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2021.11.15.mon. 図書室のあれ。
先日、ちょっとした木を切るのでミニノコを使ったのだが、その台形のフォルムから、大昔、小学校の図書室で使っていた木製の、なんという名前だったか忘れたが、本の代わりに置くものの存在を思い出した。
厚さは2センチくらいで高さが20センチほど、一枚板で、けっこうな重さがあったように記憶している。背の部分に細長いネームプレートを差し込む金具がついていて、幅2センチくらいの短冊状の紙に学年とクラスと名前を書いて、その金具に差し込む。みんなじぶん用のそれをひとつ持っていた。
どうやって使うかというと、本を選んで取りだしたスペースにそれを差し込んでおく。本棚には、[ 6年1組 野原 薫] のそれが置かれるというわけだ。それは、国語の授業の中の読書の時間だったと思う。クラスのみんながいたような気もするので授業内に読んで返すために使っていたような気もする。
それぞれがじぶんで返却するので、ちゃんと借りた場所がわかるようにその名前つき木製の板を使っていたということかな。だけど、そのシステムだと1冊しか借りられないことになる。小学校の図書室が貸し出しをしていたかどうかもわからないが、まあ授業用に考案されたものなのだろう。
それにしても、私は本を読まない子供だったな。挿絵がないとだめで、内容はほぼ、挿絵を見て想像していたようなところがある。いつから本好きになったのかというと、きっかけは伯父さんに買ってもらった推理小説だ。 『海辺の殺人』とかいう海外ものだった。内容はまったく覚えていないが、青っぽい表紙と、「うみべ」ではなく「かいへん」と読むということだけ覚えている。
それで、いま調べてみたら、なんと、A・クリスティーの『なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?』のジュニア版だったということがわかった。私に読書する楽しみを教えてくれたのは、クリスティーだったのかぁ。ありがとう、アガサ。それにしてもタイトルが地味過ぎる。なぜ、タイトルを変えたのか? 「なぜ、エヴァンズに……」のほうがずっとミステリアスでいいと思うのに。不思議だわ。