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家族と一緒にネパール旅行-17

予定が詰まっていないバケーション。

久々に目覚ましに頼ることなくのんびり起床。

最高です。

ネパールに来てから観光客らしく観光地を回りながら忙しない日々が続いていましたが、一週間ほど滞在するここポカラではそう焦ることはありません。詰め込むほどの予定も決まっていないし、のんびりを目的の一つとして来た場所だから、しっかりとバカンスを楽しみましょう。

ポカラはカトマンズから6時間離れた北西に位置し、ヒマラヤ山脈のアンナプルナ山から近く、ペワ湖を中心に広がる町です。ここはクリーンな街を目指しているので今までのようにゴミが視界に入ってくることがないのでお散歩していても気分を害することはありません。


昨日、ビールを片手に古いガイドブックで見つけたワールド・ピーズ・パコダと別名を持つ妙法寺。

妙法寺?

えっ、妙法寺?

私たちの家のご近所にあるお寺も妙法寺なんですけど。

宗教学や哲学、精神世界に浸りまくり、宗教建造物が好きなうえにご近所のお寺と同じ名前を持つ場所を海外で見つけたら行きたいと思わないはずがないでしょう。


ワールド・ピーズ・パコダはペワ湖の反対側にあるので「ボートを使って渡るのが一番」とホテルのスタッフさんに教えてもらったので、素直にそれに従います。

湖に行くとレンタルボートがありました。ボートは反対岸で返却可能なこともあり漕手さんが一緒に乗って漕いでくれます。

楽させてもらって、ありがとうございます。

私たちは家族4人で一艘を借りましたが、船はある程度の大きさがあるので詰めあって十人ほどで乗っているグループもいました。

ペワ湖の中央の小島にはバラヒ寺院があり、そこへと向かうボートには制服を来たたくさんの子供たちが乗っており、こちらに向かって元気よく手を振ってくれました。

純粋な笑顔が眩しいなぁ。


反対岸は深い緑で囲まれ、先の丘の上に小さく塔が見えます。

岸に到着後、まだまだ遠いワールド・ピーズ・パコダ。
岸辺にはバイクタクシーが観光客を寺院まで運ぼうと待ち構えています。だけど何かとお金のやり取りに疲れた身。バイクに乗るにしても四台確保しないといけないし、寺院までは自然に囲まれた道を歩いても向かえます。

「歩いて行こうよ」

「えっ」

「いいわね」

同じ時に岸へと到着したグループはバイクタクシーを選ぶ人が多い中、否定的なたぁパパの声はやる気ある女子二人にもみ消され、歩くが決定しました。


最初のうちは並んで歩いていた私たち。

東京では車は使わず、公共交通機関を使うか自転車か徒歩か。さらに合気道とハイキングが趣味である私とたぁは息を弾ませながらどんどん石段を登っていきます。
おしゃべりも外に出歩くのも大好きなたぁママもそれに負けじとどんどん進んでいきます。

「パパはどこ」?

後ろを振り返り、彼の姿を探すとママよりずっと遅れた場所にいます。

「彼は歩くのが嫌いなの。だからいつもちゃんと運動しろって言っているのに」

その声が聞こえているのかいないのか、疲れながらもうっすら笑顔を浮かべてこちらへと顔を向けてくれるパパ。

文句を聞いてもそれに同調も言い返しもできない、嫁の身よ。

だけどもしそれがたぁだったら同じような文句を私も思うんだろうな。


開けた場所に出るとペワ湖の先にポカラの街が見えます。

寺院への続く静かな道とは異なり、耳を澄ませば遠くからの雑踏が聞こえてきます。混沌と静寂は隣り合わせ・・・・・・なのかもしれない。

途中、数組の観光客に交じり、僧侶にも出会いました。オレンジ色の袈裟をまとう彼らと出会う度に敬いの心から、彼らに道を譲ります。


岸辺から丘の頂上まではそう簡単な道のりではありませんでした。もともとこの地の標高が高いこともあり、息切れはすぐに起きます。
そんな私たちを救うかのように小さな商店が現れました。

どうしてここに?

と思いながらも、たぁが手に取ったのはキンキンに冷えたレッドブル。
ネパールのレッドブルは日本のものは違い、リポビタン〇のような栄養ドリンク剤。移動続きだった私たちはほとんど毎日のようにこれを飲んでいました。

助かった。

4つ購入して、誰一人と躊躇せずその場で一気飲み。

レッドブルはやっぱり、翼を与えてくれた。

みなぎるエネルギーをもらったから、諦めずに(今更、下へと戻れないし)上を目指していきましょう。


階段として使われている石の中には光沢が美しい雲母も含まれていました。

「売れる石が足場になっている」と石屋ならではの思いを持ちながらその上に足を置いてみたりして。

空が近づいてくると美しい花々にも囲まれ、やっと目的の場所が見えてきました。



※2010年11月18-12月4日にたぁ両親とともに訪れたネパール旅行記です。



これまでのお話



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