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プレミアリーグ第20節 レスターvsリヴァプール 1-0勝利の面白さと喜び

面白いサッカーとは

前節マンチェスター・Cとの両軍計9発の試合に破れたレスターは中1日(!)でホームキング・パワー・スタジアムにリヴァプールを迎えての試合。
リヴァプールはCBのファン・ダイクが復帰し、また試合の間隔も22日以来と休養を挟んでの試合。
ところで、「面白いサッカー」とはどんなサッカーを思い浮かべますか?
ペップ・シティのような攻撃的で華麗なサッカーでしょうか?或いは1-0での勝利を美学とするようなしっかりとした守備を基本とするサッカーでしょうか?
一般的に前者が「面白いサッカー」で、後者は「退屈なサッカー」と言われることが多いように私は感じます。
しかし、今回のレスターは後者のサッカーを貫き、そして観戦する側を盛り上がらせてくれるサッカーでした。

試合展開

前半 耐えに耐えたレスター

  • レスターは4-3-1-2の中央に3枚のMF、更にトップ下にェイムズ・マディソンを置きケレチ・イヘアナチョジェイミー・ヴァーディーのツートップ。
    レスターはメンバーとシステムを大きく変えて、リヴァプールは自分たちのサッカーをする、という布陣。
    守備時はハムザ・チャウダリーブバカリ・スマレキアナン・デューズバリー=ホールの3人最終ライン手前で引いて守り、ジェイムズ・マディソンをカウンターの起点にする狙い。
    逆にリヴァプールとしては中盤の3センターをサイドチェンジなどで揺さぶりスペースを作る、あるいはクロスを放り込むという攻め方。
    前半13分にリヴァプールのT.A.アーノルドのスローイングからの場面でモハメド・サラーがボールをPA内で受け、ウィルフレッド・エンディディに倒されPK獲得。
    今季15得点のモハメド・サラーが自らキッカーを務めるも、ゴール左に蹴り込んだボールをカスパー・シュマイケルが弾いてビッグセーブ。
    やっぱりシュマイケルは凄かった。
    前半27分にもディオゴ・ジョタとの一対一でのシュートをシュマイケルが体で弾く(オフサイドではありましたが)。
    レスターは起点となり得るマディソンがファビーニョにマークされていて中々シュートまでこぎつけない。
    前半は基本的リヴァプールがボールを支配する時間が長く、レスターは守って縦に素早いカウンターを狙うという展開。
    試合の趨勢に大きな変わりはなく、このまま前半終了。
    この時点での両軍のスタッツは、

  • スコア:0 - 0

  • ボール支配率:39% - 69%

  • シュート本数(枠内):5(0) - 11(2)

  • パス本数:172 - 273

  • パス成功率:72% - 80%

  • ファール回数:5 - 3

  • コーナーキック回数:1 - 4

  • オフサイド回数:2 - 1

であった。
レスターは堅守速攻で基本的に守りを固めて少ないチャンスをものにする。
リヴァプールはその固く閉ざされた門をなんとかこじ開けようとした…というのがよく表れたスタッツです。

後半 忍耐が報われたレスター

レスター、リヴァプール共に選手交代は無し。
レスターはカウンターで機会をうかがう姿勢は崩さないが、上手く前線にボールを通してもその前線の選手とリバプールのDFが一対一で対面した時に抜くことが出来ない。
そして後半の54分にジョタからバイタルエリアでボールをフリーでもらったサディオ・マネがシュートを放つがこれはクロスバーの上に。
このプレーの後に両軍のベンチが動いて、リヴァプールはアレックス・オックスレイド=チェンバレンに替えてナビ・ケイタ。レスターはハムザ・チャウダリーケレチ・イヘアナチョに替えてユーリ・ティーレマンスアデモラ・ルックマンを投入。
後半57分に遂に試合が動く。交代で入ってきたばかりのルックマンが左サイドでボールを受けT.A.アーノルドのプレスをかわし、デューズバリー=ホールにボールを預ける。デューズバリー=ホールは縦にドリブルで駆け上がり一気にスプリントしたルックマンにパス、DF2人に囲まれるも足元で何とかボールを持ち何とかシュートコースを確保すると、最後は倒れ込みながらシュートを放ちこれがレスターの先制点となるゴール!
耐えに耐えて強豪リヴァプール相手に先制点、キング・パワー・スタジアムのレスターサポーターは耐えた分大歓喜。
ここで負けてしまうと首位マンチェスター・シティに更に勝ち点差をはなされるリヴァプールは、ファビーニョに替えてジェームズ・ミルナーを投入。
更に後半70分にはジョーダン・ヘンダーソンに替えてロベルト・フィルミーノを立て続けに送り出す。
しかし、フォーメーションを5-4-1のにし、守りを固めるレスターに対し機会は何度か作るがゴールを決めることは出来ず。
試合はそのまま1-0でレスターの勝利に終わった。
試合終了後のスタッツは、

  • ボール支配率:37% - 63%

  • シュート本数(枠内):6(1) - 21(4)

  • パス本数:361 - 628

  • パス成功率:74% - 82%

  • ファール回数:8 - 11

  • コーナーキック回数:1 - 12

  • オフサイド回数:3 - 1

である。
リヴァプールの猛追を凌いで1点を守りきったレスター。そして第20節にして初めて今季無得点に終わったリヴァプール。

面白かった「1 - 0」での勝利

基本的に自陣に引いて数少ないカウンターのチャンスでゴールする、というサッカーは面白くないと言われることは少なくないが、今回のレスターは確実に面白いサッカーをした(と、私は思ってます)。
キング・パワー・スタジアムの盛り上がり方はまるで「マグマを数百年貯めた火山の大噴火」のようであった。
それも相手はサラー・マネ・ダイクなどタレント揃いの所謂「面白い」サッカーをするリヴァプールである。
もちろん贔屓のクラブがゴールをバンバン決めまくっているのは面白いし愉快である。
が、1つの勝利における喜びで言えば、今回のケースの勝ち方が一番なのではないか?


ここまで読んで頂いた皆さん、ありがとうございました!

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