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【レコーディング編】アコースティックギター
エレキギターほどではありませんが、アコースティックギターもよくレコーディングされる楽器のひとつに挙げられます。ライブPAではハウリングの問題で難しいのですが、レコーディングはそれほど難しくありません。今回はアコースティックギターのレコーディングについて解説します。
サウンドホールのみを狙うのはNG
アコースティックギターの音はどこから出ているか、という問いに対して「サウンドホール」という解は間違ってはいませんが、正解でもありません。アコースティックギターの最大の特長とも言えるサウンドホールは、音量を増幅させる機能ではありますが、正しくは「不足する低域を補正するための穴」であり、高域はほとんど増幅されません。高域(高周波)は遠くまで届きやすく、ある程度ギターから距離を置いても聞こえるためです。対して低域はほとんど届かないので、サウンドホールで音量を大きくしようという工夫の結果、現在の形が継承されています。つまり、レコーディングにおいてサウンドホールを積極的に狙う必要はなく、サウンドホールも含めた全体の音がアコースティックギターのレコーディング手法となります。ナイロン、スチール弦問わず、サウンドホールとネックの付け根を狙うような形でボーカル用コンデンサーマイクを設置して、サウンドホールに寄れば低域が強くなり、ネックに寄れば高域が強くなります。距離は70cm〜1mくらいで、音を確認しながらそれらしい音になれば問題ありません。
余談・エレアコという楽器
ごく稀ではありますが、エレクトリックアコースティックギターをレコーディングに持ち込まれる場合があります。「どっちなの?」と尋ねたくなりますが、往々にしてアコースティックギター的な音を求められている場合が多く、「ピックアップがあるから、そこからレコーディングするのではないか」と考える方も多からずいらっしゃいます。
エレアコは前述のとおり、PAによる大音量化が非常に難しい楽器であるため、より簡易な方法で大音量化するために存在します。レコーディングにおいては、アコースティックギターの音量が小さいということは大した問題ではありませんので、エレアコ独特の音を必要としない限りはアコースティックギターとしてレコーディングします。最初からエレアコとして設計されたギターであれば、ボディが薄いことも多いため、よりサウンドホールに寄せるなどのマイキングの工夫が必要となります。