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お客様の純金融資産を見ていますか?

昨日、ある方とのお話の中でとても印象的だったのは、「超富裕層というのは、お金の使い方だけでなく、投資信託などの証券投資とか不動産投資などを『レジャー』っていうんですよ――」というお話。
 
つい1週間前も、別の方から「生命保険はある程度の層になると、『嗜好品』といえる」という話があって、これも実は私は理解できる部分があって、この話に近しいものだったので妙に納得したのですね。
 
何がいいたいかというと、「お金」という機能効能は、誰が保有しても同じはずなのに、捉え方が違うだけで、「人を苦しめるもの」「それがないと生きていけない」といった、ネガティブなものにもなるし、「レジャー」ともいえるものにもなるのだということ。

 
最近私は、マーケットの分類を意識することが多くなっていて、その中で、「超富裕層」とか、「富裕層」、「準富裕層」「アッパーマス層」「マス層」とか言われる、区分けの水準とか、どのくらいの世帯数なのかというのを調べる機会があって、そのことから気づくことがあったのですね。

 
以下の図を紹介しますが、これは野村総合研究所が2020年12月21日に出しているレポートで、「日本の富裕層は133万世帯、純金融資産総額は333兆円と推計」というものです。



もっと詳しく知りたい方は以下、どーぞ。
https://www.nri.com/-/media/Corporate/jp/Files/PDF/news/newsrelease/cc/2020/201221_1.pdf
 
これで私が何に気が付いたか・・・。
 
そうなんです、私は(皆さんも含めて私たちは)、マス層の方としかほぼお会いしていないでしょ。ってことです。おそらく100世帯お会いして、2世帯くらいが、アッパーマス層かもだけど、ほぼマス層なんですよね。ほぼマス層です。私もマス層です。
 
こういうと、「そんなことはない、私はアッパーマス層にも、準富裕層にもよくお会いする」という人もいるかもですが、よく言葉を読んでみてください。上記は、金融資産ではなく「純金融資産保有額」となっているでしょう。
 
上記Reportにもありますが、「純金融資産」とは、「預貯金、株式、債券、投資信託、一時払い生命保険や年金保険など、世帯として保有する金融資産の合計額から負債を差し引いたもの」とあります。
つまり、1000万、2000万の金融資産があっても負債(住宅ローン)が5000万円あればマス層。5000万円の金融資産で、3000万円の住宅ローンでもマス層、5000万円の金融資産があって、住宅ローン2000万円でやっと、アッパーマス層の仲間入り・・・。
 
そして、もう一度皆さんにお聞きしますよ。私たちがお会いしているのは、マス層ですか、アッパーマスですか?それとも準富裕層??
 
ただ、私大事だと思うのは、お客様がどういう属性かということより、FPとして「お客様の純金融資産を見ていますか?」ということなんです。私たちはライフプランをしていますよね。FPとは、ライフプランをする(できる)仕事であって、ライフプランをしないのなら、FPと名乗らないほうがいいとすら、私は思いますが、そのライフプランで、キャッシュフローばかりみていて、「純資産」をきちんと算出していますか?ということ。
 
私たちFPは、せっかくお客様世帯のライフプランを作成していて、その中で「負債の状況」もしっかりヒアリングしていますでしょ。これってすごいことで、どこのマーケティング会社がお客様の資産状況だけでなく、負債の状況まで(=つまり、純資産まで)把握できているでしょう。
 
さすがに住宅ローンの状況をお聞きせずライフプランすることもないでしょうし、せっかく負債状況も含めてヒアリングしているのであれば、「顧客世帯のB/S」をちゃんと把握して算出していく必要がある。
 
そして、そのうえでお会いしているお客様が、マス層からアッパーマスへ、アッパーマスから準富裕層へ、の人生のお手伝いができればいいと思うのよね。


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