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歌唱/演奏──演劇はライブだ!

【ネタバレ無し】セクションの紹介とお気持ち

こんばんは!春うららの日々をいかがお過ごしですか?

本日ご紹介に与りました、当公演にて歌唱班長/演奏を務めております4年代吉田です。


皆さま連日本公演noteをご覧いただきありがとうございます。

ここまで、本公演では毎年お馴染みのセクションの紹介が続いてきましたが、私が携わっております「歌唱班」「演奏」というセクションは、私の知る限り今年新設となります。

名前で大体想像がつくことと思われますが、我々の活動内容を紹介しますね。


まず歌唱班は、劇中で登場する歌唱シーンにおける稽古を担当します。

キーボードを使用して、音取りから合わせ練習、外国語の楽曲に関しては発音の指導等、歌唱の全てを司ります。

今年の本公演には歌唱シーンが盛りだくさん!1人でしっとり、みんなで大合唱、そのバリエーションもさまざまです。

歌唱班には歌が好きなメンバーが集まり、力を合わせ手分けして練習を進めてきました。

上手く歌うことよりも、楽曲を愛し、楽しむこと。それが歌唱班のモットーです。

そこに台詞ではなく、歌がある意味とは何でしょうか?
歌には、時に言葉よりも強く伝わる力があります。

魂こもった歌唱に乞うご期待!


次に演奏に関しましては、そのままです。舞台上で楽器を演奏します。
私はキーボードを担当します。

今回はその他にもクラリネット、トランペット、アコギ、ヴァイオリン等の楽器が登場します。
実はまだまだ出てくるのですが、観てからのお楽しみということで。こちらも盛りだくさんです。

こちらは使用する楽曲が決まり次第楽器編成を考え、楽譜を用意し、合わせ練習を経て舞台上でセッションします。
歌唱の伴奏を担当することもあります。

劇団森は本当に多彩なサークルで、楽器を演奏できる人がたくさん在籍しています。
大人になっても楽器を演奏できるのは本当に誇らしいことです。

今回本公演という絶好の舞台で、なるべく多くの団員にその特技を存分に披露していただきました。
他ではなかなか見られません。必見です!


歌唱、演奏ともにほとんどの楽曲で楽譜を用意して練習を進めてきましたが、時にはソフトを使用して楽譜を一から採譜するなんてこともしました。

こんな感じに。

採譜も編曲もとても楽しいし勉強になるのですが、この時ばかりは自分は一体何のサークルに所属しているのかと強く感じました…

あとこれ、移調楽譜が読める人には楽曲のネタバレになってしまいますね。
どのシーンでどのように登場するのか、お楽しみに。


そして我々は音にまつわるセクションということで、音響さん、映像さんには非常にお世話になっております。

今回音響さんのご厚意で、普段のサウンドチェックに加え、歌唱/演奏のサウンドチェックの時間を設けていただきました。
この場を借りて感謝申し上げます。

卒団間近にしてサウンドチェックに参加するのが初めてだったので、非常にワクワクしましたし、今まで情勢を鑑みて個人で練習してきた音楽が一つになった瞬間を見届けて、言い表せないような感動を覚えました。

演劇も、音楽も、沢山の人が一つになって出来上がります。その過程は本当に尊いものです。

サウンドチェックの様子


今年度の本公演は映像でのお届けとなります。

正直、映像を通すと音楽の良さは激減してしまうのが現実です。

人の声や楽器から奏でられる音は、どんなに高級なコンポを通しても再現できない、非常に甘美で特別な音楽です。
会場で聴かないとその全ては感受できません。

演劇も、音楽も、生物です。
生きています。

その生の証の熱気は、直接その場でしか体感することができません。

最近やっとかつての日常を取り戻しつつありますが、ここ2年近く我々は多くの舞台が死にゆくのを目の当たりにし、観れたとしてもリモート収録や映像を通しての、死にかけの舞台しか観ることができませんでした。

