【第6回】アローダイアグラム法でスケジュール&タスクを見える化~『図解入門ビジネス 新QC七つ道具がよ~くわかる本』で学ぶ~
前回(第5回)は 「マトリックス図法」 で多角的に情報を整理・分析する方法をお伝えしました。
今回は、新QC七つ道具の一つである 「アローダイアグラム法」 を取り上げます。主に プロジェクトのスケジュール管理やタスク管理 に使われる手法で、どの工程をどのタイミングで実行すればいいのか、全体像を可視化 できるのが大きなメリットです。
◆ アローダイアグラム法とは?
アローダイアグラム法は、作業や工程を順序立てて図で表す 手法です。
作業の 前後関係
それぞれの 必要時間
どの作業が並行できて、どの作業が終わらないと次に進めないか
といった情報を “矢印” でつなぐことで、プロジェクト全体の流れを把握・管理します。
製造業や建設業の現場では「PERT図」と呼ばれたり、ソフトウェア開発では「クリティカルパスの可視化」に活用されたりと、幅広い領域で使われる定番ツールです。
◆ こんなときに役立つ
複雑なプロジェクトを管理したい
どの作業を先にやるべきか、どこで並行作業が可能か、一目瞭然に。
納期(スケジュール)の遅れを最小限に抑えたい
どの作業が “ボトルネック” になるのかを早期発見して対策しやすい。
リソース(人員・予算)を有効に配分したい
余裕のある工程や、手一杯の工程を図上で把握し、的確に調整が可能。
◆ アローダイアグラム法の基本ステップ
作業(工程)を書き出す
プロジェクトを構成するタスクをリストアップします。
作業の前後関係を決める
「作業A → 作業B → 作業C」といった形で、どれが完了しないと次に進めないかを明確に。
矢印でつないで図にする
作業をノード(丸や四角)で表し、矢印で順番をつなぎます。
矢印の上に「所要日数(時間)」を記入することも多いです。
クリティカルパス(最も時間を要する経路)を見つける
どの工程が遅れると全体が遅れてしまうのか、最重要経路(クリティカルパス)を把握します。
スケジュールやリソースを最適化
ボトルネック工程の効率化や、余裕のある工程との並行作業などを検討しましょう。
◆ 実務での活用ポイント
工程を細分化しすぎない
あまりにも細かく作業を分割すると、逆に管理が煩雑になる可能性があります。
定期的な見直しが必須
現場の状況によってタスクの順番や所要時間は変わるため、進捗を確認しつつ随時アップデートが大事です。
チームで共有する
アローダイアグラムを チームの共通言語 にすることで、「誰がいつ何をしているか」を全員が把握できます。
◆ 書籍参考:『図解入門ビジネス 新QC七つ道具がよ~くわかる本』
森田 邦裕 著/秀和システム刊
実際のプロジェクト管理でアローダイアグラム法をどう活用するかが 具体的な図解 で示されている
作り方の手順 や ボトルネックを見つけるコツ、さらに PDPC法との比較 などにも言及
初学者でもわかりやすい、実務志向の事例が豊富
◆ 次回予告
第7回 では 「PDPC法」 (Process Decision Program Chart) に焦点を当てます。リスクやトラブルをあらかじめ洗い出し、対策を考える際に力を発揮するツールです。新QC七つ道具の中でも 危機管理 や リスク対応 に特化した方法なので、ぜひお楽しみに!