乙女チック脚本家
こんにちは!第2幕の脚本を担当した福家寿明です。
本公演の脚本、しかも3人の脚本家の内の1人という事でオファーを受けた時はものすごく不安でした。僕の脚本の登場人物は漫画『コブラ』に出てきそうな仰々しい喋り方をする上、口癖のように「なんだって?!」を連発するので3人の中で浮いてしまうんじゃないかと心配でした。
主宰さんに相談したところ「それでいい」と有難いお言葉をいただいたので本作のキャラクターも映画の吹替みたいな喋り方で、「なんだって?!」という台詞もこっそり入れました。
そんな風に自由に書かせていただいたおかげで本作はとてもスムーズに書き上げられていました。しかし中盤、脚本家として大きな壁にぶつかりました。
恋愛シーンです。
主宰さんからいただいたプロットにはものすごくロマンチックなシチュエーションと共に「キスをする」というト書きがあります。
僕は普段恋愛シーンをよく書きますがそれはギャグシーンであったり狂気じみた恋心であったりで、まともな胸キュンシーンなどは書いたことがありませんでした。
恥ずかしかったからです。
作品に自分の薄っぺらい恋愛経歴が染み出しそうで嫌だったからです。
しかし主宰さんからいただいたプロットにはものすごくロマンチックなシチュエーションと共に「キスをする」というト書きがあります。僕は迷いました。いっそギャグシーンにしてしまおうかともました。
しかし良いシーンだと思ったので自分なりの解釈を加えながら書き上げました。
するとプロットよりもむしろ展開は乙女チックになりました。
自分の中にこんな乙女チックな部分があることも本作の脚本をやったから知れたことです。
僕は何を言っているのでしょうか。脚本のお話は終わりにします。
最後に、この作品に関わってくださった方々に心からお礼を言いたいと思います。
僕は劇団森でやりたいことばかりをやってきました。同期に、後輩に、そして先輩に大きく支えられて僕は脚本を書き、それが舞台になり、公演になりました。
劇団森でみんなと演劇が出来たことが幸せです。本当にありがとうございました。
卒団するような雰囲気を出してしまいましたがあともう1年ありました。これからもよろしくお願いします。
そしてこの作品を観て下さる方々へ、本当にありがとうございます!乙女チックなシーン以外にも自信のあるシーンがたくさんあります。是非お楽しみください。