私たちの本公演も今回、一度殺されました。
死の底から這い上がってきて、公演の存続のため映像での完成を選びました。

もう完全な形に生き返ることができないのなら、ゾンビはゾンビでも、めっちゃ生気に満ち溢れたゾンビになりたいんです。

画面を越えて伝わる熱気を、今できる最大限のライブパフォーマンスで出すしかないのです。


何を申し上げたいのかと言いますと、とにかく皆でめちゃくちゃ頑張っています。我々の努力の結晶を、あなたに見届けていただきたいのです。


私は最後の本公演にして、初めての経験を沢山させていただいております。

まるで生まれて初めて舞台に立つかのような、いつまでも興奮冷めやらぬ本当に楽しい演劇です。

イロハスに能力を買われ、劇団森の本公演で最後にこのようなセクションを担当することができて、素敵な仲間と共に素敵な演劇を作ることができて幸せです。

私たちの演劇はまだ未完成です。
演劇はお客様に見ていただくことで初めて完成します。

今これを読んでいる、そこのあなた!
私たちと一緒に演劇を作りましょう!

最高のエンターテイメントをお届けします!


【ネタバレ祭り】劇中歌唱・演奏シーン裏話

映像公開されたぞ〜!やった〜!

ということで、劇中にたくさん登場する音楽たちについての裏話をさせていただきます。

完全にチーフの自己満ですが、これだけ遺してから成仏させてください。


①『だんご3兄弟』Vn.×Pf.(録音)

(撮影:コトデラシオン(さわら小學校)様)

ピアノがむずかった〜〜!!
めっちゃ録り直した!!

とにかく集中力と指の疲れとの戦いでした…
(学館地下1階の音楽練習室で録りました)

ヴァイオリンに関しては、雨埜家の不気味な雰囲気を演出するために、レガートで重々しく!と生意気にも注文をつけたら、見事イメージ通りの音で弾いてくれました🥺

本来ならば伴奏もキーボードで生演奏しようと思ってたのですが、アップライトの艶やかな音が映えてトータルの演奏としては良かったかな。


②『クラリネットをこわしちゃった』Cl.+α×Pf.(録音)

(撮影:コトデラシオン(さわら小學校)様)

もとい、『かぞくがこわれちゃった』ですね。

どういった経緯だったか忘れましたが、楽器が絡むシーンなので演出のお手伝いをさせていただきました。

それぞれの担当楽器は↓

・ブラシ(クラリネット)/クルマ(小太鼓)
・アサ(カスタネット)/ユウ(タンバリン)
・ボウシ(マラカス)/スイコ(トライアングル)
・デンコ(鍵盤ハーモニカ)/オレンジ(スライドホイッスル)
・タタミ(ヴィブラスラップ)
・レイコ(びっくりチキン)/メガネ(銅鑼)

でした。
ピアノは耳コピです。

最終的に全部合わさった際にバランス良くいい感じにうるさくなるように、楽器編成とリズムを考えました。

このシーンの稽古はとにかく毎回楽しかった!

演出さんも言ってましたが、ここは生で観てもらいたかったですね。
でも映像でも十分楽しめるはずです!
ぜひイヤホンで聴いてみてください🎧

ちなみに以上の2シーンについては、音響卓から自分の録音音源を聴きながらペンライトで指揮を振って、音がズレないように対策してました💫

🛼趣味丸出し🥷(※左は同事務所ファン音響)


③『ファイト!』Vo.×Gt.

(撮影:コトデラシオン(さわら小學校)様)

これに関しては特に練習の様子等を見ることは無かったのですが、逆に言えば私からはギターの子に「アコギで原キーのコード弾いて!」とだけ伝え、後は何も言わなくても出来上がっていました笑

波の音とアコギ、そして歌。
ボケシーンではあるのですが、素朴な音楽がウズメの「アメリカで音楽と出会う!」という強い決意を不思議と演出できていたように思うのです。何故か感動してしまいます。

以上が1幕の演奏シーンです!
1幕の皆さん、大変お世話になりました!とっても上手でしたよ👏

④『One』Vo.

(撮影:コトデラシオン(さわら小學校)様)

ここからは2幕の歌唱・演奏シーンです!

