種牡馬の変遷とともに

今年のセレクションセールが終了。

私は現地に行っておらず、ネット中継を見ていただけですので、詳細は分かりませんけど、手練れと言っていい複数の購買者陣営がちゃんと落札されていたので、環境そのものは全く目が無いというわけでもなかったようですね。

ただ、今年のセレクションはおそらく難しかったでしょう。新種牡馬の産駒が多すぎて、その見方が全然分からないですから。それはただ単に私の見識が浅いだけで、分かる方もいるのかもしれませんが、少ないデータからその見方で確信を持てるような新種牡馬が何頭もいるわけはなく・・・。

私が最後にこのセールで馬を買ったのは、3年前。この時は既に評価がガタ落ちだったエンパイアメーカーを必死に研究していて、「これだな」という馬が一頭いたのですが、確か2500万円ぐらいまで競り上がって頓死。後のプラチナヴォイスがその馬です。

実際に買えたのは、こちらも既に人気が冷え切っていたキャプテントゥーレの産駒。しかし、ここまで捻っても、とても安くすんだとはいえず、その落札額は1000万円でした。本馬はヴォーガという馬名の現役馬ですが、どうにか4歳春までに2勝して降級しましたので、そのうち再度500万下を勝てるかもしれませんけど、収支的にはそれに勝ってチャラぐらい。この値段で買っていても、現時点ではまだ赤字です。

ちなみにヴォーガは、Netkeibaを見ますと、152頭いるキャプテントゥーレ産駒の中で、5番目に総賞金を多く獲得しています。こんなに不人気で実績のない種牡馬の産駒であっても、ちょっと光るものがあると1000万円してしまうという現実。

買う側からしますと、プラチナヴォイスを1000万円で買わせてくれというのが本音ですが、この話一つとってみても、いかに今の市況が馬主にとって厳しいかよく分かる話ではないでしょうか。

アグネスタキオンはサンデーサイレンス系種牡馬の中では珍しく産駒の形からその能力を推察しやすい例外的な種馬だったのに、直系は既に途絶えてますし、種牡馬の変遷とともに、選馬に必要な知識もまた更新していかなくてはならず、相馬師も大変です。あれだけ時間をかけて研究したエンパイアメーカー産駒に関する知識も今となっては、単なる豆知識でしかなくなってますし。

少しネタバレしますと、私が昨年からずっと研究しているのは、ステイゴールド系です。該当種牡馬は、ゴールドシップ、オルフェーブル、ドリームジャーニー、フェノーメノ、ナカヤマフェスタの5頭のみ。来年からはレインボーラインも加わりますが。

実は、昨年、一頭この系統の馬を選びました。アポロライラの2016.ドウニモトマラナイという馬名がついているナカヤマフェスタ産駒です。現2歳馬。まずは、この馬がどうなるかですね。

サマーセールが来月にありますし、本当ならもう少しカバーできる種牡馬を増やしたいところですが、なかなか難しいですね。私が今のところマスターしたのはエーピーインディ系とキングヘイロー、ローレルゲレイロ親子、少し自慢できるのが見方が難しいと言われているクロフネを得意にしているという事ぐらいです。

ルーラーシップはアグネスタキオンと似た傾向があるので、勉強のし甲斐がありそうで、次に研究するならこれかなとは思っています。本当に日々勉強するしかありません。

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