道営競馬の2歳戦
先日の道営記念をもってホッカイドウ競馬の今年度開催が終了したわけですが、今年はステージインパクトの他にも、もう一頭道営で競馬をしていた馬がおりました。
ブラックワトル、父フェノーメノの2歳セン馬です。
成績はといいますと、8戦して0勝の未勝利。ただ2着が4回あり、南関東への移籍が可能になるまでの賞金は稼ぎましたので、本馬も大井・堀厩舎に移籍する事が決まっています。
デビューは2歳5月16日、これは勿論早期デビューという事になるのですが、おそらく本馬は「中央所属馬であれば3歳デビュー」といったところの晩成タイプという馬です。
すなわち無理やりにデビューさせているといいますか、道営競馬に所属すると、とりあえず2歳の早期にデビューする事が既定路線という事なのでしょう。まぁ周りの馬達も「似たようなもん」で、余り有利不利は無いのかもしれません。
さて、そのデビュー戦は、後の活躍馬の2着にまとめたものの、馬っ気は強いわ、真面目に走らないわで、本馬はその後去勢される事になります。そして、去勢後に5戦。少しはまともに走るようになりましたが、内へもたれ、すぐに頭が上がる傾向にあり、残念ながら未勝利のままフィニッシュというのが全体的な成績という事になります。
去勢で少し休んだのに、2歳で8戦しているわけですから、まずまずではあるのですけど、総体的な話としてはどうにも微妙な成績ではありますね。ただ、まだ育成場で遊んでいる2歳馬達と比較すると、ちゃんと仕事をしてお金をくわえて帰ってきているわけですから、「頑張った」という事は言えると思います。
とりあえず、預託料が余りかからないので、育成時期と2歳時を道営で過ごさせるという選択肢には一応の合理性は感じるといった印象でしょうか。
実は今年も道営競馬に所属する現1歳馬がいます。母ナタリー、父スズカコーズウェイの牡馬。先日、道営・佐久間厩舎に入厩しました。小さな馬ですので仕上がりは早いはずで、来年どうなるかに注目です。
昨今は1歳馬の価格高騰を受けて、中央競馬に所属させるだけの馬ともなると1500万円ぐらいは覚悟しなくてはならず、これはハイリスクという他ありませんので、今後は「500万円までの馬で南関」という路線が増えていくと思われます。
今後も毎年一頭ぐらいはこの路線でしっかり稼げるような馬を馬主さんに推薦していきたいとは考えています。