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スレサレフ ラフマニノフ

コレルリの主題による変奏曲

綾部(以降あ):この曲のバイオリンの音源だけで、10種類は持ってます。

若木(以降わ):すごいっすね。

あ:何が一番いいかなと言われたら、ミルシュタインかなという感じです。

 これ一曲聴き終わるくらいには旋律は覚えられると思います。ずっと同じなんで。この曲のバイオリンはもう単純にこの旋律を弾くという感じなんです。

 コレルリという人が1653年生まれで、バッハと32歳離れているんですね。このコレルリからシャコンヌで有名なヴィターリとか、デビルズ・トリルのタルティーニとか、プニャーニの後ヴィオッティとか出てくるんだけど、要するにどういうことかっていうと、ギターとかとおんなじで、楽器が開発されるとそれにあった奏法を編み出すわけです。バイオリンもそうで、16世紀から17世紀ぐらいの頃に、みんながよく知っているストラディバリウスとか、ガルネリっていうのが開発されて、その最新鋭の楽器を最高の技術を使って曲を書き始めたのが、このコレルリさんあたりが最初ということになってます。ストラディバリウスとガルネリの先生は同じで、ピアノの原型を作ったと言われているクリストフォリも同じ先生に教わっていました。ニコロ・アマティっていう先生で、天才バイオリン職人の3代目なんです。そこがバイオリンの歴史で言うと中心で、そのニコロ・アマティの祖父にあたる人の頃はまだ民族楽器で、そこあたりからバイオリンの開発が始まるんです。まだ形も一個一個違っていたんですが、孫のニコロの代で形も寸法も今の形になりました。そう言う意味でもコレルリは弦楽器の歴史の中ではとても重要な人物なんです。その人の傑作曲の旋律を拝借して、超絶技巧をやるっていうのはなかなか面白いと思います。

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