【妖怪百科】すねこすり
すねこすりは岡山の妖怪で、雨の夜道に走っていると脛にまとわりつき人を転ばせる。「このうるさい犬め」と人は思うようで、猫ではなく犬型の妖怪のようだ。しかしながらその姿は水木しげるによる、なんとなく猫っぽいイメージが一世を風靡している。最近のやつではなく、2005年に公開され、個人的には忌野清志郎のぬらりひょんが素晴らしい「妖怪大戦争」において、すねこすりは準主役のようなポジションをとっていたし、地獄先生ぬーベーにも登場する。両作品ともに、水木デザインから脱却しようという意思は感じるものの、水木デザインの可愛らしさを前にすると霞んで見えるのは私だけではないだろう。
と、言いつつも、私も水木デザインにまっっこう勝負を挑んでみた。脛にまとわりついて鬱陶しいのは、すねこすりの体ではなく、尻尾ではないかという仮説のもとに、山海経などをパラパラめくりつつ作り上げた。
本来雨の夜の山道ということなのだが、書いたのが6月で紫陽花も美しい事と相まって、昼の街の背景になっている。たまにはすねこすりも昼の街を歩くのも良いだろう。実はこの作品は私の妖怪画の処女作で、背景の切り絵の部分などにディテールの曖昧な部分が見て取れる。とはいえ、自分なりのすねこすりは描けたのである程度満足している。是非、動画をご覧ください。