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不動産競売

[不動産競売]
いつからか、ぼくはこの手法を繰り返すことにより、何だか知らないが色んな経験をしてしまった。そんな事件を書き記したい。

[不動産競売とは]
不動産競売(ふどうさんけいばい)とは、民事執行法(以下「法」という)に基づき、債権回収のために、債権者が裁判所に対して申立てを行うと、その不動産を裁判所が売却する手続である。強制競売と担保不動産競売を併せて一般にこのように呼ぶ(Wikipediaより)

要は、全ての債権債務を吹っ飛ばし、物件を換金するには最適な手法だった。

平成6年組だったぼくは、平成14年にはしっかりと不良債権処理における最前線の担当者になっていた。しかし、当時の不動産競売については問題もかなりあった。
当時は不動産競売となれば反社会的なおじさん達が必ずと言って良いほど登場した。

代表的なのは[占有屋]だ。

占有屋(せんゆうや)とは競売物件を落札した人間に対して居座りながら膨大な立ち退き料を要求する人のこと。善意の第三者を装って不動産競売物件に居座る場合や、暴力団等を背景に示威によって行う場合がある(Wikipedia)

貸出金の回収を図る際、このおじさん達がいる事があった。もちろん3点セット、①物件明細書 ②評価書 ③現況調査書において占有者あり。と記載される。そのため落札した場合には占有屋と交渉が予想される。
そのため、最低売却金額価格も減価されることもある。
結果、不落となる事も多々あった。悪質な債務者が競売を予想して、占有屋に依頼し資産を守る方法のひとつだ。

しかし、平成16年8月には民法395条が改正され、2004年4月以降は短期賃貸借契約によって引き続き賃借できるとする規定は廃止され、抵当権に対抗できない賃貸借はその期間にかかわらず、抵当権者及び競売における買受人に対抗できないことになった。

この法改正によって不良債権処理が加速した面もある。今は滅多にいないが、法改正以降の数年間は暗躍していた。

今はインターネットで全国の競売物件の3点セットが閲覧できる。しかし当時は直轄の裁判所に3点セットは備え付けてあり、閲覧してコピーする。そんな感じだった。
ぼくは裁判所に競売の申し立てを担当していたため、相当な回数執行官のところに通った。

そんな中、いつも裁判所で3点セットを閲覧しているジャージ姿の50歳代のおじさんがいた。
どちらから声をかけたのかは忘れたが、何故か気が合った。おじさんはフリーで活躍している不動産屋のおじさん(以降Sさん)だった。

名前は知っていた。
おじさんはウチをメインバンクとしており、かなり協力的な方。不動産競売ではレジェンド中のレジェンド。
業界でのおじさんのフレコミは事故物件と売春宿を売らせたら日本一と聞いていた(笑)

このSさんとの出会いがぼくの人生に変化を与えてくれた。不良債権処理のパートナーとなってくれた。当時のぼくは32歳ぐらいだった。

振り返ると、Sさんがいなければ乗り越えられないことばかりだった。

この後、そのエピソードを書き記したい。

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