どうやって行こうか華厳の滝-皆野アルプスを行く破風山ハイキング⑤
無事、皆野駅に到着、現在、9時半前。さぁてここから登山コースである華厳の滝までどうやって向かおうか。バスの出発時刻は10時8分、約40分ほど時間をつぶしバスでいくか、タクシーを利用するか。改札から外を覗けばタクシー乗り場はなくともタクシー会社がある。
「駅員さんに聞いてみれば。」とたぁ。
良きアイディアだけど自分で聞く気はない。日本で人にものを訪ねるのはのんの仕事。ニュージーランドでは逆も然り。改札に近づくと切符を受けとろうと駅員さんが立ち上がる。
「華厳の滝に行きたいんですけど?」
「えっ?なんだって?」
同じ質問をする。
「バス乗り場はこの道真っすぐ行って先を曲がったところ。」
「バスっていくらくらいですかね?」
「えっ?」
再び尋ねるも返答がない。別の言い方で質問したほうがいいかな?
「タクシーだとどのくらいかかるかわかります?」
返事がないのでまた同じ質問を問うた結果。
「タクシーはすぐそこにある。」
その後、何度か聞いてみたものの一切話がかみ合わない・・・。たぁも隣で救われない顔、根気負けした二人。彼は私たちとの会話よりも仕事をまっとうしようと手は常にチケットを受け取るため差し出されているので、2枚手渡し、改札を後にする。
小さなタクシー会社には一台のタクシー、事務所ではおじさんとおばさんが会話をしている。こちらの存在に気づいても動く様子はなく、のんはためらわずドアを引く。
「すみません、かげんの滝までいくらですか?」
「けごんの滝・・・」とおばさんに訂正され、ちょっと恥ずかしい。
「日光の華厳の滝、それとも秩父の?」
上機嫌にいいながらおじさんがこちらに歩いてきて表に貼ってある小さな金額表を指差した。
2740円・・・高いな。
テンション高めの優しい声だっただけについつい甘えた質問をしてしまった。
「バスだといくらくらいかわかります?」
「僕はバスの仕事をしていないのでわかりません。」
言葉は急に鋭さを持つ。いつも交わされているが交わしたくない会話なのかもしれない。
「もしタクシーに乗りたかったから、またここに来ればいいですか?」
「はい。」と言われ、その場を後にし、バス停へと向かう。
「タクシーの人、絶対バスの値段知っているけど教えなかったよね。」
「うん。」
ならばバスの値段、調べる価値ありと小さなミッションを心に宿すのん。
改札正面の道をまっすぐ進み、坂本屋というウナギ店を左に曲がってちょっと行けば“町営バス発着所”という看板が見えてくる。大きな駐車場の端にちょこんと置かれた椅子とバス標識。
乗り場発見で一安心。バス停の向かいには木造の味ある建物。一階は観光情報コーナーが設けられた待合室になっている。二階は町民用の施設のようだ。待合室は新しく清潔感がありさらに心地よい程度に冷房が効いている。バスが来るにはまだ30分ほどあるのでここで時間つぶしといこう。
たぁは椅子に腰を下ろし、のんびりタイム。のんは周辺をかぎつける犬のようにうろちょろする。観光情報コーナーには周辺情報が記されたパンフレットが置いてあり、スタンドにはA3サイズのハイキングコースマップ、バス時刻表がある。皆野観光協会ウェブサイトで見つけたマップと同じものだ。破風山コース以外に蓑山ハイキングコースの案内もある。これ幸いと必要なマップをいただき、たぁの隣に座る。Iphoneを取り出し、バス料金を調べてみる。バス時刻表によればバス系統は日野沢線、皆野駅前から秩父華厳前までは240円。
おっなんと。
2名様ならバスのほうが断然お得だ。待つ価値があると踏み、バス乗車が決定。