オンライン飲み会に替わる懇親会とは(後編)
前編ではオンライン懇親会の問題点を並べましたが、今回はそこから考えた「新しい懇親会の形」を挙げていきます。
さて、前回に出した問題点、
(1)会話のしづらさ (2)表現の制限 (3)逃げ場のなさ (4)刺激・話題のなさ
について、願わくば全てを解決したいところですが、実際できる/できないは分かれます。
「(1)会話のしづらさ」については、オンライン懇親会で参加者が一堂に会している性質上、“全員が聞く中で1人ずつしか話せない”、“相手の様子がわかりづらい”ことは避けがたい部分です。
「(2)表現の制限」も、カメラを通してのコミュニケーションである限り制約があります。
※最近流行りのメタバース的な、バーチャル空間でアバターを操作するようなサービスもありますが、広く普及するのはまだ先のようで、現状はZoomを使ってのオンライン懇親会を想定しています。
ということで、(1)(2)についてはもうスパッと「諦める・受け入れる」ことを前提として話を進めます。
「(3)逃げ場のなさ」はどうでしょう?何かしらやりようがある気がします。
そして「(4)刺激・話題のなさ」に対する策が今回のキモで、(1)(2)の制約がありつつも、盛り上がれる・共感できる・互いの理解が深まる、ためのプランをたくさん紹介したいと思います。
プランは大きく分けて2種類、ひとつは宴会形式で主にトークを盛り上げるためのもの、もうひとつはレクリエーションを通して参加者の親睦を図るものです。
1.宴会形式で盛り上げる工夫
オンライン懇親会にあたってトークを盛り上げるための、話題や共感を後押しするツールや、場に居やすくするような工夫を紹介します。
【1】話題を見つける・拡げる工夫
①個々の背景に「プロフィール」などトピックを表示する
Zoomのバーチャル背景に、参加者が自分のプロフィールを書いた画像を表示しておきます。たとえば企業内診断士なら「業種」「所属してる研究会」「得意分野」「出身地」などでしょうか。
参加者同士でプロフィールが見えることで、何か気になることが書いてあればそれをトークのきっかけにするイメージです。
②トークテーマ作成ツール『NETA』
宴会でのトークテーマを自動で出してくれるツールです。「トークのテーマ(自動設定も可能)」と「参加者の名前」を入れておくと、誰が何のテーマで話すのかをルーレットで決めてくれます。
WEBブラウザで使える無料ツールなので、Zoomで画面共有して皆で見るのがいいでしょう。
③共有画面を見ながらワイワイ話す
Zoomの画面共有機能を使って、パブリックビューイングのような感じでワイワイ話しながら楽しみます。共有する画像は「グループの写真」「おすすめのYoutube」「ブログの記事」や、たとえば研究会後の懇親会なら「研究テーマに関係するWebサイト」などもいいかもいれません。
【2】場に居やすくする工夫
①タイムテーブルを参加者に共有する
オンライン懇親会は自宅から参加する人が多く、時間の制約が少ないためダラダラと延長されがちです。
後ほど紹介しますレクリエーション企画なども交えた懇親会プログラムを事前に作成し、そのタイムテーブルを参加者に共有することで、メリハリある進行ができます。
②マイク&画面OFF参加をOKとする
宴会では聞き役にまわるのが好きな人でも、オンライン懇親会では自分が話さなくてはいけないような気分になります。
そんなプレッシャーから解放するために、マイクとカメラを自由にOFFにしていいというルールを作ります。
「疑似Clubhouse(?)」のような感じで存分に聞き役を楽しめます(かも)。
※こちらは下記を参考にさせていただきました。
③BGMをかける
飲食店に行くとなにかしらBGMがかかっていることが多く、話し声が途切れた時も多少の沈黙も音楽で埋めてくれます。また、かかっている曲自体を話題にすることもあります。そんなBGMをオンライン懇親会でも流してみるのもアリでしょう。
2.レクリエーション
