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2021.6.25.fri. お買い物カゴを下げていったあの頃から50年、ってまじか。
手さげの買い物カゴというのがあたりまえに使われていたあの頃。というのは昭和40年代はじめ、1970年代だ。公害は問題になっていたけれど、生活レベルでは、いま学べるくらいにエコだったんだよなあ。
母と一緒に行くこともあった夕方の買い物。坂を上ったY字路のスーパーによく通った。店の外には「シロ」という小さなハンバーガー屋があった。しっとりしたパンにはさまれたお肉には厚みがあって、キャベツも包丁で刻んでたくさん入っていて手作り感満載。美味しかったな。
家族四人の買い物でも、買い物カゴで間に合ったというのは、包装の仕方がいまとはまったく異なっていたからだろう。それに、まとめ買いなんてしなかったし、冷凍保存なんて当時の冷蔵庫には無理な話だから、必然的に今日の分かせいぜい次の日の分くらいしか買わなかったのではないだろうか。
それがいつの間にか食品がプラスチック容器やかさばるようなパッケージに変わっていき、買い物カゴだけでは間に合わず、そのうち進歩的文化的なスーパーのビニール袋に変わったということなんだろう。冷蔵庫にしても霜取りの必要ない大型冷蔵庫が登場して、ちゃんと冷凍保存だってできるし、つぎつぎと家電製品がうちの中に溢れてきた。
考えてみると、カラーテレビだって、掃除機だって、電子レンジやドライヤーや、いまあたりまえにある家電製品、それだけじゃないな、いままでなかったものがうちの中に入り込むのを私、いちいち体験してるんだ。なんだかすごいな。というか、恐ろしいな。
そうやって少しずつの変化というのは、バス停を毎日少しずつ動かしていくようなもので、ずっとあとで見るとその変化がわかるけれど、そのときは世の中のムードや何かに踊らされて、平気で見過ごしてしまうということだな。それにしても50年も経っているとは……。