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家族と一緒にネパール旅行-08

ナガルコットから帰ってきたのは午後すぎ。まだ時間があったので近くのカフェで昼食を済ませた後、モンキーテンプルに行くことしました。

ホテルでタクシーを手配してもらい、ちゃんとメーター利用か確認してからゴー。
メーターじゃないととんでもない額をぶっかけられる可能性があるので、メーター利用ではない場合は事前に交渉するなど注意をして利用しましょう。

ちなみにネパールでは日本が誇る自動車会社、SUZUKIが人気なのようで、タクシーには窓やボディにその6文字が描かれ、強調されています。言わずとも、車のメーカーは異なりますが。
また車内は日本の二回り、いや三回りほど小さいかな。後部座席に大人が三人座ると中央の人は前に飛び出る必要があります。
ラグジュアリーより小さな冒険を楽しむ私にはぴったりですが。


人が多い街中を走るときはゆっくり。だからこそ見えてくる世界があるというものです。
私の目がとらえたものはゴミが散乱する川、に沿って建てられているプレハブの家、家、家。

これって家っていえるのかな。

だけどそこにはれっきとした「生」が感じれ、廃れた様子ではありませんでした。


世界で最も貧しい国の一つ


その現状を目の当たりにします。


心を動かされながらもタクシーは目的地にたどり着き、メーターで安心、ニコニコ現金払い。お礼を伝えて後にします。


目の前に見えるのは階段、段、段。

隣には舗装された道がありそこをいくつかのタクシーが抜けていき、上までタクシーで行けたことは後で知りました。

歩くのが嫌いなお父さんはえっちらおっちら、残りの3メンバーは木々を楽しみながらそれなりのスピードで登っていきます。といっても400弱のステップ。
そりゃぁ、息切れしますわ。

丘の上まで来るとやっとその入り口が見えました。


ここで突然ネパールあるあるぅ~。

この国では、もしかしたら大きな町だけかもしれませんが、ネパール人と外国人で値段が違います。スーパーや路面ベーカリーなど値段が表示されている場所は異なります(ただこういう場所を利用するのは外国人だけです)が、レストランでは外国人用メニューがあり、施設なども同様です。

それは物売りも同様で、これが原因でたぁママは高額でみかんを購入してしまったのです。それに気づいてからは、友人やホテルの人に代わりに注文してもらったり、姿を隠して代わりに買ってきてもらったりしていました。

ここの寺院では外国人のみ有料となっていました。

細かいことを気にしていてはこの国では旅ができないし、まんまと騙された後は「あなたたちからはしっかりとお金をとりますよ」と言われた方が(百歩譲って)まだ気持ちよくお金が払えるというものです。

大人4名の入場料を支払い、いざ中へ。

おぉ、黄金に輝く仏塔。

モンキーテンプルとして親しまれているこの寺院はスワヤンブナートと言い、ネパール最古の仏教寺院ともいわれています。

敷地内には無料だけに地元の人が多く、しかしそれに負けじと外国人の姿もたくさん混じっています。

しかしそんなことはお構いなしの私。

長きにわたりスピリチュアルや宗教、哲学などを独学で学び、実践してきた私は仏塔、仏像、周辺に流れる仏教賛歌に強く反応し、取りつかれたように仏塔に中に祭られている仏像へと近づき、何も考えずにそのお姿を拝見します。

ずーっと見つめていると、うっすらと開いた目へと意識が向かい、内面へと向かっていきます。

深―い、深ーい、空間にはなーんにもない。

空気の存在すらあるのかわからないその空間のどこかに、外側へと繋がる扉があって、そこから私たちが見えます。


そっかぁ、「無」があるから「有」があるんだぁ。


これを実感するために私はここに来たんだな。


体全身を通じてその気づきを得られた後、有で生を持つ私は自分が生きる世界へと意識が表面化され、周辺に多くの人がいて、たぁが隣に立っていることに気づきます。

「どうだった?」

「うん、すごく良かった」

彼は私のそういうところを受け入れてくれるとても大切な存在です。


丘の上からはカトマンズの街並みが一望でき、町と自然の融合が確認できます。

だけどそこから視線を下に移せば無数のゴミの現実。

どうしてみんなこんなにゴミを捨てんだろうか。
ゴミというものの観点が私たち日本人とは異なるのかな。
それにしても崇高な場所では見たくない現実に落胆せずにはいられません。


モンキーテンプルと言われるだけあり、寺院には多くの猿が住んでいます。
猿がいることに気づけば、どこにもかしこにもその姿があることを知り、その数にちょっと引いてしまう私。
まぁ、それだけ集まる理由はよくわかります。

だってここでは猿に餌やりができるんです。

猿も人間に慣れているから近距離でも全然平気。


寺院を堪能した後、階段を下りている途中、ここのエネルギーが名残惜しくなって後ろを振り返ると黄金の仏塔が「大丈夫だ。もうちゃんとわかっている」と眩しいくらいに目に入ってきました。

階段にはまた一段と猿が多くいて、物乞いのように食べ物をねだり、しつこく付きまとわれてちょっとうんざり。だけど、かわいらしい姿もあったのでちょっとおすそ分け。

石段には露店が多く、途中、薄い石に曼荼羅などの模様を施したお店があり、気に入った模様のものがあったので購入しました。

すると今まで寄ってこなかった物売りが近くに寄ってきます。中には目が不自由だったり、手足に障害がある人などもいます。だけどここでお財布を安易に緩めてしまうと終わりがありません。
情におぼれず心を強く持ちながら、たぁと家族と共に階段を下っていきました。


※2010年11月18-12月4日にたぁ両親とともに訪れたネパール旅行記です。


これまでのお話



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