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2021.9.14.tue. 秋のくわいだん。
あの人誰だろうとずっと考えていたのだけれど、今朝になってもまだわからない。わからないと不安になってしまうもの。だから彼女は幽霊のまま。
昨日、いつもの銭湯がお休みで、もう一つある銭湯へ行ったのだが、程よくお客もいて、私は気持ちよく湯船につかっていた。すると、洗い場のドアを開けてひとり、赤毛のふくよかな女性が入ってきた。目鼻立ちのはっきりした(MMではない)、可愛らしい70代という感じの人。
はじめて見たのに、その人がこっちを向いた一瞬、あ、と思った。で、やっぱりその人も、ぱっと顔を明るくして微笑んだ。その人が誰かはすぐにわかった。実家の近所の宮沢さん(仮名)だ。でも、すぐに他人の空似だなと思い直した。だって宮沢さんは、こっちにいないというか、何年も前に亡くなっているからだ。
亡くなったときはもっと年をとっていたのだが、少し若い頃はまるでそっくり。まあ世の中に似た人はいるものだし、私もよくヒト間違いされるし、きっと向こうも私を誰か別の人と勘違いしているのだろう。と思いつつ、頭の中では飲み屋、近所の商店、カーブス、町内会やら自分の行動範囲内のありとあらゆるところを思い出してみたが、やっぱり知った人ではなさそうだ。
気になりつつも、そのまま上がったのだが、すぐあとにその人も上がってきて、話しかけるわけでもなく、またにっこり会釈をされた。それで私も会釈を返したのだけれど、まわりの人は誰も知らないようだった。
帰るとき、脱衣所にいた何人かの人たちにも声をかけて出てきたが、そのときあの人はどこにいたのだろう。挨拶した記憶がない。やっぱり宮沢さんだったのかなあ。いつもきれいにしていたから、亡くなる前の姿じゃ嫌で若いときの姿で現れたのかもしれない。でも、若過ぎちゃうとわかってもらえないと思って、ぎりぎりの線で70代だったのかも。
銭湯の向かいにある間口半間の焼き鳥やさんではじめて買ってみたのだが、どれも満足。とくにつくねは軟骨が入ってコリコリして癖になりそうだ。