2021.12.20.mon. エアーキャット。
くるみ君は私のところに来てから、もう11年目に入っている。きっちゃなくて、がりがりに痩せ、手のひらに乗せても重力を感じないほどだった。ある意味エアーキャット。
それでもなんとか生き延びて、重力も十分過ぎるほど感じるまでに育ったが、ピンポーン♪ と、誰かが訪ねてくると姿を隠す。だからうちに遊びに来る友人はみんな、くるみ君の姿を見たことがない。別の意味でエアーキャット。それで、くるみなんて名前をつけてるけど、じつはもーそー系の私がつくり上げたほんとうのエアーキャットなのではないかという噂もちらほら。
ところが、今朝、友人たちが「ほんとうにいるのかどうかわからない」というエアーキャットの感覚が私にもわかるようになった。昨日は朝冷えていたこともあり、くるみ君はお布団の中に入ったまま出てこなかった。そのお布団に向かって「行ってくるよ~」と言って出かけたのだが、帰ってきてもお出迎えはなし。
しばらく起きていたのだけれど、くるみ君は姿を現さない。エサはきれいに無くなっていて、トイレも使っているから、じゃまあ生きてるわけだな、と安心してお布団に入ると、湯たんぽならぬ猫たんぽ状態で、ぬくぬくだ。お陰ですぐ眠りにつくことができた。
そして今朝も、くるみ君はお布団の中。鳴いて私を起こすこともなく寝つづけている。ただ、トイレもしてるしエサもなくなっているので夜中、私の知らないうちに起き出して用だけは済ましていたようだ。考えてみたら、一昨日の夜から今まで、私はくるみ君の姿を見ていない。これって一緒に暮らしていてはじめてのことかも。
『わしらの蚤の市』は今日で6日目、また一日くるみ君はお留守番だ。いつもの日常が戻るまで、くるみ君のエアーキャット状態はつづいちゃうのだろうか。なんだか私、見捨てられたようでフクザツな気分だわ。
◎写真の絵は、『島のくだもの』奄美の友人からいただいたタンカンを描いたアクリル画。