昆虫をいじめて遊ぶ子供だった頃
アリの巣穴にジュースだの水だのお湯だのを流し込んだり、狭い虫かごにセミだのカマキリだのを入れて戦わせてみたり…….。
なぜ子供はあんなことに熱心になるんでしょう?
一匹のムシケラを捕まえる為なら大人にも出せないような熱意と集中力を発揮する。全てはそのムシケラにやってやりたいことがあるから。
このような行動に嗜虐心というのもあるとは思います。
思い返してみると、昆虫って子供にとって初めて生殺与奪の権を握れる「動く生き物」ですよね。
こちらのアクションに対して、即座に生物としてナマのリアクションを返してくれる。
これやったらどうなるんだろう、あれやったらどうなるんだろう、とアイデアは色々と尽きないです。
思うに、物心ついたばかりの子供は(本人も自覚せずに)根源的な疑問をもっているんだと思います。
「なんでこの虫は(or生き物は)生きて動くんだろう?」「この虫が(orこの生き物が)生きている仕組みは?」
機械なら動いているしくみは分かります。電気を流せばモーターなりの動力源が働いて.....。
しかし、生き物というものには分かりやすいソレが無い。
強いて言うなら心臓でしょうか?それにしたって電気にあたるものがない。生き物にとっての電気が食べ物と言っても、なんだか全く違う世界の原理です。
だって自分が生きて動いてるのも不思議だし、そんな生き物である自分が何をされたらどうなるのか?
でも自分の身体で試すわけにはいかない。だったら虫にしてやろうじゃないか、と。
そこまでハッキリと動機を自覚してはいないでしょうが。
つまり、子供は虫に対して実験を行うことにより、自らの生物としての不確実さ・脆さを知るのである。
かなり壮大に言ってみましたが、明らかに言い過ぎですね。
そんなことはなく単なる好奇心も多分にあるでしょう。