【対談インタビュー】 Jicoo CTO 小林 x 技術顧問 豊濱
こんにちは!JicooのCEO鈴木です!
2024年4月に弊社の技術顧問として豊濱 吉庸氏が就任しました!ソフトバンクに新卒入社後、黎明期のYahoo!(現LINEヤフー)でエンジニアとして活躍。ディップ株式会社で執行役員CTOを務めた後、現在はAIエージェント事業を担当されています。
今回は弊社CTO小林との対談として、就任のきっかけから今後のJicooのエンジニアリングについてお二人にインタビューしました!
◯ インタビューされた人
豊濱 吉庸(技術顧問)
1999年にソフトバンク株式会社に入社後、半年で子会社のヤフーに転籍。Yahoo!スポーツなどの速報系メディア、地域サービス系コンテンツなどを担当し、2012年からはテクニカルディレクターとして、部署全体のシステム統括を行う。 その後リクルートライフスタイル、ぐるなび、JTBを経て2020年11月にディップ株式会社のCTOに就任。退任後、Jicooに技術顧問として参画。
https://logmi.jp/tech/articles/328320
小林春彦(CTO)
ヤフー(株)でソーシャルサービスの開発ヤフー全体で利用されるミドルウェアの立ち上げ・開発を経てRealNetworkではリードエンジニアとして活躍。2014年8月よりスペースマーケットで1人目のエンジニア、CTLとしてマザーズ上場に貢献。2021年4月、ジクー(株)へ参画。
◯ インタビューした人
鈴木 真一郎(CEO)
エンジニアとしてヤフー(株)等で複数のサービス立ち上げに参画。ソーシャルアプリでのスタートアップ起業を経て、2014年1月、(株)スペースマーケットを共同創業。取締役/CPO,CTOとしてプロダクト全体を責任者として一貫して統括。2019年12月東証マザーズ(現東証グロース)上場。取締役退任後、2020年Jicoo創業。
技術顧問就任のきっかけ
—— それではまず自己紹介からお願いします
豊濱:はいディップ株式会社でCTOをやっていました豊濱です。よろしくお願いします。
社会人歴はこの4月で26年目です。もともと新卒でソフトバンクに入りました。その頃ソフトバンクがまだグループ全員で1,000人ぐらいしかいなかったころなので、あまり世の中に知られていないみたいな段階で入りました。
この会社でエンジニアとしてやっていけるんだと思っていたら、2日目に「子会社に出向して」と言われちゃいまして。その出向した先が当時は本当に80人くらいしかいなかったヤフー(現LINEヤフー)でした。そこから16年ぐらいエンジニアとか、色々な役割を担って仕事をしてきました。
その後はリクルートやぐるなび等の会社を経て、今のディップ株式会社に、2020年の11月にCTOとして入社して、今3年半という形です。現在はAIエージェント事業を担当しています。
—— 小林さんとの接点でいうとヤフーの時が最初ですか?
豊濱 はい、もともと小林(現Jicoo CTO)さんが後輩として新卒で入ってきて、スポーツのコンテンツを開発するチーム(現スポナビ)の一員として一緒にやっていたっていうのが最初のきっかけですね。印象としては、その当時のヤフーの若手に共通するイメージで、自分も同じタイプの人間だと思うのですが、技術が好きで何かしらエンジニアとして目的を持ってやってく、みたいな人が多かったなっていう風に覚えています。
—— 同じチームの新卒入社した新人とその上司という関係なのですね!小林さんから見てその上司としての豊濱さんの印象はどうでしたか?
小林 新卒の時は、開発でだいぶご迷惑をおかけした印象しかないんですが、優しくPerlを教えていただいて(笑)。エンジニアとしての基礎を、新卒1年目で叩き込んで頂いたというところで非常に感謝しています。
—— お二人でやった仕事で印象的なものはありましたか?
小林 トリノオリンピックの勝手サイトを同じチームで開発した時のことでしょうか。ちょっと自分が(不在の時に)バグを出してしまって、それを豊濱さんや他の先輩方に深夜にバグ修正していただいてしまった、というのが今も非常に記憶に残ってる感じですね。その時テストが本当に大事だなっていう風に思って学びましたし印象深いですね。
—— エンジニアとして駆け出しの時に、まさに育ての親のような存在が豊濱さんっていうことなんですね(笑)
豊濱 恥ずかしいなあ(笑)
—— そんな豊濱さんに小林さんがこのタイミングで、技術顧問としてオファーした理由は何だったのですか?
小林 自分もJicooに入ってCTOを始めて3年ぐらい経つのですが、技術的にもマネージメントとしても課題が見えてきていました。社内には鈴木さん(CEO。前職CTO経験者)がいるので、そこで聞けるというのもあるのですが、社外の意見も取り入れていきたいと考えていました。
そこでCTOとしてのマネージメント経験があり、技術的な知見もあり、なにより新卒の時にお世話になった最初の先輩という親しみやすさ、信頼感があったので豊濱さんにお願いしたいなと思いました。
また、今お仕事されているディップ社が提供している人材紹介などのマッチングサービスへの深い業務知識やシステムの知見も、Jicooとシナジーがあるのではないか?と考えてお願いしました。
—— 新卒で最初の上司が大企業のCTOをやってるというのは、貴重なつながりでしたね(笑)。豊濱さんは小林さんの話を受けて、なぜ今回Jicooの技術顧問のオファーを受けようと思ったのでしょうか?
