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さよなら、「僕たちの」アイのセンタクキ。


①はじめに

今日のは長いよ〜。
心して読むように。

はい、こんばんは。
集合写真で一番ふざけるおじさんことシンゲキ所属サイトウです。
その節は本当に申し訳ありませんでした。
まさかあんなにみんな真面目に写真撮ってると思わなくて……
次から気をつけます。

ということで天神幕劇第3回自主公演「アイのセンタクキ」が、1月6日と7日の両日行われました。
2日とも大盛況の大満員でスーパーハイパーウルトラ楽しい公演になりました。
この場を借りてお越しいただいた皆様、本当にありがとうございました。

今回僕は島根公演ではL(コイくん)として、岡山公園では東京シーンのアンサンブルキャストとして、両公演で役者として舞台に立たせて頂きました。

岡山公演の東京シーン、人数多いと違うねえ〜

このnoteでは島根、岡山両公演についてゆるく振り返る備忘録的な内容をつらつらと綴るつもりです。
大して面白いことは書かないのであらかじめ。
あと裏を話されると解像度上がって逆に無理!って人もやめといた方がいいかもしれません。


では参ります。

②島根編

・自分の役

まずは島根から。
アーリーサマーから引き続いてのメンバーに、参加をセンタクしてくれた公募のメンバーを加えて計17名(多分)のキャストで舞台を作りました。

個人的には初めて台本に目を通した時から(あ、この役は俺がやることになるな……)と思っていたのがコイくんでした。
メンツ的にもおそらく他の人はやらないだろうなと。
後で演出のけいちゃんにも聞いてみましたが、役が決まるのはトップクラスに早かったそうです。そりゃそうだ。
だってやりやすすぎるもん、俺だもんアイツ。
ただ大学生ってのが…頂けない……俺は今年28になるってのに……

アイちゃんとのやり取りはすごく楽しかったです。
一番は結婚式のシーンでした。
ほら、結婚式なんて生きてく上でするかどうか、いや出来るかどうか分かんないからさ……

とはいえそれに限らず全体的にあの役は演じてて楽しかったです。あんなにガッツリ二枚目的な演技をするのは自分の中でも経験がなかったので。
一番自分に近いのに、絶対に自分じゃやらない事をやったり、言わないことを言ったりするから。
自然体で演じることが出来るのに、確実に自分じゃない、っていう面白い男でした。

やっていく中で自分としても落とし所を掴めたり、他の人とのやり取りの中でコイくん自身が成長していく感覚を掴めたので、一役者としても非常に成長させてもらえる役だったなあと。

ひとつ自分の中で意識していたのは「できるだけいい人でいる」ことでした。平凡な結婚生活を送れる男ではないといけなくて。人柄に問題があったらそりゃ別れるわな、ってなっちゃうじゃないですか。
そうではなくてむしろ「どうして俺を捨てるんだ」っていう流れにしたかったのですごくいい人を演じました。

考えながら演技すんの、楽しぇぇ〜〜〜〜〜ってなりました。いえーい。

・島根チームについて

島根チームは全体的に連帯感が凄く強くあって、みんなが器用に自分の仕事をこなして周りのフォローをしてくれる人達だったので非常にやりやすかったです。
僕はキャストチームでは最年長でしたが、変な話みんなを引っ張ろう、とか年長者としての姿を見せなきゃ、みたいな気負いも全くなく。
この人達なら大丈夫だなぁと思って自分のことに集中することが出来ました。
そのくらい安心して任せられる人達だったのはとてもありがたかったです。
全体的にすごく器用な人達だなあというイメージでした。

写真撮影大はしゃぎの島根組。最高。

あと、アーリーサマーでは「寓」チームだった皆さんと一緒にやれたのもとてもとても楽しかったです。
前回とはだいぶ毛色の違う脚本だったのもあって、色んな人の意外な一面を見れたり、知れたりしたことが楽しさに拍車をかけました。

というか普通にまだ半年経ってないってヤバくない?
全員マイメンすぎるんだが??