リアルの懇親会・パーティでも余興があるように、オンライン懇親会でもレクリエーションは盛り上げるための手段として有効です。
今回は特に、参加者同士のコミュニケーションや相互理解がより深まるものをピックアップしています。
【1】長時間タイプ
懇親会のメインコンテンツとして、比較的長い時間を使って行うレクリエーションです。
①オンライン謎解きゲーム
「リアル脱出ゲーム」の名前をご存じの方も多いかと思いますが、コロナの影響によって、参加者たちが自宅からリモートでできる「オンライン謎解きゲーム」が今たくさん出てきています。
参加者同士が相談して謎を解いていく中で、親睦が深まるようなレクリエーションです。
※詳しくはこちらから
②オンライン人狼ゲーム
これも今や有名な「人狼ゲーム」をオンラインでできるものです。
村人に紛れ込んだ人食い「人狼」を会話を通して探していくゲームで、自然と参加者同士のコミュニケーションが生まれます。
以下のようなオンライン人狼のための専用WEBサービスを使うとやりやすく便利です。
【人狼Online】
【ブラウザでワンナイト人狼(人狼ゲームのショートバージョン)】
③ワードウルフ
人狼から派生したゲームですが、こちらはもう少し手軽に遊べるものです。
最初に司会者から各参加者にあるキーワードが渡されますが、一人(または複数)だけ異なるキーワードを渡された参加者を、会話しながら当てていくゲームです。これもWEB上で遊べるサービスがあります。
【どこでもワードウルフ】
④コンセンサスゲーム
お題となるシナリオ・ストーリーを見た参加者たちが、協力して解決策を話し合うゲームです。
企業の研修に使われることもある本格的なワークですが、考えることが好きな診断士には宴会のレクリエーションとしても使えそうです。
※シナリオ・ストーリーの例:「砂漠からの脱出」「雪山での遭難」「無人島の出来事」「学級のいじめを無くす」
【2】短時間・アイスブレイクタイプ
懇親会の最初のアイスブレイクや、宴会形式の途中などに短い時間でできるレクリエーションです。
①ジェスチャーゲーム
出題者がジェスチャーで表現したお題を、参加者が当てるゲームです。参加者全員が出題するように交代で行うことで、各参加者のキャラクターが見える“自己紹介のツール”としても役立ちます。
②オンライン絵しりとり
オンライン上で「絵しりとり」を行います。ジェスチャーゲームと同じく参加者全員に出番があります。zoomの「ホワイトボード機能」を使うと便利です。
③ウミガメのスープ(水平思考クイズ)
1名の出題者がクイズを出し、回答者(全員)は、ひとりずつ出題者に「YES/NO/関係ありません」のいずれかで答えられる質問をして、答えを推理していくゲームです。
少しイメージしづらいかもしれませんが、下の例題を見てもらうとわかりやすいです。
<例題>
ある男が、とある海の見えるレストランで「ウミガメのスープ」を注文した。
スープを一口飲んだ男は、それが本物の「ウミガメのスープ」であることを確認し、勘定を済ませて帰宅した後、自殺した。一体、なぜ?
※答えはこちらに。
われわれ企業内診断士の輪を広げる「楽しい」チームでも、先日の定例会でいくつか試してみました。
「ワードウルフ」と「ウミガメのスープ」は、考えることが好きという診断士の性質にハマってかなかなかの盛り上がりを見せました。
特に良かったのはトークテーマ作成ツール『NETA』で、比較的話しやすいテーマを選んで行いましたが、「話題のNFTを買ってみた話」や「20年間自分で髪を切っている話」など、思いもよらないエピソードが出てきて、参加者の意外な一面が見られる、面白くて実用性の高いツールでした。
現地に集まっての会合が難しい状況はまだしばらく続きそうですが、オンラインの良さを開拓する余地はまだまだ残されていると感じます。
ぜひ、今回あげたものから何か試してもらえれば幸いです。
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