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【Note1ヶ月連続投稿企画第11回】何故WIXOSSは秋葉原から全滅したのか

※上の画像は最近出たコラボブースターらしいが、これも一時期品薄だったらしい

2014年4月26日

WIXOSSの記念すべき第1弾「サーブドセレクター」とスターターデッキ3種が発売された当日、秋葉原から在庫がほぼ消滅した。

もちろん問屋が卸忘れた訳では無い。店頭にも並んでいなかった訳では無い。

売れすぎて店頭から消えたのだ。

今回はその経緯を「何故こんなにも売れたのか」と言う考察(その時知り合った方々の話を混ぜながら)を記してみようと思う。

まず秋葉原と言えば、今や誰でも知っている「アニメ、ゲーム、マンガ」とそれに付随するサブカルチャーの聖地である。その前が電気街だったなんて令和生まれの人達はおそらく信じてくれないだろう。
もちろんカードゲームショップも沢山ある。カードを本格的に取り扱っていない大型の家電屋さんやアニメショップにも売られているから、売っているだけのお店を含めると恐らく50~70位はあったと思う。(保有在庫は違えど)

次に当時のWIXOSSについて。4月4日からアニメ放送(第10回を参照)が始まり、知っている人は知っているが、特に「春の覇権」のアニメでもないし、特にどこのメディアも取り上げていたイメージは無い。
いわゆる「よくある春アニメ」だった。

カード自体も1月に「4月にタカラトミーから大きなお友達向けの新しいカードゲームが出る」という情報が出ていたくらいのものある。

私は当時ヴァイスシュヴァルツとChaosTCG(結構前にサービスを終了している)を3年ほどメインでやっており、東京に上京するということも相まって新しいTCGを始めたいと思っていた。

東京に出て始めるTCGという事とお布施という意味で、上京して1週間後秋葉原に繰り出しK店とA店でそれぞれ5箱、計10箱ほど購入した。初回購入特典のタマのスリーブが欲しかったのもある。

その時も店員さんに「予約在庫ありますか?」と事前に電話で確認を取ったところ「全然余裕ありますよ~」との事だった。まぁ、東京だし相手には困らないだろう。その程度の認識だった。

ところが

当日お店の開店時間に行ったことを後悔することになる…

最初駅の近くにあるK店行ったのだが、なんと店の前には20人程の人が並んでいるのである。
遊戯王やデュエルマスターズの発売日は店の前に列ができるのを何となく知っていたので、発売日が被ったのかと思い後ろに並んだが、列が動き店に入った時理由を知ることが出来た。

「WIXOSS」である。私の前に並んでいた人が揃いも揃って箱買い(1箱20パック程)を大量に買っていた。

私の頭の中が「???」となっている間に自分の番になった。予約していたので私の分がないという心配は微塵もなかったが、並んでいる間に初回購入特典のスリーブが大量に配られておりそれが懸念点だった。
案の定、私の番の時点でスリーブは品切れになっていた…

「予約分で確保しないのか???」と思っていたのもあり、そのタイミングでK店での購入を避けた。

そんなに人気あるのか…と思いながら予約していたもう一店舗のA店へ少し早足で行った。開店時間がK店の一時間後ということもあったが、先程の列を見せられてしまうと嫌な予感しかしなかったからである。

A店に到着するとK店程では無いが並んでおり、そこでは初回特典のスリーブを在庫があったので予約分の5箱購入。そのままお店で開封した。

お店のデュエルスペース(お店の中で遊べるスペース)はWIXOSSを買った人達しかいない状態で、なかなかの異常っぷりだった。

開封している間になんとWIXOSSの為に愛知(愛媛だったかもしれない)からわざわざ来た人達に声をかけられ、そのまま行動を共にすることに。

その時なんとなしに

「なにでWIXOSSを知ったんですか?」と聞いたところ、「selecter infected WIXOSS」の「カードゲーム描写がないアニメが思わぬ結果を招いていた」ことを知ることが出来た。

「アニメ見てて普通に面白かったんですけど、全くWIXOSS自体のルールが分からないじゃないですか?どんなゲームなのかなーって気になって仲間内で始めようと思いました。」

目からウロコだった。

「全くルールが分からないから、気になってゲームを始めようとした」という理由が存在するのか、と。

この時期
・少し前からダークテイストなアニメが流行っていた
・カードゲームが「遊戯王」「デュエルマスターズ」以外にも認知されて始めた

この2点を加味したとしても、こういうユーザーが出てくるのを予期して作られた作品だったとしたら、監督は相当すごい人なのだろう。

もちろん別の理由もあったが、この理由がかなり印象に残っている。

その後その人達と色々なお店を回ったが、パックの購入制限が始まっていたり品切れになっているお店ばかりだった。
しかも在庫はあっても定価で買えるお店はほぼ無く、スターターデッキは定価の3倍の3000円で取引されていた。ちなみに当時のAmazonの価格は以下の通りである。


改めて見るとどれだけすごいことになっていたのかがよくわかる。それくらいどこにも売ってなかった。

おかげでその後、最初に行ったK店で予約した5箱分もきっちり回収することになった。(勿論、初回購入特典はない)

これがWIXOSS発売初日に起きた事件のおおまかな概要である。

ここまででも中々ぶっ飛んでいるが、それに追い打ちをかける事件がこの後起きる…(ちなみに私はその事件の被害者に奇跡的にならなかった)

その話はまた明日の第12回にて…

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