
写真家A to Z Burk Uzzle
1月20日は第46代アメリカ大統領になったジョー・バイデンさんの就任式だった。4年にわたるトランプ政権からの脱却を喜ぶ声と、そのトランプ政権が覆してきた各国との協定や、今後のコロナウィルス対策の提示など、山積みになっている問題をこなせるのかどうかという不安の声とが一体となってさまざまなメディアからながれこんでくる。最近よく聞いているアメリカのポッドキャストの番組On Pointでは、バイデンさんがカトリック信者であることについての議題でもりあがっていた。46代続くアメリカ大統領のなかで、カトリック信者であったのは、ケネディ大統領以来二人目なのだ。世界はいまだ国や主義だけでなく、宗教によっても分断されている。アメリカのような、自由と民主主義を第一に掲げる国でもそうなのだ。
今回の「U」の写真家はバーク・ウズレ、英語発音だとアズルと読みたいところだ。彼の写真集「All AMERICAN」は1984年にフィラデルフィア美術館での展示に合わせて出版社St. David Books Inc. というところからApertureの協力によってつくられたものだが、印刷はフランスでされている。80年代のアメリカの写真集は本国アメリカや、日本などで印刷されたものをよく見るが、この写真集はフランスで刷られたからか、写真がとてもヨーロッパ的なものにみえる。Burk Uzzleが79年、80年にプレジデントをやっていたマグナムの創始者カルティエ・プレッソンへのあこがれからかもしれない。しかし写真集が出たのは1983にマグナムを脱退した翌年だ。
ここから先は
若木信吾の「つかずはなれず」写真講座
写真家の若木信吾です。 写真に関するあれこれです。写真家たちのインタビューや、ちょっとした技術的なこと、僕の周辺で起こっていること、それら…
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?