【ネタ感想会】オイカゼ 漫才 先輩との飲み

この記事は、スパンキープロダクションの芸人による「ひとつのネタに対してみんなで感想を書く」という企画に参加したものです。
今回のネタはオイカゼの漫才『先輩との飲み』で、感想を書くのが、ひこーき雲・佐藤さん、センサールマン・山﨑仕事人さん、ボーカルさん、純情ポパイ・昨今まれにみる山田の4人です。

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キャラクター漫才というものを考えたときに、1番大切ことの1つにそのキャラクターがお客さんに対して“説明不要”だということがあるのではないでしょうか。そういった意味でボケである亀田さん演じる「アホ」は、オイカゼというコンビの大きな強みであると言えます。お客さんが一目で分かる「明るいアホ」。亀田さんの持つ得難いキャラクターにより、観る人を一瞬で引き込むことが出来ます。また、アホなキャラクターはお客さんから“愛されてなんぼ”であると言うことも出来る気がします。その点、亀田さん演じる「愛されるアホ」の言うボケには嫌味が無く、観ている人に不快感を与えません。つまり、オイカゼはより多くの客層を取り込むことの出来るコンビだと言うことです。また、オイカゼの漫才を語らせてもらう上でもう一つ大事なのは、ツッコミであるワサダさんから亀田さんに対する「愛を感じる」ということです。以下、今回のテーマである漫才「先輩との飲み」に即して見ていきましょう。
冒頭でワサダさんが「心配なことがあって」という切り出しから、先輩との飲みの席での「亀ちゃん」の対応が心配だというテーマで漫才が進行します。ここで、“大事な先輩との飲みで亀田さんに粗相がないか心配するワサダさん”という構図が成り立ち、お客さんは非常に見やすいです。またここで、「いつもの亀ちゃんの対応を見たいから、いつもの亀ちゃんで対応して」と言うワサダさんに、“全然面白く無いけど大丈夫?”と応じる亀田さんに対してワサダさんは、「いつもの亀ちゃんやん」とさらりと返します。このワサダさんの「ツッコミ過ぎない」ところがオイカゼの持ち味の1つだと思います。サラッと毒を混ぜながらもお客さんにキツい印象を与えず、また漫才に緩急がついてリズムが生まれます。余談ですがこの「いつもの亀ちゃんやん」に対する亀田さんの「あらー」の言い方は絶妙にアホです。(笑)また漫才後半の、“ダーツバーで働く亀田さんの足のデカい彼女が、みんなに邪魔だと言われてスミの方でダーツを作っている”と言うのに対し、やはりワサダさんは「大切にしろよ」と優しく肩を叩きツッコみ過ぎません。このように全体を通して、どこか亀田さんに対するワサダさんの愛情が感じられるのが、観ていて心地良い漫才なのです。
以上のようにオイカゼさんの漫才は亀田さん演じる「明るいアホ」とワサダさんの緩急自在の愛情溢れるツッコみの絶妙なバランスの上に成り立った、観ている人にホッコリした印象を与えるものになっています。これからもお2人の仲の良い掛け合いを観させて頂きたいなぁ、と思います。







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