めちゃくちゃ楽しい公演になりました。
終わらないでほしいと思う舞台ってなかなかないような気がして。
すごくいい経験ができたなあと改めて思います。


③岡山編

・役割多すぎ問題

そして岡山公演。
上記の通り岡山公演にはアンサンブルキャストとして参加しました。
それ自体は前から決まっていたんですが本番直前になって演出から「これもやってほしい!」「これも!」「これも追加で!」……
いや、結果的に出番多すぎね?
聞いてたんと全然違うやんけ。
岡山から来たアンサンブルのキャストは上演中出番までは客席で舞台見てたじゃん……!
すごい軽い気持ちで来たのにめちゃくちゃ仕事多くて舞台裏バタバタ走り回ってるんだけど……!?

これだけだったはずが…
増えました。定期的に舞台裏をバタバタしました。
さらに本番直前でもうひとつ増えて計4つ。

いや、でもそれも含めて最高に楽しかったです。
お客さんで終わるんじゃなくてチームの一員になれたみたいな気がして。
そのおかげで岡山組の方とも沢山コミュニケーション取れたし、また違った参加の仕方ができてすごく楽しかったです。
終わってみたら打ち上げ行けばよかったなぁ、なんてちょっと思ったり。
何人かの方に「なんで打ち上げ来ないんですか!」って言われたのは社交辞令だとしても嬉しかったです。

終わりの挨拶でも言ったけどきっとまた会えるので。
そんなに悲しくはなかったです。

・岡山公演の感想

岡山組は以前に一度だけ通しを見せて頂きました。
その時はフルメンバーでもなかったしまだ稽古期間中だったのもあってまだまだここからだなぁと思ったのを覚えています。何様だよって感じですけど。一旦それは置いといて……

その記憶しか無かったので本番どうなるかなあと思いながらの参加でしたがもう、ね?
観ていただいた方、参加者には言わずとも伝わると思いますが完璧なフィナーレを飾ってもらえたなあと。
羨ましいし悔しいし、でもめちゃくちゃ嬉しいし。
色んな感情がごちゃ混ぜになって、でも総じて幸せな最後を迎えられたと思いました。
役割がいくつかあったのもあって本番前のクソ忙しいタイミングで役者の皆さんにはいくつかお願いさせてもらったり無理言うことになって申し訳なかったなと思います。
でもおかげさまで滞りなく僕たちの仕事は終えられたので本当にありがとうございました。

上演前最後の円陣でも出過ぎたことを言ったかなと後で少し後悔しましたがあの時は我慢できませんでした。
重ねてすみませんでした。

でも本当に最高のラストを迎えられたと思います。
岡山組の公演を観たらまた島根組でもやりたくなったし、でもこのまま綺麗に終わらせたいって気持ちもあるし、むむむむ……ってなりました。笑
でもこれで良かったんだろうなって。

4ヶ月の島根と岡山を跨ぐみんなの努力が、苦悩が、葛藤が、センタクが、全部まとめてひとつになって終えられたような気がします。

・話すほどでもない裏話

これは別に誰にも気づかれてないと思うし言わなくてもいい事なんですけど、千秋楽のラストドゥーワ、岡山組はマインドオブを言ってたじゃないですか。
あそこ袖から島根組も声出してたんですよ、なんか勝手にひとつになりたくなって。

あと千秋楽のラスト、袖から踊りながら見てたんですけど1番最後のパートに入る直前の一瞬の間にPとEの2人が抱きしめ合ってるのを見て一番泣きそうになりました。もう本当に気持ちが入りきってて舞台とか演技とかそういうものを超えた光景を見れた気がして。
うわあ、いいなあって、羨ましいなあって思いました。
いや、もちろん島根も最高だったけどね??

ほんとに最初から最後まで好き勝手やらせてもらって申し訳ないと思いつつ最高に楽しませてもらいました。
観客としてではなく、参加者として岡山組の公演に携わることが出来て本当に良かったと思います。
ありがとうございました。

あ、そうそう。
千秋楽でみなさんが一番驚かれたことは恐らく演出の乱入騒ぎだったんじゃないでしょうか。
ああいうサプライズ的な演出は島根側の文化だなぁと思います。
元はと言えば高校時代から、本番で急に面白いことやろうってのが大好きな我々でしたから。
高校演劇の大会では自分たちより前の上演校のネタをパクって劇中に入れたり、大会後の発表会?みたいな回では顧問を登場させたり、ああいった賑やかしが大好きなので、けいちゃんからLINEが来た時は震えました。(ちなみに僕とけいちゃんは高校の同級生です)
シーン終了後岡山組のキャストの皆さんが舞台袖で「けっけがいた!」「けいてぃあさんいた!」って驚いてる様子を見るのが至福でした。笑
見たか!!これがうちの伊藤圭祐よ!!!

