リバランスのやり方は・・・
今日は改めて、「リバランス」のやり方についてお話しましょう。この話は一度覚えてしまうと簡単なので、ぜひ覚えていただきたいですし、変額保険や確定拠出年金のアドバイス時に、こういうことも話せると、ちょっと「数字に強い人」というアピールもできるのではないでしょうか。なので、リバランスのやり方というのは、何を購入するとかそういうことではなく、「手法」の話です。
今、話をシンプルにするために「国内債券・海外債券・国内株式・海外株式」の4資産に均等に分散投資して、それぞれの資産配分はそれぞれ25%としましょう。金額はそれぞれに100万円として、合計400万円です。こんな感じですね。
これが1年後、国内債券20%、海外債券23%、国内株式27%、海外株式30%(資産総額は550万円に増加)に変化しているとしましょう。これをリバランスして当初の25%の比率に戻すには何をどのくらい売却して、どのくらい購入すればいいかということです。
計算が得意な方は、「リバランス」というよりも、割り算の話なのですぐ分かると思います。
<手順1:増加・減少した割合を書き出す>
まず、1年間で変化した割合を書き出してみます。こんな感じです。
・国内債券…-5%
・国内株式…+2%
・海外債券…-2%
・海外株式…+5%
注意したいのは、リバランスではこれを当初の割合(25%の比率)に戻すので、+-は逆になります。
・国内債券…+5%
・国内株式…-2%
・海外債券…+2%
・海外株式…-5%
<手順2:増えている資産の売却割合を算出する>
次に、増えている資産(今回だと、国内株式と海外株式)でどのくらいの割合を売却すればいいかを計算します。ここを勘違いされている方もいらっしゃるのですが、増えた分売却すればいいわけではありません。売却割合というのは、上記の割合を当該資産の「現在の保有率」で割って算出します。
・国内株式…-2%÷27%=-7.4%
・海外株式…-5%÷30%=-16.6%
つまり、この「国内株式7.4%」分、「海外株式は16.6%」分売却すればいいわけですね。売却する際に売却口数を指定する場合には、保有している口数にこの割合を掛けた口数で売却しましょう。
<手順3:購入する資産の購入割合を計算する>
最後です。減っている資産(今回だと、国内債券と海外債券)でどのくらい購入すればいいかです。
上記で計算された売却代金をまず計算する必要があります。1年たって総資産は550万円増えているということなので、国内株式の資産は149万円になり、海外株式は165万円です。なので、各アセットの売却代金は、国内株式が149万円×7.4%=11万円。海外株式が165万円×16.6%=27万円で、合計38万円です。
この38万円で国内債券、海外債券をどういう割合で購入したいいかということですよね。38万円は資産全体(550万円)の7%(正確には6.9%)となります。なので購入割合は、上記の割合をこの調整率(7%)で割って計算します。
・国内債券…+5%÷7%=71.4%
・海外債券…+2%÷7%=28.5%
つまり、売却した金額38万円に上記割合をかけた金額、38万円×71.4%=271,320円で国内債券を購入し、38万円×28.5%=108,300円で海外債券を購入すればいいのですね。
知っておいて損はないかと。