モラルの熟成
今日も競馬とは一切関係ない話題です。
兵庫県知事選の結果を受けて、様々な意見や見解がネットを中心に飛び交っていますね。
私は県立長田高校という神戸市の西部では一番偏差値が高い進学校に通っていたのですが、兵庫県にある公立高校でナンバーワンの進学校は一般に神戸高校だとされています。歴史的にも、神戸高校が旧制神戸一中、長田高校は旧制神戸三中ですので、その成り立ちからして向こうの方が上と言っていいかもしれません。
ただ、両校における校風にはかなりの差があって、神戸高校は規律を重んじ、長田高校は自由と生徒の自主性を重んじるといった違いがあります。また、長田高校は体育の授業が厳しい事でも有名です。なんせ、その体育の授業でやる事というのが3年間ずっと「ただ走り続ける」ですから(笑)。教育とは恐ろしいもので、体力測定における全生徒の1500m走平均タイムが、体育系の高校を含む日本にある全ての高校の中で長田高校が1位になる年も結構あったりします(笑)。
私は在校時には山岳部に所属していたのですが、六甲山のキャンプ場でしばしば神戸高校のチームとかち合いまして、彼らが雨中でもテントの中ではなく木陰で食事をしているシーンを見て、軽い気持ちで質問をしたという事がありました。
私:「雨が降っているのに、どうして外で飯を食うの?」
神戸高校山岳部員:「あーなんか、雨が降ったら校庭の木陰で飯を食うので、それに慣れちゃってるからかな。」
私:「え?雨が降ってても校庭で飯を食うの?普通は教室で食べないか?」
神戸高校山岳部員:「教室は勉強をするところであって、食堂ではないから」
神戸高校はこの会話を交わした翌年のインターハイで全国優勝をするぐらい山岳競技の強豪校でして、私達も近畿大会で3位になってインターハイに出場する事が決まっており、その近畿大会で完敗した事もあって「打倒!神戸高校!!」を胸に頑張っていたのですが、「こいつらには勝てん」とこの時に悟りましたね(笑)。
ちなみに、夏になると短パンにサンダル姿でアイスクリームを食べながら授業を聞いてる生徒までいるのが長田高校です(笑)。ただし、長田高校山岳部はこの後の世代で積極的に女性部員を勧誘し、「みんなで楽しく山に登ろうぜ」という軟派な路線に方針転換したのに対し、神戸高校山岳部は女人禁制を貫いたため、そもそもの部員数に大きな開きが出て両高校の力関係は逆転します。
さて、こんな話をしたのは、公用PCで不倫日記をつけていたという例の自殺した局長に関する一連のお話で、この事をふと思い出したからです。
教室で弁当を食わない神戸高校の出身者が、公用のPCで不倫日記をつけるだろうかという事ですよ。ステレオタイプで断じるのもどうかとは思いますけど、なんとなく神戸高校で教育を受けた人ならそんなクズの所業はしないような気がしませんか?長田高校出身者はするかもしれないけど(笑)。
知性とモラルは本来同一のものではありませんが、「人の資質」という話でいうと、高いレベルで教育を受けた人達はやっぱりちょっと違うんですね。
そして「政治家としての資質」という事でいえば、「29ある兵庫の市のうち22の市長はただの馬鹿」と証明されてしまいましたし、市長レベルの人材でも政治家の質はその程度だという事です。
それはTVメディアに登場する人達も同じで、別に人としての資質に優れている人達が選抜されているわけでありません。そういった点においては、大手のメディアと個人のSNSの間で「情報の質に差はない」と言っていいでしょう。また、広告収入が入ってくるという点においても両者は同じですから、片方に忖度や利益誘導、情報操作があって片方にはないという事もありません。
更に加えれば、「出るとこに出る」という言葉があって、これは一般に警察に被害届を出したり裁判を起こすような事を意味しますが、実は多くの人の目に触れてしまうと、それも言葉通りに出るとこに出てしまっているのですよ。
取り調べや裁判であれば、まだ体裁ぐらいは整っていますけど、ネットの世界で出るとこに出てしまうと視聴者全員から審判されるわけですから、軽いノリで露出するとどうなるかは推して知るべきでしょう。
一方、視聴者にしても情報を発信する組織や個人がいい加減な事をしていると視聴者から相手にされなくなって自然淘汰されていくのである程度は大丈夫なのですが、今後は詐欺風味の話も一層増えていくでしょうから、情報強者になるのも大変といったところでしょうか。
IT系の技術者として、一つ注意喚起をするとすれば、「成りすましにはご注意を」ぐらいですかね。今はAIを使った画像や音声の偽造が容易になっていますから、聞きなれた口調の偽造音声データまでいくと騙されてしまうような人がどうしても出てくるでしょうね。
政治って、国単位で見ると国防という問題があるから国と地方行政とでは根元から話が違ってくるのですが、基本的には税金で集めたお金をどう使うかってだけの話じゃないですか。
今回の選挙結果といいますか、そうなった一番の原因は、そんなTVとネットの戦いとか大げさなものではなくて、というかTVや新聞なんて既に敗北していますから戦いの舞台にも立ってなくて、兵庫県民の民意は、「子育て世帯や、高校生・大学生に税金を使うぐらいはその恩恵を受けない納税者でもOKを出すけど、天下り組織や御用業者、アホ役人達の懐に入るのは駄目」、単にこれだけの話なのではないかと思いますね。