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ザーク プロコフィエフ

綾部(以降あ):ヴァイオリン・コンチェルトなんかのオーケストラとやっているやつって普通はまともに聴けないものが多いんです。生で聴いてもまともとには聴けない。例えばブラームスのヴァイオリン・コンチェルトなんかは超有名だけど、3楽章なんて普通に弾くともうヴァイオリンの音なんて全く聞こえなくなるんです。

 そういう意味でレコードは色んな調整もできるんだけど、ロシアは結構めちゃくちゃな音の録り方してるんで、こうやって規模が大きいやつは考えて流さないとですね。マニアックな話をすると、ピアノを弾く時に、ピアノの音が一番美しく響く音っていうのがあって、前回のリヒテルの演奏は一番いいところが全部拾えているかというと、かなり音にムラがある感じです。

 これからかけていく三人の人たちは打鍵の精度が以上に高くて、それに耳が慣れてくると、ロシアでしかなかなか聴けないものだとわかってくるんです。各ヨーロッパに一人とか二人とかずば抜けている人がいて、その人たちはロシアの低いレベルの人たちのところは到達しているけど、今かけているザークや、これからかけていく人達はロシアでしか聴けないというタイプですね。音が出るところもそうだけど、鍵盤を打鍵するときの場所や加減が本当にピアノの一番美味しいところだけを拾って、しかもピアノって音が出るところじゃなくて消えるところがね。

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