2021.11.3.wed. 懐かしい顔の人。
たまたま知ったドイツのバンド『FAUN』が面白いなと思い、youTubeで視聴しているうちに、リコーダーやバグパイプを吹くヴォーカルのFionaが気になった。
ちょっと『アバ』のツインヴォーカルのように、白髪と黒髪で白い人のほうに似た顔立ち。 ジェシカ・ラングとか、なぜかあの手の顔が懐かしような気持になるのだ。 なぜかなと思い、ふっと、思い出したことがある。
小学校に入る前ではないかと思うのだが、近所に「ひろこちゃん」という女の人がいた。 5人きょうだいの長女だったと記憶しているが、ひろこちゃんは耳がきこえなくて話せない人だった。 一番下のみっちゃんという女の子が6歳年上で、だからひろこちゃんはどう考えてもすでに成人に近かったのではないだろうか。
一時、なぜだか一人でよく遊びに行っていた。 ひろこちゃんはどこか遠くのろうあ学校に通っていたらしいが、卒業したのか、しばらく家にいたときだと思う。 呼んだってきこえないのに「ひ~ろこちゃ~ん、あそびましょ~」と言って訪ねて行くと、割烹着姿のおばさんが出てきて家にあげてくれた。
だいたいがお絵描きをして遊ぶことが多かった。 って、ひろこちゃんからしたら、お守りみたいなものだったと思うけど。 色が白くて、優しかったひろこちゃん。 頬にニキビがあったのを覚えている。
うちが引っ越してしまったので、それから大人になるまでひろこちゃんのことは忘れていたのだが、結婚してまもなく亡くなったときいた。 まだ20代だったとのことだ。
で、このフィオナを見るとひろこちゃんを思い出すのだ。 うまれ変わって歌っているのかなあ、なんて、ちょっと切ない気持ちになる。
創設メンバーのFiona Rueggeberg は最近FAUNを脱退し、じぶんの農場で暮らしているとか。 ソロアルバムも出しているが、バグパイプではなくピアノを弾いている。 名前もFiona Frewertと変わった。 FAUNはいまも活動しているけれど、私は初期のメンバーのときの曲が好きだ。 詳しいことはわからないが、ひろこちゃんに似たフィオナ、音楽活動はずっとつづけてほしいな。