豊濱 小林さんが今お話された元上司と部下という繋がりという所と、後は自分のこれまでの経験とか知見、今やってる仕事の性質が、フィードバックなどでお役に立てるのではないかという思いが1番強かったですね。
技術顧問をやるなら、技術のトップと伴走、サポートをしながら、より力を発揮してもらえる環境を作っていきたいなって思っていたので、そのようなことがJicooだと小林さんとの関係値的にもできるのかなと思って、是非ということで受けさせていただきました。
CTOの役割とエンジニアチームのスケールに必要なこと
—— 2人とも共通して、数人、数十人といういわゆるスタートアップなフェーズから、数千人の大企業も経験してこられて、エンジニアというキャリアを歩んでいかれていますが、CTOの役割、期待されている事、やるべき事などいうと、どのような意見をお持ちですか?
小林 今のJicooのようにまだ会社が小さい時はトップエンジニアとしての役割、機能が必要で、どんな問題でも解決できて、仕組みを作り、それを他のメンバーに伝えて、自分はまた違うことをやっていく。これを繰り返して事業を成長させるということが大きいのかなと思っています。
徐々に認知も獲得して、会社の規模、事業の規模が増えてくると、コードが、プロダクトが、というところから組織の開発、設計の比重が大きくなってくると思うんですけど、総じて開発チームのアウトプットが、誰かが抜けたとしても、落ちない、維持向上できるような組織を作っていくっていうのがCTOの役割として大事になっていくと思います。
—— 豊濱さんはいかがですか?
豊濱 CTO協会にも入っているので、色々なCTOの方々とお話をする機会もあるんですが、CTOって何する人?というのが正直いうと1対1で紐付かないなと。町工場の社長と大企業の社長で違うように。
今のJicooでいえば小林さんが言うようにトップエンジニアの役割になるでしょうし、ディップ株式会社のCTOとしての私の役割で言えばエンジニアの仕事の投資対効果というのを、色々な人に理解してもらえるようにわかりやすく見える化していく、また優秀な人を採用していくということになります。
—— CTOはその会社のテクノロジーの象徴的な存在ですし、そこで会社としてエンジニアリングの色が明確に変わったりしますよね
豊濱 もう一言を付け加えると、CTOがいる会社って信頼感はありますよね。今の会社でいうと僕が入る前にCTOはいなかったんですね。それでいうと、いるといないとで発信する内容からも、世間からの見られ方がだいぶ変わったんじゃないかなと思っています。
API公開の先に見据えるJicooエンジニアリング
—— ここまで貴重な話を聞けたと思うのですが、経験豊富な豊濱さんが加わって、Jicooのエンジニアリングの今後の展開はどのようなものになりそうでしょうか?
小林 そうですね。先月にREST APIを公開し提供し始めました。今、予約ができるAPIをフルセットで提供するサービスって、日本だとほとんどないですし、世界の流れとしてもAPIファーストが主流になってきているので力を入れて開発をしました。
「予約版のStripe」という表現を鈴木さんもよく使うのですが、予約システムとしてのコア機能はJicoo APIに任せて、自社のシステムとか個人開発でもいいんですが、注力すべきシステム、事業の特徴的な部分に開発リソースを集中してできるようになる事で、Jicooユーザーのビジネスが成長していく。
そんなエコシステムを作っていきたいなと思っています。その流れを加速することで社会全体のエンジニアリングとしても、車輪の再発明的な予約システム開発とか、防げるのではないかと。エンジニアとして、そういうのはすごくやりたいことじゃないですか。本質的な問題解決が、このプロダクトが広がることでどんどん出来ていくようになると思います。
また、ChatGPTが出てから、自分の生産性でいうと、何10倍ぐらいになっている気がしているんですね。ある程度、自分が過去にやったことは、もう全部AIが作ってくれたりとかするし、インフラの問題とか起きたとしても、自分より、AIで聞いた方が早かったりとかするっていうところはあるので。
今後、そのAIを使いこなせるエンジニアが、生き残るかなと思ってるんですが、そういう人材を、育てていけるような会社にしていきたい。AIをどんどん活用していって、今Jicooでも、AIがタイムマネージメントや日程調整をしてくれるチャット機能もすでにありますが、プロダクトとしてもAIをもっと組み込んでいきたいと思っています。
—— Jicooのバリューに、アントレプレナーシップ(起業家精神)「変化を恐れない」というものがありますよね。弊社の価値観にも繋がる素敵なお話ありがとうございます。
これからのJicooエンジニアチームについて
—— 豊濱さんという強力なサポートが入ったという所で、お2人の意気込みを聞かせてください。
小林 昔から自分のことを知って頂いている豊濱さんに技術的な面、また組織マネージメントの部分でも豊濱さんの大きな経験の力を借りて、良いエンジニア組織を作って成長の足かせにならない、プラスになるような、エンジニアチームを、作っていきたいと思っています、これから豊濱さんよろしくお願いします!
豊濱 冒頭でもお話ししたんですが、あくまで主役はJicooにいる人たちだと、僕は思っています。皆さんが、活躍できるようなサポートや後押しを、まずはしていきたいと思っているので、一緒に頑張っていきましょう。よろしくお願いします!
対談後記
というわけで、豊濱さんとCTO小林の関係や技術的な方向性などについてもお話していただきました。
私、鈴木としても実は新卒の会社から初めて転職した会社(ヤフー)の最初の上司が豊濱さんでした。モトヤフかつ元同じチームのリユニオン(再結成)というのも胸アツです(笑)。当時の豊濱さんチームのメンバーがほぼ全員スタートアップから大企業までCTO経験者になっている、というのもすごい話ですが、そのようなチームを率いていた豊濱さんも改めて凄い方だなと思います。またJicooで同じように凄いエンジニアチーム作りをサポートいただけばと思います。本日はありがとうございました!