今思う事
4チームが降格する2021シーズンのJ2リーグ。現在我々ツエーゲン金沢は19位まで順位を落とし、降格危機に陥っている。
12試合勝ち星がなく、2分10敗と散々な結果だ。何より気になるのが結果云々よりチームに一体感が感じられない、試合全体のエネルギーが無い、というのがサポーターの皆さんが危惧しているところだと思うし私も同感である。
何かうまくいかない、点が取れない、耐えなくてはいけないところで耐えられずに失点してしまう。もちろん、戦術、技術、個々の判断、全てに原因があるし現場のトップである監督はその全ての責任を負う義務がある事は言うまでもない。
だからと言って選手それぞれが監督、チームメイト、環境等自分以外のせいにしては何も変わらない。
私が思うのは選手たちがどこを向いて、何を目指して、どう成りたいが為にサッカーをしているのか。その矢印が少し違う方向に向いているのではないかという事。
監督の評価、監督を支持する強化部の評価が欲しいから。そこだけに目が向き、その評価を得る事が目的なってないだろうか。もちろん、僕も選手だったのでその気持ちは大いに分かる。
引退してから凄く感じるのは、プロサッカー選手という職業は本当に幸せで貴重な限りある時間だという事。だからこそ、そんな大切な時間をより豊かに、有意義に過ごして欲しいと願うばかりだ。
選手たちが幼い頃、Jリーグの試合を見て憧れ、感動し、目標にしてきたJリーガーは輝いて見えたはず。
今の自分はどうだろう。
プロサッカー選手として何を為し得て、何を伝えたいのか。
今一度自問自答して欲しい。
ここからはサポーターの方々の話を少し。
今の仕事上、外に出て様々な人と話をさせて頂く機会がある。負けが続いている事もあり「降格したらスポンサー辞める」「もう見に行かない」など耳が痛いご意見を聞く事も少なくない。
また、ネット上のコメントも見ているがこのチーム状況なので批判的なコメントが数多く並ぶ。
逆にポジティブなご意見も。
「どうやったら選手達の力になれるだろう」「どうやって自分たちの思いを選手に伝えようか」「どんな状況でもツエーゲンを応援するよ」
クラブに対する思いや、求めるものは人それぞれなので様々な考え方があって当然だ。
ただ、ツエーゲン金沢というクラブの存在が、多くの人にとって生活の一部になってきているんだという事をこの苦境で私は強く感じる事ができた。
ツエーゲンの勝利、またピッチで闘う姿を見て涙を流す程感動し、負けた事で日常生活に支障をきたす程に落胆したり、怒りを覚えたり。
沢山の伝統文化が在るここ石川県で、根付きにくいと思っていたサッカー文化が少しずつ根付いてきているのではないだろうか。
選手時代に「オレらは人生賭けて戦ってる」と思う自分もいた。
人生の貴重な時間とお金を使い、クラブに対し尽くし選手たちに想いを乗せて共に闘うサポーターは十二分に人生を賭けていると言えるのではないだろうか。
監督や選手たちの多くはいつかはこのクラブを去り新たな地で人生を送っていく事になる。
ここ石川県に住むサポーターの皆さんはおそらく変わることなくツエーゲン金沢に夢を乗せて希望を抱き、戦い続けるだろう。
クラブの規模は他クラブに比べ、まだまだ小さい事は否めない。
だけど、今そんな事は関係ない。
多くの人たちが多くの時間を費やし、成長させてきたこのクラブを絶対に降格させてはならない。
今こそクラブ、サポーター、パートナー企業、そして地域のみなさんが一体となって厳しい残留争いに挑み残留を掴み取ろう。
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