#MGBW #12 坂本龍一
正直このポストはとても難しい。
冷静に正確に自分の心持ちを言葉にして綴るのが難しいという意味だ。
無礼を百も承知でここではこの表現をするが、僕にとって「坂本龍一」であって教授でも坂本龍一さんでもない。
僕がそこそこ捻くれた性分なのはnoteを読んでもらったことあるひとなら知ってると思う。ぼくは音楽に限らずマイアイドルのようなものを持つタイプではない、敬愛するミュージシャンですら無条件に全て好きとは言えないのだ。
しかし数少ない例外の一人が坂本龍一。
彼に関しては別軸でもとても強いこだわりがある、それはぼくの音楽原体験と結びついていて、おそらく彼の言葉を目にしなかったら今のぼくの存在は結構違ったものになっていたと思う。
イエロー・マジック・オーケストラのセルフタイトルアルバムを聴いて一瞬で心を奪われ毎日飽きることなく聞き続けた中学二年生13歳のガキ。
穴が空くほど読みまくったライナーノーツのインタビュー部分にこうあった。
(「YELLOW MAGIC ORCHESTRA」(1978年) ライナーノーツより)
坂本「将来は、長い時間をかけて肉体の訓練をしなくても、強力なインスピレーションがあれば、表現できる時代になるというだけで、従来からある音楽を否定するわけじゃない。いままで、たとえばピアノの練習がいやで、音楽を断念しちゃって、サラリーマンになった、みたいな人が多かったわけでしょう。肉体的な訓練はたいへんなことだから。
それが、もしイマジネーションさえ豊かなら、それを生かした音楽が作れるわけです。
だからスタジオ・ミュージシャンになるというようなちっぽけな考えは捨てて、イマジネーションを広げるようにしようと(笑)。
ビジョンを見るためには、旅をするとか、地平線を眺めるとか、遠視的な思考が必要ですね。」
おそらくこの部分を読んで音楽を始めた人相当いたんじゃないだろうか?
そしてその後もYMO各メンバーやその周りの作品や活動を追いかけまくった。
中でも「B-2UNIT」や「千のナイフ」「CODA」「左うでの夢」「音楽図鑑」「ビューティ」などのソロワークで受けた多様性の扉を開ける作風の混在ぶりは、今の僕の音楽的多重人格形成に大きな影響をもたらした。
そんなわけで僕の音楽の根っこに近い部分に常に坂本龍一が存在していて、奇しくも以前にも同じレコードレーベルに在籍していたことがあって、近づくチャンスもなかった訳ではないけれど、何かこう触れてはいけないような存在だと直感で悟っていた。
そして今回のMONDO GROSSO楽曲への参加という快挙を果たした今ですら、個人的な距離が縮まったなんて微塵も思わない。言葉で表現するのは本当に難しい、尊敬とか感謝といった言葉ですら陳腐でしかない。
なので最大の敬意を込めて、敢えて乱暴に13歳だった頃の自分にこっそり報告することでこの場を〆る。
「おい!あの坂本龍一にお前の曲でピアノ弾かせてしまったぞ!」
時空の向こうで腰抜かしてるクソガキが見える。
2022 01/15
大沢 伸一
MONDO GROSSO NEW ALBUM 「BIG WORLD」 2022年2月9日発売
https://asab.lnk.to/mondogrosso_bigworld
【参加ボーカリスト】
中島美嘉
中納良恵 (EGO-WRAPPIN’)
suis(ヨルシカ)
ermhoi (Black Boboi / millennium parade)
田島貴男 (Original Love)
PORIN (Awesome City Club)
CHAI
齋藤飛鳥(乃木坂46)
どんぐりず
RHYME
満島ひかり
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