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家族と一緒にネパール旅行-05

食後は町をぶら散歩。

外国人が集まるタメル地区だけあって、彷徨う人だけを見れば「ここは本当にネパールか?」と疑ってしまいます。

だけど立ち並ぶお店の派手な看板は英語でリキシャは通るし、店員さんはもちろん現地の人たち。そして普通に違法ビデオショップがあります。

このビデオ屋さんのDVDはとにかくお安いっ!
それにまだ外に出ていないような新作も並んでいます。
そんなことがどうして可能かというと、これらは映画館で撮影したものを焼きまわして販売しているから。

こういう店がいくつも並ぶ姿は日本ではお目にかかれません。

私たちよりも早く現地入りしたたぁパパはお目当ての場所があるようで、どんどん進んでいきます。見失わないようについていくと、たどり着いたのはスーパーマーケット。

ミニ商店は至る場所にありますが、ここは真っ白い蛍光灯が眩しいほどの店内を照らし、商品数も多い。日本でいうところのマイ〇スケットに近いような雰囲気でしょうか。

外国人が溢れる町の外国人ばかりが利用するお店だからローカルに比べれば若干お値段は高めかもしれませんが、商品にはすべて値札が付いてあり、私たちからすればお手頃と言える値段です。

海外に行けば近くのスーパーマーケットを探すのは当たり前。この習慣はたぁ両親から学んだもの。今回も早速良いお店を見つけておいてくれて有難い限りです。

試しにとばかりスナック菓子と果物を手に、お店を後にしました。

なんだかんだ忙しかったネパール初日。
ホテルに戻ったら疲れをどっと感じたので、かび臭いそれぞれの部屋に戻って、のんびりしたらおやすみなさい。


翌朝、アニルさんと奥さんのサガルさんがホテルに来てくれました。
彼らとは一緒に旅をする予定です。
父から借りてきた古めのガイドブックを元に、行きたい場所をたぁ両親とも決めていました。

「ねぇ、ナガルコットに行きたいんだけど」

そう伝えるとアニルさんはホテルの人と話し合い、気がつけば知らない人たちが数人やって来て、いろいろと早口で話した後、言いました。

「バスが確保出来たら今から行こう」

へっ?

私としては明日に出発できればと思っていたんだけど、すごいな、ネパール人の行動力。
そうと決まれば、荷物をさっさとまとめて出発するだけです。

アニルさんについていくと小さな旅行店に連れていかれ、そこに用意されていたのはバン。

えっ、バスって言ったじゃん。

だけど若干の荒めの旅を好む私は「こりゃぁ、面白い」とばかりに乗り込みます。中型サイズのバンに7人の大人。

運転手さんの隣にはサガルさん、その後ろの座席にはたぁとたぁママと私。そして進行方向とは逆に私たち向かい合うようにアニルさんとたぁパパが座ります。

道は補正されておらず車は良く揺れ、さらに冷房が効かないので窓を開ければ砂埃が入ってきます。

いいねぇ。

私は移り行く景色を見ながら興奮していますが、たぁママの顔はちょっと濁り気味。とりあえず埃を吸い込みたくないのはみんな一緒なので、幸い持参していたマスクをみんなに配ります。


町から離れ、乾いた土地となり、遠くに見えていた山々がどんどん近づいてきて、その山を登っていきます。約2時間のバス旅でナガルコットに到着しました。

気が付けば遠くまで来たものです。

混みあっていた町とは全く異なる山に囲まれた景色。


ふぅ~。


ホテルへと案内されてチェックインを済ませようとした矢先、アニルさんが言いました。

「子供たちが心配だから帰ります」

?????

は?

なんですと?

ホテルを出発するとき、彼らは何も言わずに一緒にバンに乗ってきたし、私たちも無理強いした覚えはありません。

無理してここまで一緒に来なくてもよかったのに。

ネパールでは英語が通じるし、万が一、私の英語に不安を感じていてもたぁ家族はみんなネイティブイングリッシュスピーカーだよ。

それに五人ならバンももっと余裕をもって乗れたのに。

こんな山の中、どうやって帰るの?

そう思っていたら、ホテルの人がタクシーを呼んでくれて二人はそれに乗り、去っていきました。


チェックインを済ますためレセプションへと向かうとスタッフさんの雰囲気が今までと異なります。
空港からここに来るまで、出会ったのは肌は褐色で濃い顔の人たちが多かったけど、彼の顔はあっさり醤油でどちらかというと私たちに近いのです。聞いてみたら彼らはチベット人でした。

あぁ、会えた。

ネパールに来た目的の一つにチベット文化に触れてみたいという思いがありました。ネパールには母国を逃れてきた多くのチベット人が住んでいると聞いていたからです。

そんな彼らが経営する宿に泊まれることに強い喜びを感じて、またちょっぴりテンションがあがります。


「早朝にヒマラヤ山脈と日の出が楽しめる場所があるけど行きますか」

そこまでは車で行く必要があります。

「いくらですか?」

「600ルピーです」

両親に聞いてから決めようと一旦受付を離れて戻ってくると、ここまで送ってくれた運転手さんも一緒にいました。

「700ルピーで連れて行くよ」

えっ?

「さっきは600ルピーって言われたよ」

運転手さんと目があった受付けの人はなんだか委縮しています。

「いいよ、600ルピーで」

話はまとまったけど、なんだか後味悪いよ。



※2010年11月18-12月4日にたぁ両親とともに訪れたネパール旅行記です。


これまでのお話


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