海外推理小説:エッジウェア卿の死
著者:アガサ・クリスティー
イギリスのデヴォンシャー生まれ。
世界的なベストセラーを多く生み出し、「ミステリーの女王」と呼ばれる。
そのうちの1つがエルキュール・ポアロを主人公としたシリーズ。
エッジウェア卿の死は、そのエルキュール・ポアロの長編小説。
あらすじ
物語は、華やかなロンドンの演劇界が舞台です。
ポアロはものまねタレントとして活躍するカーロッタ・アダムズの公演を見に来ていました。そこでポアロと居合わせた人気女優のジェーン・ウィルキンソンが、夫であるエッジウェア卿との離婚問題でポアロに相談を持ちかけるところから物語は始まります。
ジェーンの依頼を受けたポアロは、エッジウェア卿と面会しますが、すでに離婚に同意しているというではありませんか。そしてその内容を記した手紙をジェーンに送ったと。しかしジェーンはそのような手紙を受け取っていないといいます。
おかしな話になってきたとき、ジャップ警部からポアロとヘイスティングズのもとへ連絡がきます。エッジウェア卿が自宅で首を刺されて殺害されたという衝撃的な事件が起きたのです。
ポアロは、事件現場に残されたわずかな手がかりと、容疑者たちの証言を丹念に調べ、独自の推理を進めていきます。
容疑者として浮上したのはジェーンでした。エッジウェア卿が殺害された夜、ジェーンが自宅に訪れてきたという証言があがったのです。しかし彼女にはアリバイがありました。そこで新たな仮説が浮上します。ものまねタレントである、カーロッタ・アダムズならば変装することで犯行が可能だと。
しかし、カーロッタ・アダムズは死体で発見されたのです。
容疑者には、被害者の妻であるジェーンをはじめ、彼女の恋人であるマートン侯爵、そしてエッジウェア卿の甥など、様々な人物が挙げられます。
事件の舞台となるのは、華やかな演劇界。女優たちの嫉妬、裏切り、そして愛憎といった複雑な人間関係が、事件に深みを与えます。
そしてポアロは、事件の捜査を進める中で、ある意外な事実を発見します。それは、被害者のエッジウェア卿が、実は複数の顔を持っていたという事実でした。