【妖怪百科】砂かけ婆
ゲゲゲの鬼太郎のイメージが強い妖怪。というか、ゲゲゲの鬼太郎が無ければ有名妖怪ではなかっただろうし、水木しげるがいなければ明確な像が結ばれることもなかったであろう妖怪。
竹藪を歩いていると砂をかけてくる妖怪で、誰も姿を見たことがない系の妖怪である。たぬきの仕業説や、天狗の仕業説もあるが、特定の地域においては老婆が犯人とされた。この婆(ばば)だが、関西弁のばばっちい(汚い)に由来していると言う説もあり、竹藪から砂をかけてくる老婆と言うのが果たして起源として正確なものなのかはわからない。
狸の仕業、天狗の仕業というよりも、暗い竹藪から着物姿の老婆が砂をかけるというイメージの方が妖怪染みており、不気味であることは間違いない。
今回砂かけ婆の絵を描くにあたり、月岡芳年を参照した。芳年は砂かけではなく老婆に化けた鬼を書いた絵であるが、水木像の定着した砂かけ婆を他のイメージで表すには良い気がした。
墨と水彩絵の具で仕上げた。ペンで点画を多く描いてきたが、色彩のことを考えると、どうしても絵の具を使いたくなり、水彩に移行した。着物の部分は切り絵の手法で、千代紙を貼り付けている。
そもそも絵は独学で、なんとなく始めたようなもので、いつも水木しげるや月岡芳年など先人の絵を参照にさせてもらっているが、それでも自分で書くことは楽しいものだ。