を伸ばし続ける」としても通る気がします。
そういえば、この前のゆるゆるなストチューブ(SixTONESのYouTube)で最後のほうに「GONG」が流れた瞬間、あまりにも気分が高揚してしまって、自分でも驚きました。
ワンフレーズ聴いただけで、すごく胸が高鳴って、走り出したくなるような、居ても立っても居られないような気持ちになって。
これはライブとかフェスでもめちゃくちゃ映えそう……!と期待大です。
ひとしずく×やま△ feat.鏡音リン・レン「イカサマ⇔カジノ」
ほの暗い照明に照らされた、豪奢なアンダーカジノの様子が目に浮かんでくるような1曲。
ぴりっと漂う緊張感と、勝敗の行方を見つめる冷静な眼差し、高鳴る鼓動……この曲から感じるもののひとつひとつがあまりにもドラマチックで、一度ハマったら抜け出せません。
「ひとしずく×やま△」曲の鏡音リンちゃん、鏡音レンくんは、機械っぽさは残しつつも生き生きとした歌声をしていて、それもまた素敵。
この曲のふたりからは、(イラストのせいもあるかもしれませんが、)まだ少年少女と言っていい年頃なのに、「アンダーシティ」で生きるためには大人にならざるを得なかった、というような憂いを帯びた雰囲気も感じる気がします。
だからこそ、二人きりのゲームでは「大人」を演じなくていいから、とても楽しいのかな……と考えたり。そんな考察も膨らむ曲です。
れるりり feat.ミク&リン&GUMI「神のまにまに」
「神のまにまに」は、大学で『古事記』についての講義があったせいで、今月よく聴いていました。
『古事記』など、日本の神話をモチーフにした世界観の中に、聴き手を励ますような温かい歌詞が散りばめられていて、元気のないときは余計に聴きたくなります。
周りにはいつもたくさんの神様がいて、「君」を見守っている、応援している、と歌う歌詞は、まさに「八百万の神」という概念ならではです。
「八百万の心の醜さに苦しめられる毎日さ」や、「どろんこだけど歩いていける」などの歌詞は、なんだか、人間味溢れる神話の中の神様たちの姿にリンクするような。
『古事記』や『日本書紀』に描かれた日本の神話の魅力は、いい意味で全知全能ではない神様。
「神のまにまに」の歌詞のように、人間の心の脆さや機微もきちんと分かってくれそうな存在、という気がしています。
ゆめおいまちた(夢追翔×町田ちま) Cover「仮死化」
かねがね「にじさんじ」には素敵な歌声の方が本当にたくさんいらっしゃるな……とゆるく追っていたのですが、この「歌ってみた」で沼へと一歩を踏み出してしまいました。
リズムゲーム「プロジェクトセカイ」のユニット「Vivid BAD SQUAD」のバージョンの「仮死化」も、それぞれがもつ過去や傷を抱えながら、それすら糧にして歌っていく、という印象でした。
その歌声には、光を必死に手繰り寄せようともがいているような苦しさも滲んでいて。
でも、このカバーでは、「この歌声をどこまでも光にしていく」というような、歌そのもので苦しさを凌駕していく、という痛いくらいの強さまで感じました。
「仮死化」がさらに好きになる「歌ってみた」で、出会えたことがとてもとても嬉しいです。
はるまきごはん feat.初音ミク/25時、ナイトコードで。×鏡音リン「エンパープル」
はるまきごはんさんの「ニーゴ」への書き下ろし曲。
曲名の「Empueple」は、「紫色に染める」という意味です。
「紫」って、ぱきっとした「赤」と「青」が混じり合った色で、なんだか不安定なような、揺らぎやすいような色彩、というイメージがあります。
歌詞の中にある、「Please, Forgive me and “Purple”」というフレーズ、「許しと”紫”をください」というのは、悩み、迷い「揺らぐ」ための猶予期間を私にちょうだい、という意味にも捉えられる気がします。
ほんのりと退廃的な色彩が滲む雰囲気の曲、それでも、手の中にある「大切なもの」だけは握り締め続ける。
たとえ、今の自分の姿はもう「完璧」ではなかったとしても。
そんな想いも感じて、聴くたび胸がいっぱいになります。
しばらく、初音ミクちゃんバージョンとニーゴのバージョンを反復横跳びする予定。
まとめ
そういえば、6月が終わる頃になると必ずこの曲を聴きたくなります。
そして、「ああ、夏が来るんだな」と思うまでがワンセット。
私の四季の移ろいは音楽と共にあると言っても過言ではありません。
さて、今月も素敵な音楽にたくさん浸れて、満ち足りた1ヶ月でした。
来月は楽しみにしているCDのリリースがふたつあるので、体調を万全にして受け取りたいです。
それでは、7月も、そして、2024年下半期もよろしくお願いいたします。
また私のnoteでお会いできたら嬉しいです。