2幕のOPダンス曲となったこの楽曲では、「歌いながら踊る」ことに挑戦。
ポテンシャルの高い選抜メンバーで構成された2幕だから挑戦できたことです。

ほとんどの人がこの楽曲を知らなかったところから、英語で歌えるように練習……と言っても、私は英語の発音に疎いので、同じく歌唱班の英語が得意な子に発音を教わり、私は音取り、という感じに分業しました。

本番の2幕OPは圧巻ですよ。
きらびやかで、まさにブロードウェイです!


⑤『Tout, tout pour ma chérie』 Vo.×Key.×Perc.

(撮影:コトデラシオン(さわら小學校)様)

この楽曲は全演奏シーンの中で最も苦労したと言っても過言ではありません。

大きな挑戦は混声四部合唱です。
ソプラノ、アルト、テノール、バス、各パート1人ずつの孤独なセッション。
通称「シェリー隊」を稽古の合間にしょっちゅう呼び出し、練習。
とにかく練習に練習を重ねました。

華麗なボイパも加わり、キーボードの伴奏にカホン、そしてかわいいダンスもついて、目で見て楽しい耳で聴いて楽しい、とっても華やかなシーンになりました!

日常の会話から音楽とダンスに繋がる演出がミュージカルっぽくて、個人的にお気に入りのシーンの1つです。


⑥『Laughter In The Rain』Vo.×Gt.×Key.+α

(撮影:コトデラシオン(さわら小學校)様)

この楽曲については、私含め誰も聴いたことのない初見の状態からスタートしました。

GB'sの従業員や常連客がいつも歌う定番のナンバーという解釈でしたが、シーン稽古の度に繰り返し歌っていくうちに自然と覚えていき、いつしか本当に2幕の十八番になりましたね!

回を重ねるごとにどんどん完成度が高くなっていき、舞台上で弾き語りながらいちいち感動していました。激エモです。

個人的にこのシーンは照明にも注目だと思ってます👀


⑦『Over the Rainbow』Vo.×Key.×Perc.

(撮影:コトデラシオン(さわら小學校)様)

これに関しては、いいから黙って全員リリーに惚れろ!と言いたいですね。
美しいでしょ?

リリーの歌に、キーボードのシンプルな編成を基本として、アクセントにウィンドチャイムを入れました。
もう、何も言わずに聴いてください。

伴奏は練習不足&キーボードの故障でペダルが使えなかったことが心残りですが、全編通して一番真面目に弾いてます。

余談ですが、この楽曲はキーボードのピッチ(音の高さ)を変えて、リリーの音域に合わせた調で伴奏を弾いています。
なので、このシーンの前後の私をよく見ると、ピッチを変えたり戻したりしています。
どうでもいいですね。


⑧『What a Wonderful World』Vo.×Key.×Tr.

(撮影:コトデラシオン(さわら小學校)様)

彼はだいぶ初期の段階から原曲を聴いて自分なりに練習してきたりと、やる気に満ち溢れていて、本番はその期待にしっかりと応えてくれました!

特に小屋入りして、板の上に立ってから見違えるように上手になったように感じました。
サイコーでした。君に任せて良かったよ〜

そしてルイ・アームストロングと言ったらトランペット、ということでトランペットが得意な同期に演奏をお願いしました!
おかげでとても味のあるシーンになりました✨


⑨『America』Gt.

(撮影:コトデラシオン(さわら小學校)様)

地下鉄のホームの喧騒を描いたシーンです。

台本のト書きでこの楽曲が指定されていたので、アコギで弾いてもらいました。
天使役の彼は『Laughter-』でも活躍しています。

アコースティックギターはその名の通り、アンプも何も必要とせず1本で幅広い音楽を展開することができる楽器なので、ソロだとその良さが如実に表れます。
聴いていて心地良いですよね。

ちなみに私はギターのセンスが本当にないので、弾ける人が羨ましいです。


以上が全歌唱・演奏シーンとなります!!
たくさん!!!

演劇を引き立てる演奏の魅力に少しでも気づいていただけたなら幸いです。

さて、これで無事に役目を終えたので私は成仏します。
『あな歌』観てね、感想も待ってます!👋

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