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街が狭い

こんにちは。田島です。

緊急事態宣言解除に伴って、様々なお店の営業が始まりましたね。

お昼に近くの商業施設のレストランに行ってみたのですが
間隔を空けたテーブル配置や、ウェイティング列の作り方など
お店やそういった施設の「中の人」の苦労が伝わってくるようでした。

人と人との間隔を保つ「ソーシャルディスタンス」という言葉は
これだけ広く知れ渡った、いわば流行語と言えばそうですし、
もしかしたら今後も定着する考え方かもしれませんよね。

駅が狭い

僕はこの春から転職と娘の保育園入園が重なり、新生活が始まりました。
娘を保育園に送り届けた後、駅の商業施設の屋外のイベントスペースで
缶コーヒーを飲みながら30分ほど時間調整をしてから出勤しています。

本当はコーヒー屋さんくらい行ければ良かったのですが、
ちょうど休業の影響でお店がやっておらず、行き場がありませんでした。

朝9時くらいに住宅街方面からやって来て駅へ向かうお姉さん、
目の前にあるパン屋さんで買ったパンを隣のベンチで食べる青年、
僕がいる30分ほどの間、清掃をしている係のおじさん。

この2か月くらい変わらぬメンバーで穏やかな朝を過ごしていました。
(ここにいる皆はテレワークがない仕事なんだという連帯感)

ところが今朝当地へ向かってみると、閉鎖されていた喫煙所は再開し、
ベンチにも多く人が座って、また周辺を歩く勤め人がたくさんいました。
朝の陰険とした雰囲気が蘇り、実に平日の朝だなと思わせるものでした。

僕は地元の駅から電車に乗り、途中大きな駅で乗り換えをしています。
この大きな駅は自粛期間中でもそれなりに人出はあったのですが、
やはり人は増えていました。

僕はこの2か月の通勤の通り、階段を上りホームで電車を待ちました。
僕の前には一人女性がいたので、僕は1.5m程度、間隔を保って並びます。

すると段々と人が増えてきて各々が間隔を保った結果、
反対方面の待ち列と交差して、ホームは人で埋め尽くされてしまいました。
間をすり抜けるのは、土日の池袋くらいの緊張感が必要です。

もちろん自粛期間以前は当然だったこの混み具合や間隔の無さですが、
「これは近いな」「もっと間隔を空けたいな」「ここは人が多いな」
という自粛期間を経てこれまでは無かった感覚が沸々と沸き上がり、
「これってそもそもスペースが狭すぎでは」なんて思ったりします。

落下防止のためのホームドアは今や多くの駅に設置されていますが
大きな筐体がそこにただ追加されると自ずとホーム幅は狭くなり、
なんだか窮屈だなと思います。

もちろんホームドアの設置は大きく安全が担保されるものだと思いますし、
更に広く対応が進めばいいなと思うところではあります。

でも、もっとホームが広かったら、皆わざわざ電車側を通らないのでは、
目の不自由な人も線路際の点字ブロックを歩かなくていいのでは、
と素人考えでは思ってしまいます。

最近、ホーム幅の広い駅ではホームの中心側に通路を作るような
床面シートを貼ったりしていますよね。

都会の古い駅なんかだと、もともとの狭さに加えて
今般のソーシャルディスタンスの考え方も加わると、
とても安全に電車が運行できるとも思えないんですよね。

嫌なことですが、人と人が近くなることで不要な揉め事もあるでしょうし。

札幌が広い

僕は独身の頃、休みの合う友人もあまりいなかったので、
毎度思い付きのように何度か一人旅をしたことがありました。
旅と言っても、行けても1泊がいいところで、日帰りも多かったです。

仙台、大阪、京都、名古屋、静岡、広島、福岡、香川、沖縄など
ビジネスホテルが多い大きな地方都市がほとんどでした。

ただ、札幌はこれらの街とは違い、なんだか変な感じがしたんです。

なんだか駅前も街中もさっぱりしていて、
人が少ないのか、街のスケールが大きいのか、なんだろうあの感覚。

僕は商業施設運営の仕事をしていたので、
当時は旅先の駅ビルやショッピングセンターを見るのが好きでした。

札幌でも駅ビルや百貨店、地下街、大通公園近くなど見て回りましたが、
平日だからなのか?トップシーズンでないからか?
街を歩く人と人の間に空間があり、距離を保っている印象があったんです。
これは今回の流行病よりずっと以前の、6,7年前の話ではあるのですが。

確かに見て歩いたのが日中ということもあり、人が少なかったと思います。
朝夕の通勤帰宅ラッシュはしっかりと混むでしょうし、
そもそも札幌は大きな街ですから人が少ないとも思えません。

と思いざっと見てみると面白い対比をされてる方がいました。
https://togetter.com/li/1088914

あっ、本当にそれだけ人の数が違うんですね。
あの街の規模でその人数であれば、過ごしやすそうだなと思います。

パーソナルスペース

今回のソーシャルディスタンスの話の中で、
これって本当は日本人得意なんじゃないのかな、と思っています。

欧米の方と話すときに、すごく密接して話されたってことありませんか?

僕は大学の時、アランというアメリカ人講師が腰がぶつかる位の距離で
「シンゴはスペイン語をやっているんだってね!英語とスペイン語は
似ているんだ!マウンテンはスペイン語でなんだい?モンターニャだよ!な、とっても似てるだろ!」と教室の前で話しかけられたのを覚えています。

パーソナルスペースは男女でもサイズや形が違うと言いますが、
通常、仕事等普通の関係の2人で話すレベルなら1.2mの距離だそうです。

欧米の方はもっと距離が近く感じますし、とても親密なイメージです。
対して日本人は元来あまり密接しないタイプなのでは、と思っていました。

それを考えると、本当は僕らもソーシャルなんとかなんて言われる前から
本当はもっと距離を取りたかったんじゃないでしょうか。

牛丼屋のカウンター、野球場の席、満員電車、雨の日のバス、オフィス、
学校の教室、狭小居酒屋、エレベーター、狭い喫煙所。

でも街や電車の大きさは変えられないですよね。
変えられるのは、僕ら人間の数くらいかもしれません。

僕は残念ながらそのような仕事ではないのですが、
テレワークや時差通勤が、今後も継続されればいいなあと思っています。

それはもちろん流行病の影響を最小限にするということもそうですが、
もっと自分や周りの人の身体的、精神的な健康というものの重要さに
多くの人が気づいていった方がいいよなあと思うからです。

何でも闇雲に頑張る、時間をかける、プラスする、我慢する、ではなくて
無駄を省く、リラックスする、みんなが気持ちよく、肩の力を抜いて、
という世の中になれば、きっと良い雰囲気が作れると思います。

そうすれば、間隔を保って並んでいいたのに順番を抜かされてイラつく、
という僕みたいな人も減ると思うんです。

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