プロサッカー選手のセカンドキャリアについて
プロサッカー選手を引退して1年半が経ちました。
サッカー選手を引退して同じサッカー界、そして選手時代に3年間所属した愛着があるクラブで働いている私はわりとすんなりセカンドキャリアに移行出来たと言えるのかもしれません。ただ色々と思う事があるので今の気持ちを書きたいと思います。
プロサッカーが選手としての現役を引退する、これはほとんどの選手が通る道だと思います。自分自身も引退する時、現役を続けるか、引退するなら何の職業に就くのか凄く悩みました。でも引退後自分が何の職業に就けばいいのか分からない、という方はたくさんいるのではないでしょうか。
周りの人から「引退したら何するん?」って嫌になる程聞きますよね...。
ではこの悩みはプロサッカー選手だけにあるのかというとそうではないと思います。
多くの人は高卒なら18歳で、大卒なら22歳で何しらの仕事に就きます。(もちろん違う方もいらっしゃるかと思います)
この時、アスリートのセカンドキャリアに移行するのと同じ様に何の職業に就くのか悩む方が多いかと思います。
じゃあ、何でアスリートのセカンドキャリアだけが特別な問題なのか。
私が思うには、やりがいや情熱とお金の両方を一気に引退後の仕事に求めるからプロサッカー選手のセカンドキャリアは特別な問題のようになります。
元徳島ヴォルティスの選手で高校の後輩でもある井筒陸也さんが以前のnoteの記事で書いています。
https://note.com/izz_izm/n/n0c720867ac4f
この記事にめちゃくちゃ共感したんですが特に驚いた事は日本の「熱意あふれる社員」は全体の6%しかいないという事です。
その他94%の方々はどのように仕事を選んでるのかは分かりませんが「興味があったから」「お金をたくさん貰える」「楽だから」等、仕事にやりがいや情熱を求めていないのかもしれません。
では、プロサッカー選手はどうか。おそらく99.9%の方は煮えたぎった熱意に溢れてサッカーに取り組み成功したいと思っているのではないでしょうか。(成功の定義は人それぞれではありますが)
多くのプロサッカー選手が幼い頃からそのサッカーが大好きで「プロになりたいと」と夢見てそれを実現させた事と思います。
そしてプロになってサッカーが仕事になる。
もちろん、サッカーが仕事になる事で辛い事や楽しくなくなる事もあります。
でも、サッカーに対する情熱って年々増していきませんか?
私の場合ですがサッカーを始めた頃より、プロになりたての頃よりもキャリアの最後の方が情熱は増していきました。それは何故かというと自分自身がピッチに立つ意義や価値をより感じりようになったかもしれません。
家族、サポーター、地域の皆様、スポンサー企業様、クラブ。様々な想いを背負ってプレーできる事にやりがいを感じ情熱を注いできました。
何年もかけて育んだ情熱を引退後の仕事にすぐ求める事自体無茶です。
なので引退後何をしたいか分からないっていう悩みは当たり前だし、悩んで当然です。
でも、その悩みは自分がサッカーに情熱を注いでいる証拠。
私の浅い経験からですが悩んでいる自分に悲観せずにじっくり考える事をお勧めします。
他の職業の人に会って話を聞いたり少しでも興味のある事を調べてみるのも良いかもしれません。(FC琉球クラブスタッフ三上昴さんのTwitterおすすめです)
https://twitter.com/SubaruMikami?s=21
私の場合、考えれば考える程分からなくなっていきましたが自分は何がしたいのか、何に興味があるのかを考える事によってプロサッカー選手としての時間を大切に出来ました。
もちろん、引退後直ぐににやりたい事や夢を持っていてサッカーと同じようにやりがいや情熱を注いで仕事出来る方もいると思うし、そういう方は羨ましいです。(最近はデュアルキャリアといって本田圭佑選手や長友佑都選手のように現役の時から他の事業を立ち上げている方も多いですね。)
少し長くなりましたが、プロサッカー選手と同じ様なやりがいや情熱、そしてお金を稼ぐ(稼げる可能性がある)という事を一気にセカンドキャリアに求めるのは私は非常に難しいと思います。
興味はないし、情熱も注げないけどなるべくお金を多くもらえる職業に就く。
これも一つの選択肢だと思うし、お金をたくさん稼ぐ事によってその仕事にやりがいを感じる事もあるかと思います。(経験がないので軽はずみな事は言えません)
ただ、大好きなサッカーと出会えた強運とプロサッカー選手になるんだという強い意志、忍耐力、継続力、思考力があるプロサッカー選手という夢を叶えた人ならやりがいや情熱を注ぎお金も稼げる仕事に就く事が出来ると思っています。
では、既にセカンドキャリアに移行してる私の現状はどうなのか...というとプレーする事と同じ様な情熱を注げているとは言えないかもしれません。
でも、サッカーを続ける事によって情熱を育み注いできた様に今の仕事で様々な事を経験しながら少しずつ夢を膨らませプロサッカー選手であった時以上の情熱を仕事に注ぎたいと思います。
読んで頂き有難う御座いました。