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2021.9.21.tue. 今日は中秋の名月。
今朝も気持ちの良い空で、昨日よりさらに遠くまで歩いてきた。しかし夜には雨が降るとか曇りとか。今夜は満月ということだが、どうやらお月見は難しそうだ。
途中、野の花を摘んで、ふと見ればススキもある。まだ穂が出たてで瑞々しい。いく本かもらって帰ってきた。雲の上の満月を想像して、今夜はお月見の宴でも開こうか。
ところで、お月見といえば食べるほうでも「月見そば」や「月見バーガー」なんて、鶏卵の黄身を使って月に見立てているのだが、私はどうもあの生の卵がのっている食べ物を見るのが苦手だ。万が一、頼んだ丼物に生卵がのっていた場合、出てきた瞬間にぐしゃぐしゃにかき回してしまえば食べられないわけではない。基本的に食べられないものはないのだが、見た目の問題。
いまちょっと気になっているのが、摘んできた花のひとつがよくわからない。ブタクサの種類ではないかと思って調べてみたがどうやら違う。花粉症のもとをとってきたわけではなさそうだ。やれやれ。小さな薄紫の花が地味だけど可愛らしい。『万葉集の植物』(偕成社)にも載っていない。
どうやら「ハマクマツヅラ(浜熊葛)」というようだ。花が細かすぎてポケット辞典だとよくわからず、ネットで調べているうちに近いものが見つかりそこから似た仲間で検索していったら行き着いた。似たものに「ヤナギハナガサ(柳花笠)」というのがあるが、どちらも戦後の帰化植物だ。
ハマクマツヅラは北米原産で、第二次大戦後に沖縄に帰化したとある。なんだかリアルだな。いま半藤一利の対談集『昭和史をどう生きたか』(文春文庫 2018年)を読んでいて沖縄戦の話とか出てくるのだけれど、歴史は途切れることなくつづいているということだと、つくづく思った。