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ルーブルアブダビの約780億円

30年間、名前の使用料で5億2,500万ドル(約780億円)を支払う事で合意し、約10年の月日を要して完成したルーブルアブダビ。
アラブ首長国連邦の首都アブダビにある美術館で、2017年11月に一般公開されました。
このプロジェクトは、フランスのルーブル美術館とアブダビ政府との間で締結された文化協力の一環として実現しました。美術館のデザインは、世界的に著名な建築家ジャン・ヌーベルによって手掛けられ、アラビア半島の伝統的な建築様式と最新の建築技術が融合した、革新的な作品となっています。

建築とデザイン


美術館の最も顕著な特徴は、直径180メートルの巨大なドーム構造で、8,000個以上のメタルスターから成る複雑なパターンで覆われています。このドームは「光の雨」と称される独特な光の効果を生み出し、太陽光がメタルスターの間を通過することで、魔法のような光景を作り出します。このデザインは、アラブの伝統的なマシュラビーヤ(木製格子窓)にインスパイアされており、ヌーベルの創造性と地域の文化的要素が見事に融合しています。

コレクションと展示


ルーブルアブダビは、古代から現代まで、さまざまな時代と地域を代表する美術品や文化遺産を展示しています。そのコレクションは、フランスの主要な美術館や博物館からの貸し出し作品を含む数千点に及びます。美術館の展示は、「人間性の物語」というテーマのもと、文化や文明の違いを超えた普遍的な価値や経験を探求しています。

文化的意義と影響


ルーブルアブダビは、中東地域における文化的なランドマークとして、またグローバルな芸術と文化の交流の場として、大きな意義を持っています。この美術館は、異なる文化間の対話と理解を促進し、多様性と共生の価値を世界に伝える役割を担っています。また、アブダビを国際的な文化観光の目的地として位置づける上で、中心的な役割を果たしています。

訪問者への情報


ルーブルアブダビを訪れる際には、その壮大な建築と、世界各地から集められた貴重なコレクションをじっくりと鑑賞する時間を確保することをお勧めします。美術館は、教育プログラムや特別展示、文化イベントなど、様々な活動も行っており、すべての年齢層にとって魅力的な体験を提供しています。展示は定期的に更新されるため、何度訪れても新しい発見があります。また、美術館内には優れたレストランやカフェもあり、訪問者はアート鑑賞の合間にリラックスして食事を楽しむことができます。

教育と啓発


ルーブルアブダビは、教育と文化啓発の場としての役割も重視しています。子どもから大人までを対象としたワークショップ、ガイドツアー、講演会など、多岐にわたるプログラムを通じて、アートと文化に対する理解と関心を深める機会を提供しています。これらの活動は、アートを通じた学習や創造的な表現を促進し、異なる背景を持つ人々間の対話を促します。

アクセスと施設


ルーブルアブダビはアブダビのサーディヤト島に位置しており、アブダビ国際空港から車で約30分の距離にあります。美術館は広大な敷地に建てられており、訪問者は美しい海岸線と絶妙な都市景観の中でアートを体験することができます。美術館内部はバリアフリー設計が施されており、すべての人にとってアクセスしやすい環境が整えられています。

まとめ


ルーブルアブダビは、単なる美術館を超え、異文化間の架け橋として、また持続可能な発展と教育の促進という点で、国際社会に貢献している重要な文化施設です。その革新的な建築、世界各地から集められた芸術作品、そして多様な文化プログラムを通じて、ルーブルアブダビは訪問者に一生の記憶に残る体験を提供しています。アートと文化に興味のある人々にとって、この美術館は必見の場所です。

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