私は頭が悪いから。
『彼女は頭がわるいから』姫野カオルコ著
を読んだことがある。たぶん5か月くらい前。
なので記憶はまだまだ残っている。
いろんな意味で衝撃的だった。
私はいわゆる投機的な英才教育を受けてきた、エリートになるであろう頭の良い女子学生だった。
だから、主人公の女子、有名ではない女子大学に進学した女子学生の生活を覗き見ることは新鮮だった。
私は生活の時間とエネルギーを受験勉強にかなり費やしたが、演劇部も楽しかったし、ニコ動でMMDとか音MADとか、クトゥルフのリプレイ動画を見るのも好きだった。
彼女は、家事とかいろいろ自由にのんびりしつつ、適当に勉強をこなしつつ、アイドルを推してたりする普通の女子学生だった。
加害者側の男子学生らにはあまり共感できなかった。
女性をリスペクトにかける(=軽視する、対等な人間として扱わない)
が、高校生の時から疑問を持たずにはぐくまれているのが分かった。
身に覚えがあるセリフなんかもあり読むのがつらかった。
大学生だった時の記憶がまだ鮮明残っている時期にあの本を読んだので、よけいリアルに感じて辛かった。
翻って今。
ワイは今自分を「頭がよい」人間だとは到底思えない。
いろいろ失敗した。それにもかかわらず言い訳をいろいろして、余計いばらの道に自分を追い込んだりしても、やる気がないので打破できる気すらしない。
頭が悪い。
要領が悪い。
こうなることが分かろうとすれば理解することもできたのに、しかるべき時に努力をしなかったからだろうか。
大学時代から、頭がいいとは言われてきたが、なぜだろうか。
頑張らなかったから結果、別に成績は悪くないよ。いいほうだよ。
でも、それだけじゃ駄目だったんだわ。きっと。
オリジナルな人生の目的とかキャリアプランとやらが必要だったんだきっと。
今の自分はただ意識があるだけの肉体に感じる。
まあ、それは低コストで比較的良い立地住むことができる親族的な資産、とりあえずはそこそこの大卒の学位と。あるので危機的なことになっていない。
自分の頭に価値がない。頭の悪い人間だから。
だから、自分は今の若い女の肉体にしか価値を見出せない。
それにしても完璧からは程遠い。
ダメ出しでミーティングが3時間は伸びるくらいには駄目だ。
極端に低い身長、ドン引きレベルの天パ、色黒、一重、太ももとウエストの厚ぼったい脂肪、
醜いったらありゃしないさ。
だから体も消えてなくなっても欲しい。価値がないから。
女性的な記号も最初から要らなかった。
そう考えるのは、きっと『彼女は頭が悪いから』に出てくる加害者の男子学生らと似た思考だ。
私は「自分は頭が良い」と感じている頃は、もうちょっと自己肯定感、というか、どうせならチャレンジしてみようという全能感があった。
少なくとも、「頑張れば頭がよくなれる」と考えていた頃は、メンタルが病んで自傷とかはしたが、それでもそうまでして頑張っている自分は偉いと思った。
頭もよくない、頑張りもしない人間は、肉体にしか価値がない、そういう考えは、まさに本で描かれていた通りだ。
「女は東大生ブランドを求めて近寄ってくるんだから、こっちが利用してもwin-winでしょ」「おっぱい要因」
自分でも同じように思っている。「自分は有能でないからせめて見目麗しくなければ」「男はしょせん女を利用しようとするから、付き合うならばそれに応えねば」
そんな自縛があるような気もする。
でも、現彼氏は、外見とか気にしないし、「You're aldeady perfct You're always beautiful」とか言ってくる。
世間の風潮とは一線を画すスゴイ奴だ。
だからこそ好きになったんだが。
このくだりは完全にノロケかつ理解ある彼ポジションなんだが、
ワイは彼を信じ切れていない。4年言い続けてもらったがまだこの自縛は強い。
残念だったな。
自分の外見を愛するとか、ちゃんちゃらおかしくてできる気がしねぇよ。
ちょっとニュースを見ただけで、自分より有能な人、自分より美しい人が、しぬほど努力する様が見れる。
あそこまでは頑張りたくないんだよ。傷つきたくないから。自称したくないから。
もっと良い自分なら愛せるよ。
もっと良い自分になる努力を惜しまない自分なら愛せるよ。
そうでない自分は、やっぱりどうすればええねん。
死ぬしかないのでは?