「追悼!スコット・ウォーカー/ウォーカーブラザーズの大特集」楽曲解説
本テキストは、2019年4月18日放送のFM番組「ラビット・アワー」でオンエアした曲に解説をつけたものです。
M-1 Brand New Tennessee Waltz - The Walker Brothers
スコット・ウォーカーがジェシ・ウィンチェスターを歌うという珍しいもの。76年の再結成アルバム『Lines』に収録。
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M-2 When Is a Boy Man? - Scott Walker(as Scotty Engel)
1957年にリリースされた、スコットが13歳の時のデビュー・シングル。声変わりの前の録音だというのにも注目。
https://www.youtube.com/watch?v=TSfumStfYIk
M-3 I Only Came To Dance With You - Scott Engel and John Stewart (The Dalton Brothers)
1963年にスコットがジョン・スチュワートと組んだシングル。ドルトン・ブラザーズ名義でリリースされた。
https://www.youtube.com/watch?v=MBMb7wFURb8
M-4 Pretty Girls Everywhere - The Walker Brothers
ザ・ウォーカー・ブラザーズとしてのデビュー・シングル。ジョンとのツイン・ヴォーカルのスタイルで録音されている。1965年にスマッシュ・レーベルよりリリースされ、担当ディレクターは、ビーチ・ボーイズとの仕事でも知られるニコラス・K・ヴェネット。
https://www.youtube.com/watch?v=UPODI0ITUsU
M-5 Love Her - The Walker Brothers
スコットが初めてソロをとった記念すべきセカンド・シングル。アレンジはジャック・ニッチェ、プロデューサーはニック・ヴェネット。オリジナルはエヴァリ・ブラザーズの65年のヒット「The Girl Sang the Blues」のB面曲。ソングライティングは、バリー・マン/シンシア・ワイルの名コンビ。
https://www.youtube.com/watch?v=YwSDptbPRuU
M-6 Make It Easy On Yourself - The Walker Brothers
1965年に英国に渡り、ジョニー・フランツの元で録音された。邦題は「涙でさようなら」。これが事実上のデビュー作と言ってもいいだろう。ソングライティングは、バート・バカラックとハル・デヴィッド。オリジナルはジェリー・バトラーで、その時のデモで歌ったのがディオンヌ・ワーウィック。後に彼女自身のシングルでもヒットした。
https://www.youtube.com/watch?v=DirmGKf8Ndo
M-7 The Sun Ain't Gonna Shine Anymore - The Walker Brothers
「Make It Easy On Yourself」に続く大ヒット(英国チャートNo.1)。邦題は「太陽はもう輝かない」で、フォー・シーズンズのボブ・ゴーディオとボブ・クリューが曲を書いている。ジョニー・フランツのプロデュース、アレンジャーのアイヴァー・レイモンドによるフィル・スペクターばりの壮大なウォール・オブ・サウンドが聴きもの。
https://www.youtube.com/watch?v=zP3zCsMC5cE
(M-8 恋するカレン - 大滝詠一)
(番組では、フィルスならびにザ・ウォーカー・ブラザーズの日本の音楽への影響の一例として、大瀧詠一のナイアガラ・サウンドをかけた)
M-9 Summertime - The Walker Brothers
中学生だった筆者がジャズに目覚めた曲として「サマータイム」を。間奏に入るとベースが4ビートを刻みだし、ジャジーなサックスのソロが入る。雰囲気がソニー・ロリンズの「アルフィーのテーマ」に酷似。
https://www.youtube.com/watch?v=PTlauQkigN0
M-10 Land of 1,000 dances - The Walker Brothers
日本でも大ヒットした「ダンス天国」。ジョンとスコットがフロントに立ち、ダンスをしながら歌うのが圧巻。歌いながら指先を上に突き立てるポーズを真似したものだ。オリジナルはクリス・ケナー。がしかし、日本ではザ・ウォーカー・ブラザーズのヒット曲として認知されているような気がする。
ºhttps://www.youtube.com/watch?v=pMkQ94tIcgM
M-11 The Electrician - The Walker Brothers
75年にザ・ウォーカー・ブラザーズは再結成を果たす。『No Regrets』『Lines』といったアルバムを残すが、ランディ・ニューマンやトム・ラッシュ、トム・スノウ、ラリー・マレー、ジェシ・ウィンチェスター、トム・ヤンスといった渋好みのシンガー・ソングライターの作品をセレクトするといった、選曲の面白さのみが際だっていた。ウォーカーズとしては最後のアルバムとなる78年の『Nite Flights』は、ビートルズに例えれば『ホワイト・アルバム』状態で、スコット、ジョン、ゲイリーがそれぞれのオリジナル曲を持ち寄ったアルバム。その中でもスコット・ウォーカーの作品はすでに新しい地平へと向かっていた。後半のストリングスが入ってくる瞬間がすこぶる美しい。
https://www.youtube.com/watch?v=YmRVU-MEXU0
(追悼スコット・ウォーカー/ソロ編に続く)
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