山から設計を考える。
こちらプロ向け投稿です。
最近、県内外からの講演依頼をいただくのですが、ご依頼内容の大半が林業から製材、設計事務所、工務店をやってることを話して欲しいというご依頼。
僕が講演会でお話ししてることをここに書こうと思う。
講演会の資料を作っていることも思考の整理になるが、noteを書いている方がより自分の思考がよりシンプルに整理しやすくなることが分かったので今後noteを利用して書いていこうと思う。
ちなみにこちらはプロ向けの投稿です。
専門用語をバンバン使ってます💦
僕の建築の考え方は
『地材地建、Long Loved Designで100年後も美しい風景をつくりたい。』
というもの。
だからこそ
『山から設計を考える』
ということを大事にしている。
ただ前からそうだったかというと、そうではない。
ではどのタイミングでそうなったかというと、
他人事でなく自分事になったから。だ。
2016年から魚沼杉という名前で地域材の利用を始めたが、2020年11月から製材所の経営をスタートしたことがきっかけだ。
石田伸一建築事務所(SIA inc.)として起業したときから製材所や工務店をするつもりだったかと言われるとそうではない。結果として、今製材所経営と工務店経営もやっているのだが、やって良かったと心から思っている。
それは山から考え、歩留まりをみながら製材し、暮らしをデザインしものづくりできているからだ。
だからこそAll winになることがめちゃくちゃ大事と考えている。
お客さんの思いだけでなく、設計者、工務店、大工がやりたい建築だけでもでなく、山にある木の樹齢とサイズ、特徴、製材所の都合も合わせて建築できたらめちゃ最高だなと。
よく綺麗事って言われるけど、本気になってやったらできる。
少なくとも僕らはやっているから。
ここからは新潟県の森林事情から。
新潟は雪深く、檜は育たないので人口林はほぼ杉。
人工林は呼んで字の如く、人の手で植えたもの。
ということは使ったら、人の手でまた植えて育てていかないといけない。
伐って使ったら植えて育てないと、森林の未来はない。
じゃあ伐らなきゃいいじゃん。っていう人もいるけど、ここはいろんな考えがある。
個人的には、建築は木造が好き。で、木をつかうなら、だれのものか分からない外国の木を伐って日本にわざわざ燃料代をたくさん使って持ってきて使うよりどこの山の木か分かって、伐ってる人、製材してる人、建築してる人の顔が見える方が木造建築として素敵だなと思う。
だから伐って使ったら植えないとハゲ山になっちゃうから使ったら植えれるようにする。
下記は林野庁がだしている漫画でわかる森林の働き。
めちゃわかりやすい。切ってつかったら植えて育てないといけないことが分かる。
ここからは、木を切ってから製材所に持って来るまでを書く。
ここまで写真をメインに山から木を切り出して製材する機械を紹介してきたけど、ここからは、利用について。
僕らは、地材地建を推奨している。
その地域の材料をその地域の職人でその地域に建てる。
新潟県の木を新潟県の職人と工務店が新潟で建てる。といった具合に地域の森林資源と地域経済も考えて建築する。
ぼくらは地材地建にこだわり、耐震等級の明示、断熱性能の明示、気密性能の明示のほか県産材使用量も明示するようにしています。
適材適所に魚沼杉、魚沼ブナ、県産杉をつかう。
ここまで、細かく山から設計を考えることを書いてきたが、かなり内容がマニアックになってしまった。
誰向けの記事?って感じだけども。
でも伝えたいのは、僕らがやりたいのはAllwin(全方良し)になる建築、暮らしづくり、まちづくり。
地域の自然も地域の山主も地域の林業家も地域の製材所も地域の建築家も地域の工務店も地域の職人もそして、当たり前で建築していただくオーナーも。
山から設計を考える。
日本全国に広めていきたい思想だ。