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【ミカタをつくる広報の力学】 #07 取材のミカタになる

広報担当者が理解や協力を得るために、どうやって周りにミカタをつくっていくか。私の実体験をもとに、ミカタのつくり方を綴るコラムの7回目です。

前回に引き続き、今回も取材についての話です。

どうしたら取材されるのか。

広報という職業についている人なら一度は考えたことがあると思います。
もちろん必勝法などあるわけはないのですが、記者の人から聞いた意見を私なりに整理して、「取材のミカタ」になる方法を考えてみましたので、参考にしていただければと思います。


※初めての方は、「#00 イントロダクション」をお読みいただくと、コンセプトがわかりやすいかと思います。


記者は誰でもネタが欲しい

何人かの記者さんに聞いた話で共通していたのが、「面白いネタは誰でも欲しい」というもの。

「そんなの当たり前じゃないか」と思われるかもしれませんが、これで一つの確証が得られたわけです。

記者は誰でも、面白いネタを待っているのです。これもメディアインサイトの一種(笑)

編集長のボツを喰らうことがあるかもしれませんが、面白いネタさえ提供できれば、取材はしてもらえるということです。何を持って行ってもダメ、ということではないのですから、全然チャンスありです。

問題は、どんなネタが面白いのか。

ここからが本当のメディアインサイトなのですが、それがわかれば苦労はないんですよね。

もちろん編集傾向や論調、季節的な旬、話題性などから推測することはできますが、それは広報担当者であれば、誰もが日夜努力されていること。それでも取材が取れないから悩んでいるわけで。

実は「どんなネタが欲しいんですか?」って聞いたことがあります。

帰ってきた答えは、「その瞬間になってみないとわからない」というものでした。

当の記者でも、どんなネタが面白いのかは、「その瞬間」にならないとわからない。

では我々には打つ手がないのか?

いいえ、そんなことはありません。「その瞬間」に聞けばいいのです。


聞きたいときに聞ける間柄

聞きたいときに聞けるような間柄をつくるのって、意外と難しいんですよね。恐らく、何もしないでも得られるような関係性ではないのだろうと思います。

私の場合、これを「メディアリレーションズ」と呼んでいます。
なので、繋がりのあるメディアはそんなに多くないです。

以前、営業部門のサポートをしていたときに感じたのですが、「提案を採用してもらう」以前に、「提案を聞いてもらえる」立場になることが難しいのです。

広報担当の中には「メディアにお願いすれば掲載してもらえる」なんていう猛者もいますが、私には到底できそうにないので、「聞いてもらえる間柄」を地道に目指します。

つまり、ネタの内容もさることながら、「面白いネタを持ってくるかもしれない」担当者として認知される必要があるわけです。


気に入られるのはどんな人?

面白いネタを持っている人が気に入られるのは当然のことのように思いますが、他にはどんな特徴があれば関係をつくりやすいか。

前回のコラムでも書きましたが、取材慣れしているというか、対応が安心できる人が好かれているようです。

それこそ取材する側のインサイトを熟知しているような人だと、長く付き合えるパートナーになるのでしょう。

ネタは「生モノ」。鮮度が大事なので記者はいつでもアンテナを張って情報を集めています。いうなれば最前線で戦っている記者のセコンドに着いて、欲しいものを欲しいタイミングで手渡せるような気遣いのある人なら、好かれて当たり前なのかもしれません。

逆に、ゲラチェックを求めてくる人やアプローチがしつこい人だと、どう対処して良いか困ってしまうという話はよく聞きますよね。

ここまで書いて気付きました。
要するに「面白くて、気が利いて、ウザくない人」

これって、嫌いな人いるんですかね(笑)
友達だったら最高じゃないですか。


おわりに

「面白くて、気が利いて、ウザくない人」になるだけでも一筋縄ではいかないですから、記者さんとは、細く、長く、緩やかな間柄をつくることが大切ではないかと思います。

それでいて、ネタを持ち込んだときには「頼もしい」と思ってもらえたら、
とても良好な関係を築けて、取材のミカタになれるのではないでしょうか。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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ではまた次回お会いしましょう。

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