ウクライナ戦争はアメリカが初めにロシアに仕掛けた戦争
ウクライナ戦争が始まって以降、多くの議論が交わされてきました。この戦争の背景にあるアメリカの政策や国際的な動きについて、詳しく見ていきたいと思います。
アメリカの政策:「全領域支配(Full Spectrum Dominance)」
ウクライナ戦争の背後には、アメリカの地政学的戦略「全領域支配」が存在するとされています。この戦略は、単なる防衛目的を超え、地球規模での支配を目指すものです。アメリカが世界中に約720か所もの軍事基地を展開しているのは、この政策の表れです。仮に自国防衛が目的であれば、これほどの基地を維持する理由は乏しいでしょう。「世界を支配する」からこそ、これだけの規模とリソースが必要なのです。
NATO拡張とロシアの警戒
冷戦終結後、アメリカは「NATOをこれ以上東側(ロシア側)へ拡大しない」とのスタンスを取るとされていました。ロシアは、NATOが自国に近づくことを避けたいと望み、緩衝地帯の存在を必要としていました。しかし、現実にはNATOの東方拡大は続き、ウクライナへの接近はロシアにとって重大な脅威となりました。これは、仮に中国がキューバに軍事基地を設置した場合、アメリカがどれほど強く反発するかを想像すれば理解しやすいでしょう。
停戦の機会とアメリカの意向
2014年、ウクライナのヤヌコヴィッチ大統領が失脚し、ミンスク合意の破棄を経て、ロシアはついにウクライナへ侵攻しました。その後、2022年3月には停戦合意の可能性がありましたが、アメリカが「ロシアに譲歩するな」と圧力をかけたことで実現しませんでした。主要メディアの論調も「ウクライナ支援」を強調し、停戦を促す方向には向かいませんでした。
ウクライナの劣勢と報道の問題
ウクライナは開戦当初から劣勢に立たされていますが、これに関する正確な情報は十分に報道されていません。2024年9月のYouTube番組で、コロンビア大学のジェフリー・サックス教授は「ウクライナ兵士が一日2000人死亡している」と述べ、2025年1月のYouTube番組ではシカゴ大学のジョン・ミアシャイマー教授が「捕虜交換の比率が8対1でウクライナが圧倒的不利」と指摘しました。さらに、ロシアの経済状況も安定しており、経済制裁の効果が限定的であることが明らかになっています。つまり、ウクライナは数か月前から既に劣勢で敗色濃厚なのです。
ロシアの核兵器使用の可能性
さらにいえば、仮にウクライナが優勢でロシアを追い込んだところで、ロシアは戦術核兵器を保有しており、必要に応じて使用する可能性を排除できません。一部では「核兵器は実際に使えない」と述べる著名人もいます。本当でしょうか。2022年2月の侵攻直前まで、多くの専門家が「ロシアは侵攻しないだろう」と考えていましたが、結果は逆でした。同じように、「ロシアは核兵器を使用しないだろう」という楽観的な見方には根拠が薄いと言えます。
日本の情報環境と世界の現実
日本のメディアは、グローバルな主要メディアの影響を受けているため、情報が偏りがちです。その結果、ウクライナ戦争の背景や実態を理解することが難しくなっています。しかし、事実として、ウクライナの多くの人命を犠牲にしたのは、アメリカや西側諸国の政策、そして何よりもウクライナの最高責任者であるゼレンスキー大統領によるものであると思います。