すごく懐かしい気持ちになって、個人的にはそれもまたエモかったです。
恐らく岡山組も島根組も脚本演出としての伊藤圭祐のイメージの方が大きいと思います。
大学時代からの仲であればそうでも無いかもしれませんが、やっぱり高校時代を知る僕としてはプレーヤーとしての伊藤圭祐のイメージが大きいです。
それもあってまるで高校時代に戻ったような気がして。
心にグッと来るものがありました。エモっ。
(あと観に来てくれた島根組のみんなさ、ワンピースだったポーズが変わってたの気付いた?みんなけいちゃんに夢中で気づかんかったでしょ!)

時間を見ればわかる通り上演中のやり取りです。急だなあ。

④島根と岡山の違い

Xでもツイートしたんですけど島根組と岡山組は全く違う空気感を持っていると思います。
まあそれ自体は皆さんわかってると思うんですけど。
僕の個人的な意見ですよこれは。
はい引用ドン。

島根組ってほんとにまとまり方が凄いんですよ。
劇中のドゥーワとかチョイスとか間奏もラストドゥーワも。
振りの一体感がすごくて逸脱する人が全然いないんです。
だから外から見た時の美しさみたいなのは凄くあります。
でも逆に言うと爆発するような個性とか熱量みたいなものは若干弱いんですよね。
みんなおしとやかで控えめって感じ。
だからこそ見た目の美しさとその奥ゆかしさからフレンチのフルコース。技巧を凝らした出来栄えは目で見ても美味しい、食べても美味しい、みたいな。

対して岡山組は爆盛りの町中華。
単純に男役者が多くてパワーがあるっていうのが大きく関係してる気がしますが。
とにかく熱量がすごい。
声量、迫力もあり圧倒的パワーでなぎ倒すような。
それでいてしっかり魅せる演技もできるしシーンの緩急も付けてくる。
でも逆に振りの綺麗さとかまとまりみたいな部分は少し苦手そうなイメージ。
多少雑なとこは見え隠れしても味はしっかり保証されてる、そんな爆盛り町中華のイメージです。笑
ちなみにめちゃくちゃ褒めてます。本当に羨ましい。

お互いにお互いの強みがあるし、その強みがしっかり活きる舞台になっていたと思います。
島根組には岡山組のアイセンは出来ないし、逆もまた然り。
この人たちだからこそできること。
これが公募の良さだなあと改めて思いました。
まああとは風土とか人間関係も関係するのかもしれないですね。

逆に言うとメンツを入れ替えたり組み替えたりしてもまた違ったものが見れそう。
無限に可能性が広がりますね。
これからの活動もめちゃくちゃ楽しみです。

⑤さよなら、僕たちのアイのセンタクキ。

と、いうことで。
8月から稽古が始まった「アイのセンタクキ」も、岡山公演を持ちまして完全に終了しました。
島根公演に来ていただいた皆様、岡山公演に来ていただいた皆様、両公演の出演者、スタッフ、チラシやポスターを置かせていただいたお店や施設の皆様、この企画に携わった全ての皆様に、
本当にありがとうございました。

最高の時間を過ごすことが出来ました。
稽古期間から本番までが楽しかったのはもちろん、僕にとって何より嬉しいのはこの企画を通して色んな人と知り合えたこと、そのご縁です。

岡山組の公演終了後に挨拶させていただいた内容と全く被りますが、このご縁が何よりも嬉しいです。
これからも劇場で、舞台で、客席で、みんなと会えるのが一番の宝です。

改めて思い返せば、
今回の企画に参加したこと、
アーリーサマーを実施したこと、
そのために島大演劇部に声をかけたこと、
30分間想でマチブンに参加したこと、
島根でも一緒に演劇やりたいとけいちゃんに駄々をこねたこと、
全てのセンタクが一つとして間違っていなかったと自信を持って言えます。
センタクした自分、センタクさせてくれた環境、
全てに感謝。

お互い演劇を続けていれば必ずどこかで会えます。
その時まで。

さよなら、「僕たちの」アイのセンタクキ。

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