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【第3話】元ギャル男読モが写真家になってNYに移り住んだ経緯 〜躊躇編〜

前回あらゆる人々の影響をどっぷり受けニューヨークに住む事を決意した筒井。

ぜひ第1話、元ギャル男読モが写真家になってNYに移り住んだ経緯 〜感化編〜 と 第2話、元ギャル男読モが写真家になってNYに移り住んだ経緯 〜変化編〜を先にどうぞ。

目的地が決まり、語学に対するモチベーションも見つけ(第2話参照)、もう止まらない筒井です。

子供の頃からそうなのですが、自分の中で欲しいものがあるとそれが手に入るまではその事しか考えられなくなる性分です。

例えば初めて携帯電話を持った時のこと。

当時中学生だった僕。ちょうど携帯電話が普及し始た時代です。周りの友人達もぞくぞくと所持し始め、いてもたってもいられませんてました。なんとか親に

『1ヶ月間学校も部活もしっかり通ったら買ってやる』

という条件のもと買い与えてもらえる事になり、その1ヶ月後を購入日として言い渡されました。

その日から寝ても覚めても携帯電話が頭から離れない生活が始まります。携帯電話関連の雑誌を読み漁ったり、まだ本体を持っていないのにストラップを探したり(懐かしい)、友人とメールしてる夢を見たり、、、

それはもう購入当日の興奮っぷりはもうすごかったです。

ですがまだパケ放題などなかった時代。あまりに熱中してネットを使いすぎて初月で3万円という使用料金を叩き出し、その年のお年玉を全て親に没収されるという事件が発生したのはまた別のお話。

まさにこの頃は寝ても覚めてもニューヨーク!な毎日を送っていました。

一方でその膨れ上がる欲望と並行して別な感情が強くなって行く事も感じていました。

今まで育ったこの国、活動してきた環境、培ってきた繋がり、そして友人、それらを置いて違う土地に移る事への強い『不安』です。そう言ったためらいが、その憧憬と同じくらいの強さで必ず立ちはだかってくる。これは誰でも感じる事だと思います。

先に言ってしまいますが、海外に出る際一番必要な物は、お金でも知識でもなく『勢い』だと確信を持って言えます。それもヤケに近いくらいの方がより効果的。

逆に言えばこの『勢い』を掴めない人は、他の条件が揃っていたとしても(無意識にだと思いますが)何だかんだで自分の中で行けない理由を探し、諦めてしまいます。

今まで何人となく『ニューヨーク行きたい!』と言う人達に色々とアドバイスをしたりしてきましたがほとんどの人が『今じゃない』と結論付け、流れ流れて結果的に頓挫する所を見てきました。

正直な所、今では留学相談をされても、どうせ時間と体力の無駄になってしまうんだろうな、とちょっと屈折した考えを持つようになってしまいました。(ごめんなさい)

と言うわけでこの場を借りて言わせてください。

『完璧な今』なんて絶対にない!とにかく踏み出してこいや!

言葉を荒げました。

それでもやっぱり一歩踏み出せない方に自分の経験談を少し。

ニューヨークと日本。物理的な距離はすごく大きいです。

でもその分その距離があってでもなお自分を気にかけてくれる人、または自分が大切にしたいと思う人が1万キロメートルの隔たりを経て、くっきりと浮かび上がってきます。

そしてそれが精神的な繋がりをより強固にする時もある事を学びました

ましてや今は電子の時代。こうして僕がニューヨークで書いた文章を5分後にあなたが日本で読める訳です。そうなってくると『頻繁に会えるかどうか』は意外と重要ではないということに気付きます。

少し長くなりましたが、これは全てを経験した上での結果論。当時の僕はどこから手をつけたものか、どうやって具体的に物後を進めて行くべきか、じたばたと二の足を踏んでいたと思います。

そこで背中を押してくれたのはなんと当時、一緒に住んでいた彼女のMさんの荒療治でした。

元々ロンドンに留学経験のあった彼女。

付き合い始めて半年も経たない頃に

『話しておかないといけない事がある』

と、もったいぶりながら話を切り出されます。

何だろうと訝しく思っていた僕の耳に飛び込んできた言葉は

『私また留学するね!きゃぴ』

ええー!!そんなサラッと!俺、君の事結構好きだよ?!えー!君はいいのそれで?!寂しくn

と、当時の僕にとって結構な衝撃の決定を告げられたのです。

上記で海外出立において一番重要なのは、勢い、しかもヤケくらいが丁度いいと挙げました。

そう、彼女からの話を聞いた筒井は半ばヤケ気味、勢いたっぷりにとりあえず下見という形でニューヨーク行きの飛行機を購入致しました。日程は10日間。

恐らくどうしていいか分からず、まごまごと過ごしていたこの期間。彼女からの寂しい告白と、それに対する『負けてられるか』という妙な対抗意識が、僕を奮い立たせるくれるきっかけとなったのです。

あの報告を聞いた時は只々ショックでしたが今ここで振り返ってみると彼女は僕をニューヨークに送り込むための何かしらの使命を背負っていたのではないか、と思うほどです。

今まで3編に渡って色々と書き連ね改めて思い知らされていますが、大抵何かに取り掛かる時は常々人様からの間接的な後押しを頂いている人生だなと思います。(上であんな偉そうな事言ってたよな、おい)

でもどこかの偉い人がこう言っていました。

"人"という字は支え合ってできている

とね。だから大丈夫。(何が)

さて旅程が決まってしまえばもう、ぐずぐずとしている暇はない。何としてでもこの10日間を有益で、実りのある物にしたい。そのためにはニューヨークで何をするべきか。

人に会うべきだ!

できる限り現地に住んでいる人と触れ合って、日本で感じる事のできない事、ニューヨークとは一体なんなのかを自分なりに導き出さなければならない。

またここで一つの課題にぶち当たります。
しつこい様ですがこれから向かうのは一度も訪れた事のない土地。

知り合い、いねーな。

この日から筒井のニューヨークで生活する人々を探し出す生活が始まります。

幸いな事に、今までの読者モデルとしての活動やストリートスナップを通して様々な人様との出会いに恵まれていた筒井。

会う人会う人とにかく全員に片っ端からニューヨークに住んでいる知り合いがいないかを聞く。

我ながら実に地味で、雲を掴むような話。


と思いきや、早速数人の方からそれぞれ紹介してもらい、現地で会う予定も順調に決定。

こういう経験を通して思う事は、少し無茶や馬鹿げて見える事でも闇雲でも。猪突猛進に前を向くパワーさえあれば大抵の事は実現出来るのではないかと。

必要なのはその突き進む方向を知る事と、後は持ちうる肉体と精神の活力を惜しむ事なく放出する事。

なので、もし思う所があれば、不安は一旦横に置き、ちょっとの間がむしゃらに突っ走って見てもいいのではないでしょうか。

何だか謎のセミナーみたいになってしまった第3話ですが、

お前誰だよって話ですが、

遂に次回!初の海外一人旅、ニューヨーク行きの飛行機に乗り込みます!

-つづく-

※続きはこちら↓

【第4話】元ギャル男読モが写真家になってNYに移り住んだ経緯 〜出逢編〜

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